魔物襲来
僕達3人は王城に呼ばれた。スチュワート国王にもすでに僕達のことが知られているようだった。この国の危機をどう回避していくのか話し合いをした後、僕達は宿屋を探しに街に出た。街の中は平和そのものだ。ウイリアムが以前僕に言っていた『守りたいもの』ってもしかしたら、この国の人々のことかもしれないと思った。
それから3日間、何も起こらなかった。そして、4日目の朝、王都中にものすごい音が鳴り響いた。どうやら警報なのかもしれない。
「ウ—— ウ—— ・・・・・・・」
兵士達が街を取り囲む高い壁の方向に向かって走っている。僕達3人は王城へと急いだ。
すると、僕達3人は大会議室に呼ばれた。そこには大勢の貴族と鎧を着た兵士の姿があった。
「おお、シン殿、来てくれたか。そこに座ってくれるか。」
「陛下。その者達はどなたですかな。」
するとウイリアム王子がみんなに説明した。
「そちらのシン殿とギン殿は、隣国アルベル王国に現れたワイバーンの群れと魔族を討伐したんです。」
「もしかすると、あのアルベル王国の英雄ですか?このような子どもだったとは。」
「それよりも、ダレン騎士団長。状況を説明せよ。」
「ハッ。現在この王都カサンドラの西の森と東の森から魔物の大群が押し寄せております。その数、どちらも500体はいると思われます。」
「それで、魔物の種類は?」
「はい。西側はハイオーク、ブラックオーガ、が中心です。東側はキングベア、シルバーウルフ、ブラックボアが多くいます。」
「そうか。やっかいだな~。どれも進化系の魔物だ。それで、こちらの兵力はどうなっているんだ。」
「はい。王族軍が西門と東門にそれぞれ2000人ほど待機させております。それ以外に王都の冒険者達もそれぞれ100名ずつ向かっています。」
「そうか。それで、どうなんだ?勝てるのか?」
「今いる魔物だけなら何とか?」
「そうか。」
「ただ、相当犠牲者が出ると思われます。」
僕は騎士団長の報告を聞いていた。
“シン様。どうされますか?”
“僕達がやるしかないだろう。僕は西門に行くよ。ギンとマギーは東門に行ってくれるかい。”
“承知しました。”
「ウイリアムさん。僕達が対応します。」
「そうかい。行ってくれるかい。」
「はい。僕が西門に行きます。ギンとマギーが東門に向かいます。」
「なら僕は・・・・」
「いや。ウイリアムさんは万が一のことを考えて王城に残ってください。もしかしたら今回の件に魔族が関係しているかもしれませんから。」
「わかったよ。」
僕達はそれぞれの門に向かった。僕が西門までくると兵士達がドタバタと準備をしていた。僕は西門の上に登って様子を見た。すると、前方3㎞の地点まで魔物達がやってきていた。
「魔物達が迫ってきます。みなさんは僕の後ろについて来てください。僕が打ち逃したものの対処をお願いします。」
「はい。」
僕は背中の剣を抜いて魔物達の中に向かって行った。さすがに500体は数が多い。剣では斬っても斬っても後からやってくる。かなり時間がかかってしまった。そこで、魔法を使うことにした。僕は魔力を解放する。すると、銀色の髪が逆立っていく。全身からは光が放たれた。
『シャイニングアロー』
すると、上空に光の矢が数えきれに程現れた。そして、魔物達だけを撃ち抜いていく。残りの魔物は後数体だ。ここで、僕は物凄く嫌な胸騒ぎがした。
“シン様。申し訳ありません。”
“ギン!ギン!”
丁度その頃、東門でも魔物達との激しい戦闘が繰り広げられていた。魔物達の中に大きな魔力の反応があった。その魔力がどんどんとマギー日数いでいく。
「裏切者のマギー!お前はここで死ぬのだ!父親達のようにな!」
「う、うそ!お父様が死んだ?!」
「ああ、お前の一族はことごとく我らの手で始末してやったさ。」
「うそ!嘘だわ!」
「信じるか信じないかはお前の自由だがな。」
マギーの怒りが頂点に達した。マギーの背中から魔族と同じように真っ黒な翼が出てきた。漆黒のオーラを纏っている。
「ほう!やる気になったか?なら、かかってくるがいい。」
100人隊長のラガンの身体からマギーよりもはるかに大きなオーラが溢れ出ている。そして、マギーが攻撃を仕掛けた。
『シャドウスピア』
マギーの周りに現れた黒色の槍がラガンに向かって行く。だが、ラガンはそれをすべて素手で叩き落した。
「その程度か?お前はジニート以下か?」
『シャドウアイビー』
地面から黒色の蔦が現れた。それがラガンに向かって行く。するとラガンが魔法を発動した。
『シャドウスネイク』
黒色の蔦が黒色の蛇に次々と食いちぎられた。そして、マギーの身体は黒色の巨大な蛇に縛られてしまった。そこに、ギンがやってきた。
「マギー!今助けるわ!」
「おっと、動くなよ!動けばこいつは死ぬぞ!」
蛇の牙がマギーの首元に触れている。触れた個所から血が流れている。ラガンが薄気味悪い笑顔をしながら言った。
「武器を捨てろ!」
ギンはラガンの指示に従い剣を捨てた。その次の瞬間、後ろからギンの心臓にラガンの黒くて鋭い爪が突き刺さった。胸からは血が流れ、口からギンは血を吐いた。
「グハッ」
「ギン!ギ——————ン!」
「お前もだ!マギー!」
グサッ
「ハッハッハッ これで残すはあの男シンだけだ。」




