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神様修行の旅  作者: バーチ君
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ギガン討伐!

 僕達は全員で王城へとやってきた。そして、フジナガとヒメミヤが地下にいることが分かったので、僕達3人は地下にやってきたのだが、そこには頭から2本の角を生やし黒い翼をもったギガンという魔族がいた。人質となっていたヒメミヤを救出した後、僕とギガンは本格的な戦闘を始めた。ギガンは四天王最強のアルタイの100人隊長だけのことがあり、予想以上に強かった。僕は、油断していたわけではないが、ギガンに一方的に攻撃を受けていた。



 すると。マギーが悲鳴のような声をあげた。



「シ——ン!!!」


「大丈夫よ。マギー。シン様があの程度でやられることはないわ。」



 僕は魔力を全開放する。すると、銀色の髪が逆立ち瞳が黄金色に変化し、全身から神々しい光が放たれた。僕を拘束していた黒い蔦は粉々になって霧散していく。



「確かにラガンとかいう奴よりは強いね。でも、それだけだよ。」


「何を負け惜しみを!」



 僕は魔法を放った。



『ホリーアロー』



 頭上に光り輝く矢が現れる。そして、それらがギガンに向かって放たれた。



バコバコバコーン



 ギガンは翼で身を守ろうとしたが、翼がボロボロになっている。



「なぜだ?なぜ?」



 するとギンがポツリと言った。



「あの矢には神聖なエネルギーが感じられたわ。さすが、シン様です。」



 続けて僕は魔法を放った。



『シャイニングビーム』



 僕の手から放たれた眩しい光がギガンの腹を貫いた。



グハッ



「お、お、お前は何者なんだ?こ、こ、の力、尋常ではない!」



 ギガンは膝を地面についた。



「お前は許されないことをした。覚悟はできてるな。」



「アルタイ様は俺など足元にも及ばないほど強いのだ!貴様などアルタイ様に殺されるわ!ハッハッハッ」



『ヘルダウン』



 すると、僕の身体から溢れ出ている光が黒色の闇のように変化し、ギガンを飲み込んでいった。そして、とうとうギガンの姿は完全に消えた。



「シン様!終わりましたね。」


「シン!心配したんだから!」


「ありがとう。ヒメミヤ様は?」


「まだ意識が戻りません。」



 そこに、オダナガ達がやってきた。



「シン殿!ヒメミヤ様は?」


「無事よ。」


「魔族はシンが倒したわよ!」


「そうですか。シン殿、感謝しますぞ!」



 シズヒサもモリナリもオダナガもタケノブも全員がヒメミヤを囲むように見ている。だが、ヒメミヤは意識が戻らない。



「魔族に眠らされてるのよ。」


「ギン殿!ヒメミヤ様は意識を戻るのか?」



 するとマギーが言った。



「魔法をかけたのは、ギガンという魔族よ。フジナガを殺して体を乗っ取っていたのよ。ギガンは100人隊長なんだから、そんなに簡単には解けないわ。」


「ヒメミヤ様はこのまま眠り続けるのか?嘆かわしいことだ。ヒメミヤ様!起きてくだされ!」



 僕は戦いのあと魔力を元に戻していたが再び魔力を解放した。すると、僕の姿が変化し光が溢れ出る。僕はヒメミヤのところまで行き魔法を発動した。



『リカバリー』



 すると、手から放たれた一段と眩しい光がヒメミヤの身体を包み込んで行く。そして光が収まった時、ヒメミヤがゆっくりと目を開けた。



「ヒメミヤ様~!」


「ヒメミヤ様―!」



 ヒメミヤはゆっくりと体を起こしてキョトンとしている。



「ここはどこですか?私は一体何をしていたのでしょう?」


「ヒメミヤ様。ここは王城の地下です。ご説明しますので、別の部屋に行きましょう。」



 僕達は大会議室に向かった。階段や廊下には大勢の兵士達が死んでいる。それを見てヒメミヤは悲しい顔をしていた。そして、シズヒサやオダナガ達から説明を受けたヒメミヤは、その場で泣き崩れた。



「私のせいです!私がふがいないばかりに魔族に好き勝手されて。私に王の資格はありません!許してください。」


「ヒメミヤ様のせいではありません。そうだな?みんな!」


「その通りです。私こそ大きな罪を犯しました。私はイマモト殿を殺してしまいました。」


「それを言うなら私もだ。私もトクヤス殿を殺してしまった。」


「わしだってオダナガ殿やモリナリ殿を殺そうとしていたんだ。」



 するとギンが大きな声で怒った。



「あなた方は何を言ってるんですか?確かに犯した罪は反省しなければなりません。ですが、あなた方はまだ生きているでしょう!ならば、命ある限り償えばいいのです。」


「ギンが言う通りよ。それに、みんなはギガンに操られてたんだからしょうがないじゃない!」



 全員が下を見て黙り込んでいる。領主達だけではない。その場にいる兵士達も全員が下を向いているのだ。僕はなんと声を掛けたらいいかわからない。だが、自然とお僕の思いが言葉になった。



「この国を平和な国にしなよ。みんなが笑顔で生活できる国にしなよ。深く反省してるなら、それを行動で示さなきゃ!悲しんでる暇なんてないよ!」


「そうだな。シン殿の言うとおりだな。みんな、ともにここ国を復興させようぞ!」


「シズヒサ殿の言う通りだ!オダナガ殿!タケノブ殿!ともにこの国のために尽くそうではないか!」



 それからジパンの復興について話し合いがされた。イマモトとトクヤスの領地は、それぞれの血縁者が領主となることが決められた。



「ところで、シン殿とギン殿、マギー殿は本当に人族なんですか?」


「どうしてですか?ヒメミヤ様。」


「あなた方3人だけで、100人隊長を討伐されたんですよね?普通の人族とは考えられません。」


「違うわよ。私もギンも見てただけだから。シンが一人で倒したんだよ。」



 ヒメミヤは頬をピンクに染めて僕に聞いてきた。



「本当ですか?シン殿。シン殿は一体何者なんですか?私の意識を戻すときに、シン殿から神々しい光が出ていたと聞きましたよ。」


「自分でも分からないんですよ。他の方にも説明しましたけど、僕は記憶がないんです。でも、自分では人族のつもりなんですけどね。」


「そうなんですか~。」


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