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神様修行の旅  作者: バーチ君
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名刀マサムネ

 僕達は東の大陸に到着し、港町サカイを散策していた。すると、興味のひかれる店があったので立ち寄ることにした。中に入ると様々な武器が並んでいる。奥からはカンカンと大きな音が聞こえてきた。店内を見て回ると、星形の鋭い武器や剣のようだが片刃の刃物のような物、珍しいものでいっぱいだ。すると、音がしなくなり男性がやってきた。



「おお、お客だったか。すまないな。ちょっと裏で仕事しててな。気付かなかったわ。ハッハッハッ」



 なんか豪快な人だ。



「何か欲しいものがあったか?」


「この星形のものは何ですか?」


「これか?これはこうやって使うのさ。」



店の主人が奥の柱に向けて投げた。すると、大きく曲がりながら柱の中央に刺さった。



「凄い凄い!」



 マギーは大喜びだ。



「お嬢ちゃんもやってみるかい?」


「いいんですか?」


「ああ、だが、初心者には難しいから裏に来てくれるか?」


「はい。」



 僕達は裏に行った。そこには木の人形が立っていた。



「お嬢ちゃん。あれに向かって投げて見な!」



 マギーが投げたがとんでもない方向に飛んで行った。



「ハッハッハッ 言っただろ!難しいって!」


「次は私がやってみます。」



 ギンが前に出た。そして、主人から受け取った星形のものを投げたがやはり命中しない。」



「シン様。これは私達には難しすぎます。」


「そうだね。相当な訓練が必要だよ。」


「お前さんはやってみないのか?」


「僕がやっても結果は同じですから。」


「シン!やってみてよ!私もギンもやったんだからさ!」


「わかったよ。」



 僕は主人から受け取って、頭の中で『当たれ』と思いながら投げた。すると、星形の刃物は大きく曲がりながら人形のど真ん中に突き刺さった。



「お前さん凄いな~!本当に初めてなのか?」


「ええ、そうですけど。まぐれですよ。」


「それもそうだな。ハッハッハッ」



 そして店内に戻った僕は気になるものを見つけた。それは、反り返った片刃の剣だ。先ほどのものよりはるかに長い。しかも刃の部分が光っていてその中に文様のような物があった。



「お前さん。やっぱり只者じゃないな。この刀に目が行くとはな。」


「刀ですか?」


「ああ、この反り返った片刃の剣のことだよ。この国ではこれがメインの武器なんだよ。しかも、その刀は不思議と重すぎて誰にも使いこなせないんだ。持ってみるかい?」


「いいんですか?」


「ああ、いいとも。使えないと思えば諦めもつくだろからな。ハッハッハッ」


「そうですね。なら、ちょっと持たせてください。」



 僕がその刀を持ち上げると普通の重さのように感じた。しかも、刃が突然光り出したのだ。別に僕は魔法を付与していないのに。



「こ、こ、これは、まさか、まるでお前さんが来るのを待っていたかのようだ!」


「さすがシン様です。」


「なんかいいな~。シンばっかり。」



 僕はどうしてもこの刀が欲しくなった。そこで値段を聞いてみた。



「これいくらですか?」


「そうだな~。小判30枚ってとこだな。」


「小判?」


「ああ、この国のお金だよ。」


「すみません。僕達、今着いたばかりでこの国のお金を持ってないんです。」


「そうか。どこから来たんだ?」


「ナルシア王国です。」


「ならナルシア王国の白金貨50枚でいいぞ!」


「わかりました。それなら払えます。」



 僕は魔法袋から白金貨50枚を出した。すると、主人が言ってきた。



「お前さん達、普通の冒険者じゃないな。」


「どうしてですか?」


「白金貨50枚を簡単に出すぐらいだ。恐らくその10倍ぐらいは持っているんだろ。しかもそれは魔法袋だ。どうみても低ランクの冒険者が持つ代物じゃないしな。」


「参ったな~。買いかぶりですよ。両親が残したお金と魔法袋ですから。ハッハッハッ」


「まあいい。そういうことにしておこう。ただ、一つ注意しておくぞ。この国は今、戦乱の最中だ。巻き込まれるなよ。」


「は、はい。」



 僕達は店を出た。すると、鉄と布でカラフルな甲冑のような物を着た人達が何人も歩いて行った。僕達はその人達を避けながら、次の街に行くことにした。



「シン。ここから先は私も知らないよ。」


「私もです。シン様。」


「いいさ。この国にも王都のような街があるだろうから、そこに行ってみようよ。」


「はい。」



 僕達はこの国の地図を求めて冒険者ギルドに行くことにした。ギルドの中に入ると先ほどの甲冑を着た人達がいた。なにやらギルドマスターらしき人と言い争いをしている。



「だから無理なんです。ギルドは中立ですから。」


「うるさい!オダナガ様の言うことが聞けないのか!」


「だから、何度も説明してますよね!」



 すると、甲冑を着た人達が刀に手をかけた。次の瞬間、ギルドマスターの顔が真剣になった。



「お前さん達、それを抜くのか?抜いたら命の補償はしないぜ!」



 ギルマスから溢れる闘気に甲冑の男達も後ずさりする。



「よし。このことはオダナガ様に報告する。どうなっても知らんぞ!」


「いいですとも。」


「帰るぞ!」


「ハッ」



 甲冑の男達はギルドから出て行った。


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