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怪物姫に眠りのキスを  作者: 猫田33
対抗するものは焼き払え
5/27

4-1

次の日の朝に爆弾が投下された。


"今夜7時から舞踏会を開催する。必ず主席して服装は、正装を着て出席するように。正装がないものは学生課に申し出ること"


舞踏会は苦手だ。人が大勢いて疲れるし人に酔う。できれば椅子に座り静かにテーブルに置かれている花瓶の花でも見ていたい。


「んっ?下にも小さい注意書きがあるな‥‥」


“コーセル・フォン=ミーシャは男装で来ないこと。武術科のソーン・カーターは途中で抜けださないこと。政治学のウィルソン・フォン=エドガーは必ず主席すること成績優秀者でも容赦しません”


「‥‥‥」


要注意人物の中に私も入ってるの!?男装の何が悪い!


「怪物姫もそれを読んだか。釘刺されちまったな。でも今回は抜け出さねーよ」


「珍しい。バイト命でしょ」


「ちょっとな」


なに意味深に笑ってんのよ。気味が悪い。


「確かに今回は気になるよね。力入りまくりじゃん衣装の貸し出しまでするなんてさ。どこからそんな資金がでたのやら」


「舞踏会にでれば自ずとわかるはず。‥‥‥‥でも一番の問題は、私ドレスなんて着たくない」


「そろそろ男装を止めたら?これがいい引き際だと思うけど」


男装を止めたら女であることを認めたも同じ。私は女と認識されるのが嫌。


「男装とかってさ個人の自由じゃね?命令される筋合いはないと思うぞ」


カーターの言葉にホッとする。そう思っているのは自分だけじゃない。


「俺はミーちゃんのドレス姿がみたいな~。バルキリーがどんな変身をするか楽しみじゃないか」


「確かに楽しみです」


余計な輩まで出て来たな。


「私はこの格好が気に入ってるんです」


「残念。でも今日は、強制的にドレスを着せられると思うよ?」


「なぜ」


思わず眉間に皺がよる。動揺していることがただ漏れだ。現にバルトは、面白いといった笑顔をこちらに向ける。


「さぁね、行こうかアレン」


「はい!バルト様」


余裕といった様子で去るバルト。負けた感じがしてものすごく気分が悪い。


「まぁまぁ、怒んな。それにさ、怪物姫が男装じゃないと悲しむ奴いるし」


「‥‥‥誰?」


「まさか気がついてないの?文学科の司書姫だよ。パーティーの度にエスコートしてるだろう」


確かに司書姫ことアリアのエスコートを毎回しているが悲しむほどなのか?あぁあれか、踊る相手がいなくなるからか。


「これじゃ、わかってないぞ」


「そうみたいだね。とりあえず僕は先に行かせてもらうよ。今日は一番遠い棟だからね」


「走って喘息起こさないでね。人がいないと見つかるの遅くなるし」


「そんな愚を何度も起こさないよ」


エドガーはローブを翻して廊下を颯爽と歩いて行った。


「ふぅ‥‥、なんだか嫌な予感がするな。当たる確率は五分五分なんだけど」


私が守ってきたものが壊されてしまうのか?


「不安がるなよ。いつもの威勢はどこいった?」


「ピーマン頭のカーターにしてはいうじゃない」


「ピーマンってどういうことだよ。おい!」


頭が空っぽってことです。でもいいこと言ったのは事実。


「ありがと」


「なんか言ったか?もしかしてエドガーみたいにバカって言ったんじゃないよな」


「言ってないよ」


「そういえばお前講義は?」


講義?

10:30開始だよね。で現在10:25‥‥。


「遅れる。じゃ!」


窓から外に飛び出た。今から行く教室は、中庭を挟んで反対側にあるから突っ切った方が早い。私は全速力で走った。


「あれで王女なんだよなぁ‥‥。自覚が足りないけど」

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