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怪物姫に眠りのキスを  作者: 猫田33
惰眠を貪る
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昔々ある所に自然豊かで美しい国がありました


自然豊かなおかげで国は、潤っていましたがたった一つだけ気がかりがありました


国王と王妃の間に子がなかったのです


様々な手を尽くしてやっと一人の可愛らしい姫が生まれました


王と国民は、姫の誕生を喜びました


しかし、王妃と臣下は浮かない顔をしていました



王妃は、王の母つまり義理の母から男子を生まないことについて長年いびられていました

姫が生まれてしまったのでまたいびられると思ったからです


対して臣下は、王位継承権があるのは直系の男児のみ

前王の息子は、現王のみなので次代の王をどうしようかと悩んでいました






生まれた姫の名前は“ミーシャ”と名付けられすくすくと育ちました

そして“ミーシャ”の生まれた次の年にはまた姫が生まれて“ジュリア”と名付けられました


二人の姫はとても仲がよく

互いに遊びたまに喧嘩もしました


そのうちミーシャは、七歳になると世間を知るために初級学校へ通うようになりました

ミーシャの知っている同じような歳の子どもは、妹のジュリアしかいません

どきどきしながら通い始めましたが、生来明るく人見知りしない性格なので簡単になじめました

その四年後に三人目の姫、シータ姫が生まれました


ミーシャ11歳、ジュリア10歳のことです






その頃ミーシャは、ある問題を抱えていました

同じ学年のリーダー格である女子に目をつけられて、虐められていたのです

いじめの方法は、無視・はぶりなど証拠が残らない方法だった


さらに状況は、悪くなり近隣の国から戦争を仕掛けられ国に不穏な空気が流れはじめました

姫ももう11歳なので自分の悩みなど可愛いものだと虐めに耐えていました


しかし運命は、残酷で母である王妃と大臣の話を聞いてしまいました


「私が女ばかり三人も産んでしまったばかりに‥‥」


「王妃様のせいではありません。我々は、外交を読み違えたのです。王位継承が出来る男児がいないことを理由に一回り以上年下の姫の婚約者になりたいなどと」


「どうせ、姫を傀儡にして国を乗っ取るつもりに違いない!」


「どちらにせよ。私が男児を産めなかったことが一番の原因」


ミーシャは静かにその場から立ち去り寝室で泣きました


「わかっていたよ……。私が邪魔だって…」


ミーシャは、母が自分を見るたびに苦笑いすることに気がついていました

その理由が今日やっとわかったのです


「私だって…好きで女の子に生まれたわけじゃないもん」


そしてミーシャは、一人決意した




“心も体も強くなって認めてもらおう”




それからのミーシャの行動は早く。ドレスではなくシャツを着てズボンを穿き。朝は走り込み。学校の休み時間には、帝王学・兵法などの本を読み、時間があれば将軍を師として様々な武術の鍛練を始めた。


初めのうちは皆戸惑ったものの、ミーシャの熱意に押され様々なことを教えるようになりました。


妹姫たちは、なぜミーシャがそんな風になってしまったのか不思議に思っていた。






そして四年後


初陣を経てミーシャは、“怪物姫”と呼ばれ畏怖される存在となった。


ミーシャが15歳のことである。

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