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神様修行の旅  作者: バーチ君
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カナリア聖教国に行く!

 僕達は7大精霊達の協力を得て、スパロウ王国に攻め込もうとしていた帝国軍を壊滅させた。そして、いよいよカナリア聖教国に向かうことになったのだが、疲れを癒すために一旦魔物の森の家に戻ることにした。



「なんか久しぶりに疲れたよ。」


「マギーちゃんはいつも疲れた疲れたって言ってるじゃない!」


「そうだけど~。今日は本当に疲れたの!早くお風呂に入ろうよ~。」


「ダメです。最初はシン様からです。」


「え~!なんで~?」



 僕は最初にお風呂に入った。すると、女性陣がタオルを巻いて入ってきた。なんかギンが僕にお風呂を譲った理由がわかった気がした。不思議だが彼女達とお風呂に入るのにあまり抵抗を感じない。女性陣に背中を流してもらった後で、僕はキッチンに行って料理を作り始めた。彼女達が長湯なのは知っている。彼女達がお風呂から出て身なりを整え終わるまでには、料理は完成していた。



「さっすが~!シンね!どれも美味しそう!」



 今日は日本のすき焼きにした。女性陣は初めてのすき焼きに大興奮だ。少し残念なのが、豆腐がないことだ。確か、ジパン王国とアラス王国には豆腐があった。今度、もらいに行こうと思う。



「もうお腹いっぱい!何も食べられないわ!」


「マギーちゃん!そのお腹、まるで子どもがいるみたいよ!」


「そうよ。このお腹にはシンとの子どもがいるんだから!」



プッ



 思わず僕は吹き出してしまった。すると、ギンはお冠のようだ。



「マギー!あなた言っていいことと悪いことがあるのよ!」


「だって~!きっといつかはそうなるんだもんね~!」



 その日僕達はぐっすりと寝た。そして翌朝、いよいよカナリア聖教国に行くことになった。僕達は時間短縮のため、カナリア聖教国と新しくできたフェニックス共和国の国境まで転移した。



「さあ、ここからは徒歩で行くよ。」


「わかってるわよ。」



 国境を超えると森が広がっていた。いつものように魔物を討伐しながら森を歩いていく。この森には意外にモンキー系の野生動物が多くいた。モンキー系の野生動物は通常は木の上で集団でいるのだ。あちこちで鳴き声が聞こえてくる。



「シン!あれってもしかしてバナの実じゃない?私、採ってくる!」



 マギーがバナの木によじ登っていく。だが、そこにイエローモンキーが現れた。イエローモンキーはバナの実をとられまいと、必死にマギーを攻撃する。



キッ キッ キッ 



「あっちに行ってよ~!」



 マギーが追い払おうとするがなかなか逃げない。すると、イエローモンキーが1匹地面に落ちた。



ギッ ギャー



 地面に落ちたイエローモンキーは相当足が痛そうだ。足を引きずって再び木に登ろうとするがうまく木に登れない。可哀そうに思ったのかメアリーが『ヒール』をかけた。すると、イエローモンキーはスルスルと木に登って行った。そして、仲間とともにメアリーにバナの実をたくさん持ってきた。



「ありがとう。」



 イエローモンキー達は喜ばれたのがわかったのか、キャキャ鳴きながら移動していった。



「メアリー!もらっていい?」


「いいわよ。マギーちゃん。」


「ありがと。」



 僕達はしばらくそこで休んで、再び森の中を歩き始めた。どれほど歩いただろうか。僕達がやっと森を抜けると、目の前には広い畑が広がっていた。畑の中を歩いていくと、ちらほらと農家の人が作業をしているのが目に入った。



「こんにちは!」


「こんにちは。森を抜けて人が来るなんて珍しいな~。どこから来たんだい?」


「中央大陸ですけど。」


「そりゃまた遠くから来たもんだね~。もしかして、大霊祭にでも行くのかね?」


「ええ。まあ。」



 僕は惚けたが、どうやら近々この国でお祭りがあるようだ。そして、カナリア聖教国で最初の街リオルに到着した。僕達は情報を得るため冒険者ギルドに行くことにした。



「あの~。ちょっと聞きたいんですけど~。」



 僕が声をかけると奥から女性が出てきた。



「は~い。何かしら?」


「大霊祭はいつなんですか?」


「3週間後よ。あなた達も聖都に行くの?」


「はい。」


「丁度良かったわ。今、聖都に向かう馬車の警護を探していたのよ。冒険者カードを見せてくれる?」



 僕達は冒険者カードを提示した。すると、受付の女性は見る見るうちに顔色が変化していく。



「ちょっと待ってて!」



 受付の女性が2階に上がっていき、再び戻って来て2階のギルドマスターの部屋に行くように言ってきた。僕達がギルドマスターの部屋に行くと、そこにはきれいな女性が腰かけていた。



「よく来たわね。英雄さん達!」


「何のことですか?」


「惚けなくてもいいわよ。ギルドは国とは独立した組織だし、あなた達のことは世界中のギルドに知られてると思うわ。」


「そうなんですか~。」


「なんか嫌そうね~。」


「ええ、あまり知られると旅がしづらいですからね。」


「そういうことか~。なるほど噂通りね。」



 するとギンが気になったようだ。



「どんな噂ですか?」


「神獣フェンリルと天使、さらに聖女を従えた神のごとき青年が世界中を旅しているってね。しかも、彼らが訪れた後は悪が滅んで正義のもとに統治がなされるって。有名な話よ。」


「まずいですね。シン様。」


「しょうがないよ。みんなの記憶を消すわけにもいかないからね。」


「えっ?!」



 僕とギンの会話が聞こえたのかギルドマスターは驚いた様子だった。



「記憶を消すってどういうことよ?」


「そんな魔法があったらいいなってことですよ。」



 僕の苦しい言い訳に何かを感じたようだ。



「私はアレンよ。それで、この国に何の用なの?」


「観光ですよ。大霊祭を観光しに来ただけですから。」


「本当に?」


「はい。」


「でも、聖女さんは何か言いたげよ。」


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