魔族四天王ベガと戦う!
ギン、マギー、メアリーをマジクとフドウに預けた後、僕は再びドワーフ王国に行った。ドワーフ王国のギルドでひと悶着あったが、僕はギルドマスターに自分の剣を見せて納得してもらった。そして、ヒドラの討伐をするためにゼネグと一緒に西の湖近くの地区に向かった。ゼネグの家に到着すると、奥さんと子ども達が出てきた。男の子と女の子だ。当たり前だが男でも子どもにはひげがない。
「お父ちゃ~ん!お帰り~!」
「ああ、只今。家でおとなしくしていたか?」
「うん。外にはいかなかったよ!」
「そうか。偉いぞ!」
子ども達は頭を撫でられてニコニコしている。そして奥さんが聞いた。
「そちらの方は?」
「ああ、彼はシンだ。湖のヒドラの盗伐に来てくれたんだ。」
「えっ?!一人でですか?」
「ああ、そうさ。シンは物凄く強いんだぞ!コカトリスも討伐したぐらいだからな。」
「そうなんですか~。」
「お兄ちゃん!遊ぼ~。」
子ども達が僕に抱き着いてきた。やはり子どもはかわいい。その日は危険がないように僕が保護しながら庭で遊んだ。そして、夕食をご馳走になって1泊させてもらった。
そして翌朝、僕はまだ日が出る前に出発して、湖へと出かけた。魔力感知をかけているが、小さな魔物の反応が出始めたころ大きな魔力反応を感じた。恐らくヒドラだ。だが、魔族の反応はない。
“それにしてもスネイクの魔物が多すぎるな~。これって全部ヒドラの眷属なのかな~?”
すると、目の前に光球が現れ、人型に変化して大精霊ノームになった。
「シン様。ありがとうございます。」
「どうしたの?」
「ドワーフ族は私の民なのです。私の子ども達のためにご尽力いただきまして感謝します。」
「困ってる人達を放っておけないからね。」
「邪魔なスネイクどもはこのノームにお任せください。」
そういうと、大地から突然尖った岩が突き出た。そして、邪魔なスネイク達を次々と串刺しにしていく。
「ありがとう。スネイクは任せたよ。」
「はい。」
僕は邪魔なスネイクをノームに任せて湖まで急いだ。そして、湖まで来ると9つの頭を持った巨大なスネイクのような魔物がいた。
“いたな!あれがヒドラか。”
僕が近づいていくとヒドラは僕に気づいたのか、攻撃を仕掛けてきた。9つの頭がそれぞれ違う攻撃を仕掛けてくる。火、水、毒、風、光線、黒霧、雷、氷だ。だが、真ん中の頭だけは攻撃をしてこない。むしろ隠れるようにしている。
『アイスカッター』
僕が氷魔法で攻撃を仕掛けると、炎のブレスで防がれてしまった。
“参ったな~。どうしようかな~。”
今度はヒドラが攻撃を仕掛けてきた。風に乗せて毒を吐いてきたのだ。もう一つの頭も光線を吐き出してきた。僕は瞬間移動で避けた。
“厄介だな~。これじゃ近寄れないよ。”
そんなことを持っていると再び僕の前に光の球が現れた。どうやら水の大精霊ウンディーネのようだ。
「シン様。お手伝いしましょうか?」
「助かります。ウンディーネさん。」
「いいえ。私としても湖が汚されるのは気分がよくありませんから。」
ウンディーネが魔法を発動して、湖の水でヒドラの周りに壁を作ってくれた。これで、何とかヒドラに近づくことができる。僕はマサムネを抜いて身構えた。そして、水の壁がするすると下に下がった瞬間、僕はマサムネを一振りした。すると、ヒドラの首が一つ落ちた。だが、再び首から頭がニョキニョキと出てきたのだ。
「シン様。ヒドラはあの真ん中の首を落とさない限り再生します。あの首を狙ってください。」
「わかったよ。」
自由になったヒドラが8つの首から攻撃を仕掛けてきた。そこで、ウンディーネが再び魔法を発動した。
「シン様。準備はいいですか?」
「うん。いいよ。」
ヒドラの周りの水の壁がどんどん下がる。僕はマサムネを力いっぱい横に振った。
『真空斬』
すると、ヒドラの9つ首が一気に斬り落とされた。ヒドラはそのまま湖に倒れかかっている。このままでは毒が湖に流れこんでします。僕は慌ててヒドラを空間収納に仕舞った。
「ありがとう。ウンディーネさん。」
「いいえ。お役に立てて光栄ですから。」
そこにノームもやってきた。
「そっちも終わったようですな。」
「ありがとう。助かったよ。ノームさん。」
「いいえ。ドワーフ達のためにシン様が動いてくださっているのですから。」
そんな話をしていると、いきなり空の様子がおかしくなった。
「2人とも魔族だよ。気を付けて!」
すると、目の前に黒いゆがみができその中から四天王のベガが現れた。
「やはり、あなたでしたか。シンさん。よくもまあ、私の邪魔ばかりしてくれて。」
「ふざけるな!おまえには生きる資格はない!」
ベガの身体から膨大な魔力が溢れ出る。今までに僕が経験したことのないほどの魔力だ。そして、辺り一帯を漆黒の闇が覆いつくしていく。
僕も魔力を開放した。銀髪が逆立ち瞳が黄金色にかわる。さらに全身から眩しい光が放たれ、漆黒の闇を光が飲み込んでいく。
「さすがですね。シンさん。」
ベガの姿が消え、黒い闇が僕の身体全体を覆いつくす。その闇が僕に攻撃をしてきた。だが、僕が全身の闘気をさらに高めると漆黒の闇は僕から離れて行った。
「なるほど、フェンリルには通用した技もあなたには通用しませんか。あなたは一体何者なんですか?まさか天使でもないでしょうに!」
「お前が知ったら震えが止まらなくなるだけさ。終わりにするよ。」
僕は魔法を発動した。
『ヘルダウン』
ベガの頭上に黒い渦が現れる。その渦がベガを吸い込み始めた。
「お前は殺さん。永久に地獄で苦しむがいいさ。」
「も、もしやお前は・・・・」
ベガは黒い渦に吸い込まれてしまった。すべてを見ていたウンディーネとノームはニコニコしながら近寄ってきた。僕は魔力と闘気を戻した。
「さすがです。シン様。」
「これで四天王を一人討伐できたね。」
「はい。俺達もいざっていうときは戦いますから、遠慮なく呼んでください。」
「ありがとう。」
僕達は分かれてゼネグさんの家まで戻った。




