東の大陸の港町サカイに到着
僕達は東の大陸に向かう船に乗った。何の問題もなく進んでいたが、もうすぐ到着という段階で、海の怪物クラーケンが現れた。船長の指示で、船員達がでかい触手に向けて砲撃した。球が触手に命中して、触手がちぎれて海中へと落下した。すると、海の中から巨大なスクッドの魔物が姿を見せた。触手を一本失っているが、まだ9本ある。その触手で船を攻撃してきた。
メキッ バキッ
「船長。このままでは船が持ちません。」
「構わん。そのまま砲撃を続けろ!」
「は、はい!」
ドッガーン ドッガーン
クラーケンに向けて砲撃が続く。だが、海上に姿を見せたクラーケンは球を触手で叩き落している。そして、違う触手を船に巻き付けて船を破壊するつもりのようだ。
「シン様!」
「ああ、あの美味しそうなクラーケンを討伐しようか。」
「はい。」
「うん。今日の晩御飯は決まりね!」
「君達何を?!」
僕達は剣を抜いて触手に斬りかかった。僕の剣からは炎が、ギンの剣からは冷気が、マギーの剣からは黒い靄が溢れ出ている。
スパン ドサッ
「オオ—————!」
「勝てる!勝てるぞ!」
するとアンジンが船員達に指示を出す。
「クラーケンに槍をぶち込め!」
「はい!」
船員達が次々と槍を投げる。さらに砲撃が続いている。さすがのクラーケンも触手が破壊されてはなすすべがないようだ。海の中に逃げようとした。そこで、僕は魔法を発動する。
『アンチグラビティ―』
すると、海の中に逃げようとしたクラーケンが、どんどん空中へと持ち上がっていく。
「ギン!今だ!」
『アイスカッター』
ギンの放った魔法がクラーケンの身体を切り刻んだ。
バシャン ポチャン
クラーケンは体を細かく切り刻まれ海面に落下した。
「やったぞー!クラーケンを倒したぞー!」
船の反対側に避難していたホゲー親子が海面に顔を出した。まるで、僕達にお礼を言うかのような目をしていた。そして、安心したように船から離れて行った。
「シン君。ありがとう。ギンさんもマギーさんもありがとうな。君達がこんなに強いとは思わなかったぞ!」
「このことはあまり広めないでくださいね。」
「どうしてだい?クラーケンを倒したんだから、英雄じゃないか!」
「シン様はあまり目立つのが好きではないんですよ。」
「そうか。わかった。みんなにも口止めをしておこう。」
僕は海に落下したクラーケンの残骸を魔法で集めて、魔法袋に仕舞うふりをして空間収納に仕舞った。当然、その日の夜はクラーケンの食べ放題だ。意外にもクラーケンの肉は柔らかい。そこで、僕が調味料を出してクラーケンのステーキにして食べた。
「あ~、お腹いっぱいだわ!もう当分食べ物は見たくないわ!」
「マギー!あなた食べすぎなのよ!」
「私はたくさん食べて一にも早くギンを超えるんだから!」
僕は2人の会話がよくわからなかった。
「なんのこと!」
するとギンが恥ずかしそうに答えた。
「な、何でもないんです。」
そして、いよいよ東の大陸に到着だ。船が港に到着すると船員達は荷物を下ろし始めた。僕達は船長のアンジンにお礼を言って、街の中に歩いて行った。
「ここがジパンか~。なんか家が全然違うね。それに、髪型も全然違うよ。」
「女性のあの髪型、結構好きですけど。」
「そうだね。ギンならに会うかもしれないね。」
「ちょっと―!私はどうなのよ?」
「マギーはあの子のような髪型のほうが似合うかな。」
僕が指さした先には前髪をそろえているオカッパ頭の少女がいた。
「シン!どういうことよ!私だってもう大人なんだよ!子ども扱いしないでよ!」
「ごめんごめん。マギーを見てるとなんか可愛くてさ。」
「そう?可愛いのね。なら、許してあげるわ!」
「でも、男性のあの髪型は何なんでしょうね?」
「そうだね。頭の横をそり上げててっぺんにだけ髪があるのかな。僕には無理だよ。」
「シン様はどんな髪型でもお似合いですよ。」
「いいや。遠慮しておくよ。」
どうやら港町の名前はサカイというようだ。今日はこの街に泊まることにした。
「冒険者ギルドって世界中にあるんだよね?」
「確か、そう聞いてますが。」
「なら、ギルドに行ってみようか?」
「はい。」
僕達は冒険者ギルドを探して歩いた。すると、明らかに他の建物と建築様式が違う気になる店を見つけた。
「なんお店ですかね~。
「入ってみようか?」
 




