ソラあちこちへ行く。
ソラは東京の家はそのままに一旦地元へ帰る。
ソラより一つ年下の、知り合いのスカウトの家に泊めてもらうのだ。
必要なものだけを入れたキャスターを引いて、飛行機に乗る。
スカウトはシュウという。
シュウは根拠のない自信に満ち溢れている。
良い噂をあまり聞かない。
しかしソラには優しかった。
シュウとソラはセックスをし、付き合うことになった。
シュウの知人達に紹介される。
ソラは知人の誰とも連絡をとらず、ソープで働きながら、シュウと4ヶ月程一緒に暮らす。
後、再びシュウと一緒に上京する。
シュウは昔東京に住んでおり、元働いていた歌舞伎町のボーイズバーで働く。
ソラは高級デリヘルで働く。
とても客層と稼ぎがよく、高級ホテルでシャンパンを飲むのが仕事時間の大半ということもよくあった。
なぜ稼ぎが良かったかというと、チップを貰うため、懐に入るお金が多かったのだ。
しかし不景気真っ只中だっため、うまい話ばかりではない。
ソラはよく働いたし、人気もあった。
同じ事務所のコの6倍程稼ぐ月もあった。
ソラは休まず、夜から朝まで働く。
よく不思議がられた。
ソラは客と連絡先を交換しても、連絡をとらない。
事務所を通さないと会わない。
しかし一人だけ連絡をとり、会う客が居た。
精神科の開業医。
初めて会ったのは高級ホテル。
話しながらチーズを食べ、ワインを飲む。
仕事をする。
2回目呼ばれた時に連絡先を交換した。
医者は39歳、バツイチ、子供なし。
趣味は海外へ行ってカジノだ。
家に帰ったら奥さんが居なかったそうで、弁護士を通して話をされたらしい。
医者は澄ました顔をしているが、きっと傷ついたに違いない。
銀座や六本木で、ソラが今まで見たことないような食事を、4時間位かけて一緒に食べる。
もちろん会うときはお金を貰う。
本当はパートナーと一緒に行きたかっただろうな。なんて勝手に時々想像しながら。
ソラはデリヘルがキツくなり、歌舞伎町のキャバクラで働く。
ソラは23歳になっていた。