芋
気をつけろ
これを読むには理解力が相当必要だ
やあ。
ここに来たってことは、君も毒に侵されてしまったんだね。
違う?
いや、確かに君の中に毒はいるよ。
体には直接的に被害を与えない。どこに害を及ぼすかって?それはすぐにわかるよ。
さて、そろそろキミも帰らなければならない。
ほら、
「目を覚ませ」
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不思議な夢を見たのです。
そして今また不思議な光景を目にしています。
そこはどこにでもある学校の体育館のようです。
ただし、どこにでもあるというのは体育館という建物のことであって、決して大きな「鎌」を持った少女と二丁の「拳銃」を持った幼女が目から火花を散らしていることではないのでございます。
周りは薄暗く、顔はあまり見えません。
なんですかこれは。俺は一体どういう経緯でこうなったのですか。
意味がわからんです。
これも夢なのですか?
「おい、そこの芋。なにやってんだ」
大きな鎌の方が言いました。
それはこちらのセリフです。
一体なにがどうなっていらっしゃるのかわからないのです。
「聞いてんのか、芋みてえな顔してよ」
どういうわけなのかわからないです。
「ちょ、ちょっと待つですよ、あなたたちなにをなさってございますか?」
「あなた変な敬語でしゃべるのね!」
幼女の方が悪意たっぷり声でおっしゃっています。顔はよく見えませんがきっとゲス顏です。
「それは否定しませんですけど、一体どういう状況でございますか⁉︎」
素朴な疑問です。
「なかなかいい質問するね、芋さん」
芋は動かないのですね。
「どこがいい質問だよ、ハゲろ。散れ。で、どういう状況か、って言うとだな。まあよくある喧嘩ってやつだ」
私の知っている喧嘩と違います。
こんな、武器とか使うような喧嘩はしらないです。
「つか、芋前よりかなりなよなよしちゃったけど、何があった?」
こいつ俺のこと知ってらっしゃるのか。
「知らないですよ。というか、なんで僕の名前を知っていらっしゃるのですか?」
「あれあれ、そこまで忘れちゃったの?」
忘れた…?
私に何があったのでしょうか。そんなこと覚えてるはずがないです。拳銃娘が忘れちゃったの?とおっしゃっていたのですから。
「俺は、一体誰なのですか?」
おかしな疑問です。
「チッ、めんどくせえな。名前は芋。年齢は私と同じ16歳。私と双子だ。ついでに言うと私の名前は茸。覚えておけよ」
「僕があなたと双子…?」
「そう言っただろうが。チッ、熱が冷めちまった、やめだやめだ、喧嘩なんて」
「何言ってるの?まだ決着はついてないのにサァ」
一瞬、幼女の顔に鬼が宿りました。
「いいね、最高だね、燃えてきたねぇぇえええ!!!」
その言葉とともに茸が幼女に飛びかかった。