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神様修行の旅  作者: バーチ君
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マルコ、誘拐される!

 僕達が宿屋に出たところで、昨日僕達を襲ってきた連中の仲間に再び襲われた。だが、彼らをギンが一蹴で片付けてしまった。そして、僕とギンは冒険者ギルドにやってきた。すると、受付のアンナにギルマスの部屋に行くように言われた。そこで僕達は、2階のパリスの部屋に行った。



「ああ、やっときたか。君達に話があるんだ。そこに座ってくれ。」



 僕とギンは言われるまま椅子に座った。すると、いきなりパリスが僕の頭の上から剣で斬りつけてきた。僕は咄嗟に指2本で受け止めた。



「いきなり、何するんですか?」


「ああ、悪かったな。だが、確信したよ。君達はアルベル王国から来たといったな。先日、アルベル王国にワイバーンを引き連れた魔族がやってきたらしいが、王立学園の生徒2人がそれを撃退したって話だ。心当たりがあるだろ?」


「どうですかね~。そんな話聞いたことがないですよ。」


「そうか。なら、そういうことにしておこう。ところで、君達に話したいことがあって来てもらったんだ。」


「なんですか?」


「実は2年前にこの街の代官が変わってな。それから、君達が昨日捕まえてくれたサボ、ゴン、デリーのような連中が増えてるんだ。おかげでこの街の治安が急激に悪くなったんだ。」


「もしかして、彼らがロベルトシティーの盗賊達で、その親玉が代官じゃないかって疑ってるんですか?」



 パリスは目を大きく見開いて驚いた。



「どうして?そのことを!」


「想像つきますよ。昨日、『ファミリーハウス』っていう宿屋に泊まったんですけど、冒険者達が噂してましたから。」


「そうか。君達はギンジのところに泊まったのか?」


「ええ、そうですよ。」


「そこまでわかっているなら話は早い。冒険者ギルドはどの国にも属さない中立的立場だ。だが、相手が盗賊であれば話は別だ。しかしだな~、証拠がないんだよ。代官が盗賊の一味だっていう証拠がな。」


「もしかして、僕とギンに代官盗伐の手助けをしろってことですか?」


「ああ、そうだ。頼めないか?」



 僕はギンの顔を見た。ギンは何やら考え込んでいる様子だ。



“どうしたの?ギン。”


“また、シン様が目立ってしまいます。シン様はいいんですか?”


“仕方ないよ。”



「いいですよ。協力しますよ。パリスさん。」


「そうかそうか。ところで、この件が片付いたら君達のランクを上げようじゃないか?君達のような冒険者がDランクにいるのはおかしいからな。」


「それについてはお構いなく。」


「欲がないな~。でも、気に入ったぞ!」



 ここで僕は気になることがあった。それをパリスに聞いた。



「パリスさん。代官が盗賊一味だとしたら、僕達が昨日捕まえた連中はどうしたんですか?」


「ああ、あいつらはギルドの地下室に閉じ込めてあるさ。代官に引き渡したらすぐに釈放されるからな。」


「そうですか。」



 僕とギンは冒険者ギルドを出た。そして、掲示板にあった魔物を狩りに街の外に向かって歩いていると、やはり、数人が後をつけていた。僕達は無視して、森の中に入って行く。



「ギン。オークがいるけど様子が変だ!」



 僕らが近づいていくとただのオークではなく、ハイオークだった。普通のオークよりも体が一回り大きいのだ。しかも皮膚が赤っぽくなっている。僕は背中の剣を抜いてハイオークを一撃で仕留めた。ギンもハイオークのレベルでは相手にならない。右手の剣に氷魔法を付与して、斬り倒していた。



「帰ろうか。」


「はい。」



僕は魔法袋に仕舞うふりをして、討伐したハイオークを空間収納に仕舞って帰ることにした。僕達を観察していた人物達がこそこそと話をしている。僕達は話を無視して冒険者ギルドに戻った。そして、報酬をもらって宿屋に帰ることにした。すると、突然目の前に一人の男が現れた。



「お前達に話がある。来てくれないか?」



 僕達が裏道を入ったところにある広場に行くと、数人の男性達が現れた。



「お前達。どうだ?俺達の仲間にならないか?お前なら最初から幹部だ。美味しい話だろ?」


「断ったら?」


「それはできないだろうな。もし断れば、お前達はこの国のお尋ね者になるからな。」


「ふ~ん。でも、全員死んじゃえば何も問題はないよね?」



 すると、男の脇から小物のような男が出てきた。



「お、お前、自分が何を言ってるのかわかってるのか?」


「わかってるさ。」


「まあ、いい。強がっていられるのも今のうちだからな。行くぞ!」



 男は仲間を引き連れて去っていった。



「これからどうしますか?」


「宿に戻ってから考えるさ。」



 僕達が宿屋に戻ると宿屋では大騒ぎになっていた。



「どうかしたんですか?」


「マルコがいなくなったんだよ!どこかで見なかったかい?」


「僕達も今帰ってきたところですから。」


「あんた~!もしかしたらマルコは攫われたんじゃないだろうね!」


「誰にだ?」


「あいつらよ!今朝、あんたあいつらに喧嘩売ってたじゃない!」


「あいつらか~!絶対許さねぇ!」



 ギンジが部屋の奥に行ったと思ったら、剣を持って出てきた。どうやら、マルコを取り戻しに行くようだ。



「ちょっと待ってください。ギンジさん。マルコ君がどこにいるか知ってるんですか?」


「代官のところに決まってるじゃねぇか!」


「もしかしたら、ほかの場所に捕まってるかもしれませんよね?」


「だったらどうすればいいんだ!」



 僕は街全体に魔力を薄く広げていく。マルコの魔力を感じ取るためだ。すると、代官館の隣の倉庫に反応があった。



「ギン。代官館の隣の倉庫だ。行ってくれ!」


「はい。」


「ギンジさんはここで待っていてください。絶対に僕が連れて戻ってきますから。」


「いいや!俺も行くぜ!待ってなんかいられるもんか!」


「わかりました。なら、急ぎましょう。」


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