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やべ、一話飛ばして投稿してたことに気づいた…
修正しやす
シオラと名乗る商人はあの後、世間話と俺の作ったラムケバブを食べて帰っていった。
レイン密漁団の風評についても大体聞けた。
一言で言うと「ゴロツキ」だ。
統率もなにも取れてない。法律も警察もいないこの世界で、好き放題に生きたらどうなるか。その答えを体現しているような連中だという。
パルの売買、人身売買、薬の密造エトセトラ。
クラフトを覚えたトー横キッズが1000人いるようなものだろう。想像するだけでおぞましい。
「お、毛皮アーマーいい感じじゃん」
防御力も35ある。
すごいぞ、暖かいぞ。
なんで俺、今まで服着てなかったんだろう。バカじゃん。
手持ちも一新した。
レベルもけっこう上がってきて、全員Lv.13だ。
ツッパニャン ⇒ ジッバニャン
キツネビ ⇒ ヒギツネ
ペンタマ ⇒ ポッチャマン
ナエモチ ⇒ ポヨポヨプリン
ネムラム ⇒ ネムラム
特にネムラムは『ネムラムの腕輪』をつけているだけで、スフィアに入れておかなくても常に攻撃してくれるようになる。
古代端末の制御下では本来1体までしか行動させられないので、実質戦力2倍だ。強いぞ。
「……さて」
俺は川の向こうにいる、かつての強敵を前にした。
メガニ●ム……じゃなくて、アロアリュー。
確かにあの時は殺されるかと思った。
だが、今では装備もパルも一新し、レベルも上がり、装備も整えた。
三連弓も、石の槍もある。
「この程度のやつ、乗り越えなくちゃな」
俺はヒギツネの入ったスフィアを握りしめ、振りかぶった。
「行け、焼き尽くせ、ヒギツネ!」
そんな大それた技は持っていないだろうが、健闘を祈る。
俺は三連弓を引き絞り、ヘッドショットを狙う。
バカバカと打ち込み、ダメージを与えるが……。
オン、と空間を丸ごと破壊するような一撃がアロアリューを中心に展開される。
正体不明のドラゴン技。
射程は大したことないし、予備動作も大きいが、威力が高い。
ヒギツネのHPがレッドゾーンだ。
一端手持ちに戻し、ポヨポヨプリンを出す。
同属性同士の殴り合いはダメージが下がる。アロアリューは草・竜属性だから、半分は減らせる。
その間に、俺はタゲを取られにくい、またはすぐに射線を切れる岩陰に隠れながら、遠距離でチビチビ削る。
ポヨポヨプリンのHPが減る。
次はポッチャマンだ。
いいぞ、アロアリューのHPが半分近く削れてる。
勝てる、勝てるぞ俺たち。
いけ、ジッバニャン! お前のパンチを見せてやれ。
シュッシュパン。弱ぇな、ジッバニャン。さすがは食物連鎖の底辺だ。
ネムラムは常に出ずっぱりのため、もう手持ちはない。
瀕死覚悟でパルを当ててくしか方法が……。
……?
いや、この短期間ながら、ヒギツネが回復している。
そうか、戦闘に出していない間は回復するのか。
そりゃラッキー。
「締めだ。行ってこいヒギツネ」
もはや俺の中のエースストライカー、ヒギツネが文字通りの火を吹く。
その間に俺の弓矢もビシバシ、メガニ●ムに命中し、体力を削っていく。
ネムラムも泥だか何かのエネルギー体かわからんものをぺっぺと投げつけている。
よし、捕獲時だ……!
「いけっ、モンス●ーボール!」
しかしボールから出てきてしまった。
「もう一回だ。モン●ターボール!」
これもダメか。生意気なやつだ。
「諦めるな! モ●スターボールぅぅ!!」
しかし俺はパルボールを投げ続けた。
諦めなければ、確率の女神は必ず微笑む。
おびただしい数のパルボールの残骸の上に、ついに、メガニ●ムが捕獲された。
『初めて捕獲した! アロアリュー。スキル:神速』
俺は、かつての死の恐怖を乗り越えたとか、大きな壁を乗り越えたような、そんな気持ちになっていた。
レベルも上がった。