表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様修行の旅  作者: バーチ君
135/145

カルロの古代遺跡(3)

 古代遺跡に侵入した僕達は、順調に様々な部屋を制圧して銃や機械を回収した。そして、一番奥の突き当りの部屋はかなり広い空間となっていて、そこには戦車や航空機があった。この遺跡を警備する兵士達も最新の兵器を持ち出して攻撃してきたが、僕達には通用しない。僕達が魔力を開放すると全員の姿が変化したことに、兵士達は驚いていた。



「その武器は危険だね。回収するよ。」



『ストレイジ』



 すると、僕の後ろから光の手が伸びていき、兵士達が使っていた大砲のような武器を掴んだ。その瞬間、武器が目の前から消えてしまった。兵士達は腰が砕けて座り込んでしまった。



「隊長さん。どうするの?まだ、逆らう?」


「降参だ。どうにでもしろ!」



 僕達が兵士達を拘束しようと近づくと、壁から一斉に銃が放たれた。



バッバッバッバ―ン



 僕達は瞬間移動でそれを避けた。そして、ギンとマギーとメアリーが魔法を放った。壁の銃が次々に破壊されていく。今度は降参したはずの兵士達が銃を手にこちらに向かってきた。



『シャイニングカッター』



 僕の手から放たれた光の大刃が兵士達の身体を切断した。



「さて、これを回収するか?」



 僕は戦車と飛行船をすべて回収した。そして、目の前にあった階段を下っていくと今までとは全く異なる空間に出た。周りがすべて土で出来ている。どうやら発掘中の遺跡のようだ。僕達の前には両手を拘束された冒険者達が立たされていた。その後ろに銃を持った兵士達がいる。



「あいつら冒険者達を盾にしてるよ!」


「これじゃあ、攻撃できないわ!どうするの?シン君。」


「大丈夫だよ。あの冒険者達を上の階層の冒険者達がいる場所に瞬間移動させるから。」


「なるほど~。さすがシン様です。」



 すると、冒険者達の後ろに隠れている隊長らしき人物が大きな声で言ってきた。



「抵抗するな!もし抵抗すればこの者達の命はないぞ!」


「彼らは同じ帝国の国民じゃないのか?」


「そんなことは関係ない!この国は皇帝陛下がすべてなのさ。陛下の命令は絶対だからな。」



 僕は冒険者達を瞬間移動させた。目の前の冒険者達が急にいなくなって兵士達は驚いた。



「な、何が起こったんだ?」


「簡単な事さ。彼らを安全な場所に移動させただけだよ。」


「人間にそんなことができるわけがないだろうが!」


「そうさ。人間にも魔族にも無理だろうね。」


「お前は何者なんだ?」



 すると、マギーが兵士達に言った。



「それを知ったら、あなた達、震えが止まらなくなるわよ。」


「相手が誰であろうと構わん!かかれー!」



 兵士達が魔法の付与された剣を手に斬りかかってきた。どうやら銃の攻撃は無駄だと理解したようだ。



「ギン。任せるよ。」


「畏まりました。」



 ギンが神獣フェンリルに姿を変えた。そして、口から冷気を放つ。



『アイスワールド』



 ギンの足元から部屋全体がバリバリと音を立てて凍っていく。兵士達は逃げようと必死だ。だが、逃げ切れない。全員が凍り付いてしまった。



「終わりました。シン様。」


「お疲れ様。さあ、冒険者達と生き残った兵士達を連れて帰ろうか?」


「シン!兵士達はどうするの?」


「そうだな~。フェニックス共和国のエディットさんのところに連れて行って、国の復興に協力でもさせようか?」


「それいいかも?」



 僕は生き残った兵士達にギルティーリングを付けてエディットさんに預けた。そして、冒険者達を連れてチャーリーさんのこところに戻った。



「シン。さすがだな。ありがとうよ。」


「いいえ。」



 すると、冒険者達が地上に戻ってきたことを知ったらしく、兵士達が宿屋に大勢やってきた。その中にはあの隊長の姿もあった。



「これはどういうことだ?チャーリー!説明してもらおうか?次第によっちゃーお前は死罪だぞ!」



 そこで、僕が前に出た。



「ああ、この前の隊長さんじゃないですか?」


「貴様はあの時の・・・これはどういうことか説明してもらおうか?お前達の仕業か?」


「そうですよ。この国の国民達を悪い兵士達から解放したんですよ。国や国民を大切にしている隊長さんならわかるでしょ?」


「ふ、ふざけるな!俺は冒険者達を古代遺跡に連れて行くのが役目だ!それが国のためだからな。」


「そうですか?なら、あなたも悪人の仲間なんですね。」


「悪人はお前達だろうが!」



 僕は魔力を解放した。僕を中心に辺り一帯が眩しい光に照らされる。僕の髪が銀髪になり目が黄金色に変化する。どう見ても人族ではない。かといって魔族にも見えない。もっと神聖なものだ。



「わかりました。あなた方にも罰が必要なようですね。」



 隊長は足がブルブルと震えている。兵士達も顔が引きつっていたが、一人が僕に平伏すると次々と平伏し始めた。冒険者達まで平伏している。僕が隊長を睨むと腰が抜けてしまったようだ。



「お、お、お許しください!私が間違えていました!どうか、どうか命ばかりはお助け下さい!」


「軍人の仕事って何ですか?人々を苦しめることですか?」


「ち、違います。守ること、で、です。」


「今回は許しましょう。その代わり、あなた方には罪を償ってもらわないといけませんね。」



『ギルティーリング』



 兵士達の首に黒い輪がはめられた。



「あなた方が罪を犯せばその輪が締まって首が切れます。でも、善行を行えばその輪が自然と外れますよ。あなた方次第です。いいですね。」


「は、はい。これからは人々のために働きます。」



 兵士達は戻って行った。そして、僕達は古代遺跡に戻って必要なものをすべて空間収納に仕舞って破壊した。



「やはり、この国の皇帝は国民よりも権力を求めるタイプのようですね。」


「そうだね。」


「シン。この国の皇帝を討伐した後はどうするの?」


「何も考えてないよ。」


「シン君。帝都に行ってから考えようよ。」


「そうだね。帝都に行こうか。」



 僕達はチャーリーさん達に挨拶をして帝都に向かうことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ