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神様修行の旅  作者: バーチ君
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シズヒサの魔法を解除する!

 僕達3人はロープで縛られ、領主の館まで連れて行かれた。そして、館の中で座らされている。すると、そこにシズヒサと思われる人物がやってきた。さすがに戦争中ということもあり、豪華な甲冑を着ていた。



「お前達は何者だ?誰の手の者だ?」



 するとマギーが怒り出した。



「別に誰の手の者でもないわよ!早くこのロープをほどきなさいよ!」


「ダンジョウ!この者達を締め上げて、誰の手の者か吐かせろ!」



 僕は魔眼でシズヒサを見た。黒いオーラがシズヒサの周りに絡まっている。どうやら魔法をかけられているようだ。



「仕方ない。ギン、マギー、ここまでのようだ。少し暴れるよ。」


「はい。」


「やったー!」



 僕は少し魔力を開放した。すると僕の青い瞳が赤くなり、僕達を拘束していたロープが粉々になって地面に落ちた。



「き、貴様!何をした!」



 兵士達が慌てて僕達を取り囲んだ。



「ギン。マギー。殺しちゃだめだよ!」


「わかってるよ!」



 ギンとマギーが体術で兵士達の意識を刈り取っていく。そして、僕は一気に駆け出し、シズヒサのもとに向かった。すると、僕の前に体の大きな兵士が5人で妨害してきた。



「ちょっと、邪魔なんだけど。」


「ふざけるな!殿には指一本触れさせんぞ!」



 チェストー



 刀のふり下ろしがかなり早い。油断していたわけではないが、僕の前髪がゆらゆらと落ちた。



「貴様。ただものではないな。俺の一太刀を避けるとはな!だが、次は外さんぞ!」



 チェストー


 パチン



 僕は両手で挟み込むように刀を受け止めた。



「なんだとー!まさか、真剣白刃取りか?!」



 僕が手に力を入れると刀が折れた。



バキン



「馬鹿な?!」



 僕は素早く間合いを詰めて全員の腹に拳をお見舞いした。



ボコッ バコッ


グハッ ゲボッ



 シズヒサもその場に崩れ落ちた。僕はシズヒサにかけられている魔法を解除した。



『リリーブ』



 すると、シズヒサの周りから黒い靄が現れて空気中に消えていく。そして、シズヒサはその場で気を失った。僕の様子を見ていた兵士達はただただ茫然としている。



「なんなんだ?今のは?」


「何がどうしたっていうんだ!」



 そこで、僕は兵士達に聞こえるように大きな声で説明した。



「この人は魔法をかけられて操られていたんだ!戦争はこの人の本心じゃないんだ!」


「なんと?!それはまことか?」


「おい、信じていいのか?」



 兵士達が戸惑っている。その様子を見てギンがシズヒサのもとに行き背中を押した。すると、シズヒサが意識を取り戻した。



「わしは何をしておったのだ。」


「シズヒサ様!」



 兵士達が駆け寄ってきた。



「お主ら、その恰好はなんだ?戦争でも始めるつもりなのか?」



 集まった兵士達は狐につままれたようにポカンとしている。そして、シズヒサが僕に気が付いたようだ。



「お主達は誰だ?」


「あなたは魔法で操られていたんですよ。」


「なんと?!このわしが操られていただと!」


「ええ、そうですよ。この状況を見ればわかりますよね。あなたもこの国の大領主達もみんな、争うようにと魔法をかけられていたんですよ。」


「まさか!」


「戦争が起これば、犠牲になるのは兵士達や領民達です。彼らの中には無理やり徴集された者達だっていると思いますよ。」



 兵士達は悲しそうな顔をしている。



「どうやらまことのようだな。申し訳ないことをした。」



 シズヒサが兵士達に向かって謝った。



「シズヒサ様~!!!」



 泣き崩れる兵士達もいた。



「まだ終わってないですよ。他の大領主達の魔法はまだ解除してませんから。今もオダナガ様の軍勢がこの街に向かって進軍してるようですよ。」


「それは一大事ではないか!早く何とかせねば!」



 シズヒサはかなり焦っているようだ。でも、魔法で操られていることがわかっているのに、どうしても相手を傷つける気にはなれなかった。



「誰も傷つけずに勝つ方法ないかな~?」


「シン様。それは難しいと思われます。」


「そうよ!シン!攻めてくるなら仕方ないじゃない!」



 すると、再びシズヒサが聞いてきた。



「もう一度聞くが、お主達は何者なんだ?」


「世界中を旅している者ですよ。」



 すると、意識を失っていた兵士達も次々と意識を取り戻して、武器を手に持って僕達を取り囲んだ。



「シズヒサ様。ご無事でしたか。すぐにこの者どもを切り捨てますゆえ。」


「これ、よさんか!この者達はわしの目を覚ましてくれた恩人だ。何を誤解しておるんだ。」


「えっ?!」



 僕達を取り囲んでいた兵士達がシズヒサの方を見た。



「これ、早くその刀を収めるのだ!」


「ですが、シズヒサ様。オダナガ様の軍勢がすぐそこまで迫っております。」


「わかっておる。」



 僕達はシズヒサの館の応接室に案内された。そこで、僕達が自己紹介をした後で、先ほどの大きなガタイの兵士が説明を始めた。



「1年程前に王城での会議から帰られた後、城で何かあったのか知りませんが、シズヒサ様がお怒りになっておられまして。」


「私が怒っただと?一体だれにだ?」


「はい。他の領主達に対してです。」


「それで戦争なのか?」


「はい。隣接するオダナガ様とモリナリ様と度々争いをするようになりました。攻めたり攻められたりです。」


「それは誠なのか?」


「はい。数か月前にはオダナガ様がイマモト様を攻め滅ぼしました。それに、タケノブ様がトクヤス様を攻め滅ぼしました。現在は、オダナガ様がこの領地を狙っております。」


「わしが操られている間にそんなことがあったのか?」


「はい。」



 すると、そこに兵士が慌ててやってきた。



「ご報告します。」


「入れ!」


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