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茜と真希、お人よしはお互い様

職員室から大きな声が聞こえて、近づいてみるとどうやらよく知った同級生が怒らてるらしい。


まったく何をやっているのやらと金森はトラブルメーカーの釈放を待つことに。

「茜」


びくぅ!!


今まさに「失礼しましたー!」と深いお辞儀をして職員室から出てきたばかりで誰かと顔を合わせるのがちょっと恥ずかしいタイミングで、急に後ろから、しかも名前呼び捨てで声をかけられ嫌な予感を覚えながらも声の主を確認するべく、まるで怒られることを予期した犬のように恐る恐る振り返ると、そこに立っていたのはスークルカーストtier1確定女子、金森真希(かなもりまき)であった。


「2人で話したいんだけど、ちょっと来てくれる?」

「は…はい、お手柔らかにお願いします…」


たった今職員室で盛大な落雷に遭って来た茜の第二ラウンドが始まろうとしていた。


言われるがままに案内された(というか黙って歩く金森の後ろを茜がただ着いて来ているだけだが)その場所は学校の屋上であった。


後から屋上に上がった茜がドアに鍵をかけたのを確認したら、やっと金森が口を開いた。


「これで2人で話せるな。」


「いや、、その前になんで金森さんが屋上の鍵を持ってるの?」


「あんた、そんな事も知らないわけ…?」


はぁ〜と額に拳を当てながらため息をついて


「いい?この学校には女子にだけ密かに受け継がれる屋上の鍵が全部で3本あるの。そのうちの一本を私が引き継いだっていうそれだけの話。」


どうやら金森の様子を見るにその情報は一般生徒からしたら至極当たり前のことのようだ。

つまり知らない者は常識外れ、下手したら排斥対象…


茜の体感温度は急に下がり、それに反して変な汗が全身から滲み出てくる。


なんとかせねば!!!


「へ〜〜、、あぁそれねそれね、うん、シッテタシ……」

「うそつけ。」


ダメでした。


はぁ〜と再び深いため息が漏れる。


「茜さぁ、もっと周りに気をつけた方がいいって分からないかなぁ?」


「ひぇぇ、な、何についておっしゃってますでしょうか…?」


「全部だよ全部!一個一個上げてったらキリないわ!」


「うぇぇ」


「そのひぇぇとかうぇぇもやめろ!は〜〜例えば、さっき職員室に呼ばれたの、あれ、朝ほかのクラスのやつがいじめで体育倉庫の屋根の上に投げられた靴をとってあげてたんでしょう?」


ため息混じりにそう告げる金森

茜は、どうやら怒られる雰囲気では無さそうな雰囲気を感じ少し気持ちを立て直しつつ


「そうだよ。金森さん見てたんだ…あの現場を…」


少し影を残しつつ金森に質問する。果たしていつから見ていたのだろうか、もしあの生徒が靴を投げられる場面から見ていたのであれば。その上でただ傍観していたのであれば。それは金森さんだろうと許せない。と、凹んでた心にまた少しエンジンがかかり、次の言葉を待つ茜に金森は


「まあ見たよ、あんたが…体育倉庫の後ろの木をよじ登って、乗ってた枝と一緒に屋根の上に着地した瞬間をね。」


「やああああああああ!!」


まさに先ほど先生に怒られたところをピンポイントで見られてました。

沸きかけた闘争心も一瞬で吹き飛びました。


頭を抱えながら絶叫する茜に若干ひきつつ金森は続ける。



「本当にびっくりしたわよ。というか、屋根登るなら職員室にでも行ってハシゴとか借りてくればよかったでしょ。」


「だってもう一限始まりそうだったし…靴なしで教室行くのも、ハシゴ取りに行って変に授業に遅れて入っても目立っちゃうし…」


「そこの気は回ってどうして自分の事には気が回らないかなぁ…言っておくけどあんた、今いじめに遭ってない事が不思議なくらい危うい立場にいるからな!」


「え、、、えぇぇぇええええ!!!」


「やっぱり気づいてなかったのか」


「金森さん、それを教えてくれるためにわざわざ呼び出してくれたの!!!?」


ガクッ


と金森は肩から崩れそうになる。

この反応は金森が想定していたものとは大きくズレたものだった。

だからこそ、さらに金森の怒りが込み上がる。


「おい、茜」


「え、、金森さんなんでそんな怒り顔なの…、、金森さんは私に忠告してくれてるんだよね…、なんでそんな今にも布団叩きでお尻シバきそうなオーラ出してるの…?」


「それ完全にお前の親と重ねて見てるだろぉおおおお!!

誰がオカンじゃあああああ!!!」


へぶぅぅ!!!

ついに一発いいのをもらってしまいました。


とても良い回し蹴りです。


鳩尾にクリティカルヒットです。


でもそうやって蹴り上げた長い足の隙間から、可愛いパンツを拝見出来ました。

眼福です。


蹴られた事を差し引いても幸福度はプラスです。

悔いはありません。


そうして走馬灯のように思いを巡らせながら、茜は屋上の床に倒れ伏したのであった。


茜は葵、キキの中では長女みたいな立ち位置ですが本質はトラブルメーカーです。

葵たちと会う前の茜は金森さんから常識を学び今があります。


この度情景描写を追加したシリーズをスタートしました。

会話との配分に悩みますね。

もっとキャラクターの解像度も上げたい!

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