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神様修行の旅  作者: バーチ君
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静かな村のゾンビ達

 ジパンの問題を解決し僕達は、隣国のアラス王国へ向かうことにした。アラス王国は度重なる自然災害により、すでに滅んでしまい人がほとんど住んでいないと聞かされた。それでも、僕は自分の出征の秘密がわかるかもしれないと思い、胸がときめいていた。


アラス王国に入ると広大な森林が広がっていた。そこは僕が住んでいた森とかなり似ている。人が踏み入ることが珍しいのだろう。草木が生い茂り、野生動物達も逃げずにそのままだ。



「シン様。ゴブリンです。」



 僕達の30m先にゴブリン達が集団でいた。どうやら野生動物を狩っているようだ。僕達に気が付くと一斉に攻撃態勢に入った。



「私が行くわ!」



 マギーがゴブリンに向かって駆けだした。手に風魔法を付与しているようだ。マギーが手を振るとゴブリン達の身体が2つに分かれた。



グギャー



 奥の方からもゴブリンが続々とやってきた。



グギャグギャ ギャギャギャ



 何かわからない声を出して意思の疎通を図っているように見えた。いつの間にか僕達の周りを取り囲むように陣取っている。



「シン様。どうしますか?」


「面倒だよね。一気に片付けようか?」


「わかりました。なら、私がやりましょう。」



 ギンが両手を広げて魔法を発動した。すると、辺りに冷たい風が吹き始め木々が凍り始めた。



「シン!寒いんだけど!」


「こっちにおいで!」



 僕は自分達の周りに防御結界を張った。辺り一面が凍り付いていく。ゴブリン達は立ったままの状態で凍ってしまった。



「もういいよ。ギン。」


「はい。」


「シン。どうするの?これ!」



 ゴブリンの死体をそのまま放置もできない。そこで僕は地面に埋めることにした。



『リクエファクション』



 すると、地面がぐらぐらと液体のように変化し、ゴブリン達を飲み込んでいった。



「すっごーい!シンって何でもできるんだね!」


「なんでもできるわけじゃないよ。」



 僕達はそのまま森の中を進んで行く。途中で何度も魔物と遭遇したが、すべて討伐しながら進んだ。素材として売り物になるものや食料になるものは僕の空間収納にしまい、それ以外はゴブリンと同じように地中に埋めた。



「シン。村よ。誰かいるかな~?」


「なんか人の気配はないわよ。」



 僕達が村に入ると村はもぬけの殻だった。



「一体何があったんでしょうか?」


「確か自然災害って言ってたよね~。」


「ねぇ、シン。今日はこの村で止まるんでしょ?久しぶりにベッドで寝たいわ。野宿はつらいのよ!」


「わかったよ。」



 そして、森の中で狩った魔獣をさばいて夕食にすることにした。夕食といっても肉にペップと塩をかけて焼くだけだ。



「ああ、お腹一杯!後はシンに『クリーン』をかけてもらって寝るだけね。」


「マギー!そろそろギンみたいに『クリーン』の魔法ぐらい覚えろよ!」


「何言ってるのよ!そしたらシンに魔法をかけてもらえなくなるじゃない!」


「マギー!もしかして、あなたそのために『クリーン』を覚えないの?」


「そうよ。それが何か?」


「シン様。こういう人にはもう魔法をかけてあげる必要はありませんから!」


「なによー!汗でベトベトして寝れないじゃない!」


「だったら魔法を覚えなさいよ!」


「わかったわよ!」



 なんか賑やかだ。こんな雰囲気を僕は嫌いじゃない。自然と笑顔になる。そして、その日の夜、僕達が寝静まったころ外から物音が聞こえてきた。」



「ギン!起きてる?」


「はい。」


「マギーは?」



 返事がない。横を見ると大の字になって寝ていた。



「マギー!マギー!」


「ん~。何よ~。もう何も食べられないわよ~。」


「寝ぼけてる場合じゃないでしょ!」


「どうしたのよ~?」


「外から物音がするんだ。多分、何かいるよ。」



 僕達がゆっくりと窓から覗き込んだ。すると、ところどころ腐った姿の人々が徘徊していた。



「ゾンビよ!」


「マギーは知ってるの?」


「当たり前でしょ!私は魔族なのよ!」


「ゾンビって魔族なの?」


「違うわよ。魔族の中には死んだ人間を操ることができる者もいるのよ。」


「つまり、近くに魔族がいるってことか?僕の魔力感知には何も反応もないけど。」


「違うわ。あのゾンビ達は自然に発生したんでしょうね。きっと、何か思い残すことがあって浄化されないのよ。」


「なら、どうすればいいんだ?」


「思い残したことが何なのか調べて、それを取り除いてあげることが一番ね。シンならできるでしょ!」



 僕達が寝ていた家を出ると、ゾンビ達が一斉に僕達に群がってきた。まるで何かを訴えるかのように抱きつこうとしてくる。



「シン様。どうしますか?」


「いいよ。僕が彼らに聞いてみるよ。」



『デッドヴォイス』



 すると、ただただ蠢いていたゾンビ達の声が聞こえてきた。



“俺の人生を返せー!”


“なんで私達がこんな目に合わなきゃいけないのー!悔しいー!”


“あの化け物は何なんだー!”


“私の子どもを返してー!”



 聞こえてくるのは漠然とした内容だけだ。これでは何の解決方法も分からない。そこで、僕はこちらから聞いてみた。



“この村に何があったんですか?”



 するとゾンビ達が答えてきた。



“森の中から化け物が来た!化け物は子ども達を食べたんだ!”


“化け物が毒針を飛ばしてきたの。苦しくて苦しくて!ウ————!”


“化け物ってどんな奴なの?”


“ライアのような胴体。顔は人間。背中に翼。恐ろしい奴!”


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