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アルバイト

「なぁ、ごくつぶしでも働けるバイト先しらないか?」

「なんだそりゃ。俺たちだって、立派な人間とは言えんだろうに」

 バイト前の放課後。圭一は目の前の席で帰宅の準備をしている友人、熊代毅くましろたけしに相談を持ち掛けた。もちろん、居候こと和泉亜希の問題を解決するためだ。

「ってかなに、お前バイト変えるの?」

「いや、俺は変えないんだが・・・ちょっと知り合いに尋ねられててな」

「はーん。で、どんなやつ。それが分からないと、紹介のしようもないぞ」

 熊代の言う通りである。しかし、そのままの情報を伝えると、いろいろと問題がでるので、必要な情報だけ掲示することにする。

「まず女。俺らと同世代な。んで、特技は食うこと。以上」

「なんだそりゃ。大食い選手権にでもでればいいんじゃねぇの?」

「安定した収入がほしいらしい」

 熊代は困ったように腕を組んで考え始めたが、やがて首を振った。

「悪いが、それだけじゃわからなすぎる。他を当たってくれ。俺も考えてはおくからさ」

「ありがとう」

「そんじゃ、俺はごくつぶしでもできる清掃のアルバイトに行ってくるとしますよ」

 自分自身への皮肉なのか、手をひらひらとさせながら熊代は帰宅準備を完成した鞄を肩にかけて教室から出ていった。・・・掃除すらできないあいつは、ごくつぶしでなく何と呼べばいいだろう。

「はぁ・・・俺も行くか」

 圭一も深いため息をつきながら、席から立ち上がった。




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