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神様修行の旅  作者: バーチ君
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海の怪物クラーケン

 港町マイアムシティーに着いた僕達は宿屋を探したが、どこもいっぱいだった。そこで、冒険者ギルドで聞いた宿屋に行ったが、外観は物凄くさびれていた。それでもと思い泊まってみると、夫婦が東の大陸ジパンの出身者で、料理が物凄く美味しかった。そして、僕達は東の大陸に向かうため港にやってきた。港は昨日と同様にかなり賑わっている。僕達は東の多陸に向かう船を探した。



「ああ、東の大陸に行くならあの船が一番早いぜ。」



 尋ねた人が指さした船には、おかしな髪型の人達がいた。船の近くに行って、聞いてみることにした。



「すみません。この船は東の大陸に行くんですよね?」



 すると、船から船長らしき男がやってきた。



「おお、これから帰るところだが、お前達は?」


「僕達はジパンに行きたいんです。」


「そうか。なら、乗せてやってもいいが一人金が5枚だな。」



 少し高い気もしたが、背に腹は代えられない。僕は船長らしき男に金貨15枚を支払った。



「俺は船長のアンジンだ。よろしくな。」


「僕はシン、こっちはギンとマギーです。よろしくお願いします。」


「すぐに出発して、明日の昼には着く予定だ、速く船に乗りな。」


「はい。」



 船には大きな帆が何個もあった。さらに船の横には数個の大砲がついている。船に乗った僕達は船を見学することにした。



「それにしても大きな船ですね?」


「マギーとかギンは船に乗ったことがあるんだろ?」


「私が乗った船はこのような大きな船ではありませんでした。」


「私は船なんか使わないもん。」


「えっ?!どうして?」



 するとマギーが言った。



「以前話したよね?魔素が流れ込むのは魔大陸とこの国を繋ぐ空間通路があるからだって。」


「もしかして、マギーはそこを通ってきたのか?」


「そうよ。あいつらから逃げるのに必死だったんだから。」


「その空間通路はどこにあるか知ってるのか?」


「当たり前じゃない。」


「なら、夜にでも塞ぎに行こうか?」


「ここからどうやって行くのよ?!」


「大丈夫さ。その前にマギー、ちょっとこっちに来てくれる?」


「何するのさ。」



 僕はマギーの帽子をずらして髪を上に挙げた。



「いきなり何するのよ。しかも人前よ!」


「いいからいいから。」



 するとマギーは頬を真っ赤にして目を閉じた。何かを誤解しているようだ。僕はマギーの額に手を当てた。マギーの記憶が流れ込んできた。そして、空間通路の場所が判明した。



「終わったよ。」


「えっ?!なに?どうなってるの?」



 誤解しているマギーはアタフタしている。



「マギーの記憶から空間通路の場所を確認したんだ。これでもう転移できるよ。」


「そういうことだったのね。でも、他の記憶も見たの?」


「いいや。見てないよ。」


「本当に?」


「ああ、本当さ。」



 僕はマギーに嘘をついた。マギーの悲しい記憶、楽しい記憶、辛い記憶、そのすべてが僕に流れ込んできたのだ。



「シン様。そろそろみんな寝てしまったようですよ。」


「わかったよ。なら、これから行こうか?」



 僕達は3人で空間通路のある場所まで転移した。その場所は僕達が通ってきたワサイシティーにある火山の中腹にあった。



「ここのようだね。」


「どうするんですか?」


「ここに蓋をするのさ。」


「破壊しないのですか?」


「だって、魔族は僕達を狙っているんでしょ?なら、僕達から魔大陸に攻め込む可能性があるよね。」


「なるほど、そういうことですか?向こうからは開けられないように蓋をしてしまうんですね?」


「そうさ。」



 僕は強力な結界を張った。僕の本気の結界だ。簡単には破壊できない。



「戻ろうか?」


「はい。」


「でも、シンってすごいよね?」


「なにが?」


「別にどうでもいいけどね。」



 僕達は船に戻った。そして、そろそろ東の大陸に着くというところで、海から海水が吹きあがった。



「ギン。あれって何?」


「ああ、あれはホゲーですね。大きいんですよ。10m以上あるものもいるんですよ。」



 すると、ホゲーがこちらに近づいてきた。その横には小さなホゲーがいる。僕達の船をつぶらな瞳で見ていた。



「可愛いわね~。きっと親子ね。」



すると、船長が大砲を用意させている。船員達は槍を手に持っている。どうやら、このホゲー親子を狩るようだ。すると、マギーが大きな声で言った。



「ちょっとアンジンさん!何するつもりなの?あの親子を狙うならかわいそうじゃない!」


「お嬢ちゃん!何言ってるんだ!ホゲーがいるってことは、この近くにクラーケンがいるってことだぞ!」


「クラーケン?」


「ああ、そうだ。でかいスクッドの化け物さ。あいつはホゲーが大好物だからな。」



 すると、アンジンが言った通り、ホゲーの後ろからブクブクと泡が立ち込め、長い触手がホゲーを捕まえようとしていた。ホゲーは子どもを守りながら腹びれで応戦している。



「撃てー!」


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