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神様修行の旅  作者: バーチ君
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もうすぐドワーフ王国

 僕達はエルフ王国の女王アイナノアに連れられて世界樹まで行った。そこに7大精霊と精霊女王のソフィアが現れた。ソフィアはこの世界の管理神ディーテに役目を与えられているようだった。一つは世界樹を守ること、そしてもう一つが僕にまつわることだった。僕はソフィアに不思議な記憶を見せられ、自分がこの世界に来た理由、自分が何者なのかを思い出した。同じように、メアリーも夢の中で管理神ディーテに聖女であることを告げられていたのだ。


 エルフ国の女王アイナノア達と一緒に再び王宮に戻った。



「シン殿。ドワーフ国について話をしておきたいことがあります。少しお時間いいですか?」


「ええ。いいですよ。どんな話ですか?」


「実はドワーフ王国では今、強力な魔物が発生していて鉱山に採掘に行けずに困っているようなんです。」


「シン!もしかしたら、またダンジョンかな~?」


「行ってみないと分からないさ。もしかしたら魔族が空間通路を使って魔素を送り込んでるかもしれないしね。」


「そうよね。」


「アイナノアさん。ドワーフ王国の王都はどこにあるんですか?」


「ここから西北に300㎞ほど行ったところです。このエルフ王国もドワーフ王国も小さな国ですから、それほど遠くはないと思いますけど。」



 300㎞離れているとなると、どんなに急いでも徒歩だと10日はかかる。するとメアリーが言ってきた。



「シン君。大丈夫よ。私も飛翔できるようになったから。」


「そうなの?」


「うん。ディーテ様が見せてくれた鏡を見て、自分に翼があるのが分かったんだよ。今は人族の姿だから見えないんだけどね。」



 そして、その日のうちに僕達はドワーフ王国に向けて出発することにした。広大な森の途中までは、第1王子のアノーリオンが魔法陣で連れて行ってくれた。



「では、皆さん。また遊びに来てください。」


「ありがとうございます。」



 しばらく歩いていると広大な森を抜けて草原地帯に出た。普通の草原地帯と違って大きな岩がごろごろしている。



「シン様。飛翔して行きますか?」


「そうだね。さすがに300㎞は遠すぎるよ。でも、その前にそこの岩に擬態している魔物を討伐しなきゃ。」


「えっ?!」


「ストーンゴーレムだよ。」


「あっ、本当ですね。」



 ストーンゴーレムは僕達の隙を窺っている。僕達は武器を手に取ってストーンゴーレムの討伐を始めた。さすがに、メアリーも大分強くなっているせいか、ストーンゴーレムを軽々と討伐していた。



「終わったね。」


「はい。もうこの辺りにはストーンゴーレムは見当たりません。」


「あ~あ。せっかく討伐してもストーンゴーレムじゃ食べられないじゃないの!」


「まあ、マギーちゃんたら!フフフフ」



 ストーンゴーレムを討伐した後、上空に舞い上がった。メアリーは久しぶりの飛翔らしく感覚が分からないのか、ふらふらしている。思わず心配で僕は後ろから抱きついてしまった。



「キャッ」


「大丈夫かい?メアリー。」


「うん。だ、大丈夫だから。シン君。ありがとう。」


「慣れるまでは僕の手を繋ぐようにしようか。」


「うん。」



 少し進んでは降りて、また少し進んでは降りてと何度か繰り返しているうちにしっかりと飛翔できるようになった。そして、王都まで残り10㎞の地点に着いた時、様子を見るために歩いて行くことにした。



「ギン。マギー。メアリー。どうやら魔物のようだよ。」


「シン様。結構な数がいますが。」


「シン君。あそこじゃないですか?」



 メアリーの指さす方向を見ると、ドワーフの男がホーンウルフ達に囲まれていた。



「あの人を助けるよ。」


「はい。」



 僕達は武器を片手にホーンウルフ達に斬り込んだ。ホーンウルフは突然後ろから襲われて慌てて逃げようとしている。



「逃がさないわよ!」



『シャイニングアロー』



 マギーが逃げようとしているホーンウルフに向かって魔法を放った。



ドサッ ドサッ



「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」


「おお、助かったよ。君達は?」


「僕達は旅のものです。ドワーフ王国に行きたくてここまで来たんですが。」


「そうかそうか。丁度わしも街に帰るところだったんだ。わしはゼルグというんだ。本当に助かったよ。」


「僕はシンです。彼女達は僕の仲間のギンとマギーとメアリーです。」



 すると、ゼルグはニコニコ笑いながら言った。



「お前さん。幸せもんだな~。こんなベッピンさんを3人も連れて。」



 ギンもマギーもメアリーもまんざらではないようで顔を赤くしていた。



「ゼルグさん。一緒に街に行ってもいいですか?」


「いいとも。君達が一緒ならわしも心強いからな。」



 僕達はみんなで街まで向かった。



「ところで、ここまでどうやって来たんだ?」



 マギーが自慢げに答えた。



「アニム王国を抜けて、エルフ王国に行ってやっとここまでたどり着いたのよ。」


「そうかい。それは大変だったな~。だが、良くエルフ王国に入れたもんだな~。あの国は女王の許可がないとは入れないはずだがな。」


「ええ。しっかり許可を頂きましたから。」



 するとゼルグは目を細めて僕達を見た。



「そうかい。あの女王様が人族のお前さん達をエルフ国に入れたのかい。女王様も気持ちが変わったのかもしれんな。」


「ところで、ドワーフ族は人族に抵抗がないんですか?」


「まあな。人族は我らの作った品物を買ってくれるしな。それに、珍しい魔道具や食料を売ってくれるからな。何よりも人族には美味しい酒があるだろ!ハッハッハッ」



 するとギンが首をかしげながら言った。



「まさか港町ヤオズまで行くんですか?」


「そんなことをするわけないだろう。このドワーフ王国にも港はあるからな。」



 すると、ゼルグは寂しそうに下を向いた。



「どうしたのさ~!元気ないじゃない!」


「ああ、最近魔物が多くてな。わし達にとって鉱物は物凄く大事なもんなんだが、安心して採掘できないんだ。鉱物がなけりゃ剣も包丁も何も作れねぇんだ。そしたら、人族から酒を買えなくなるだろう。みんなショックでな~。」



 そんな話をしていると王都に到着した。


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