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神様修行の旅  作者: バーチ君
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ヤン王国の街ウエルス

 ヤン王国で悪政を行っていたロンバルト子爵を討伐した後、僕達4人は王都を目指して旅を続けた。



「シン様。王都までどうやって行きますか?」


「別に急がないから歩いていくつもりだけど。」


「そうよね。いろんな街によって、いろんな美味しいものを食べながら行けるもんね。」


「別に食べたいわけじゃないさ。」


「そうよ。マギー。シン君はいろんな街で問題がないか調べながら行くつもりなのよ。」


「そうだね。メアリーが言う通りだよ。いろんな街に立ち寄ればこの国の状態がわかるしね。」



 畑を抜けて草原地帯に入ると、目の前にドラクが現れた。



「シンさん。報告があります。」


「何かな?」


「この先の街ウエルスですが、領主のエディット伯爵の御令嬢が大病を患っているようなのです。どうやらガヤレル公爵の手のものによる毒が原因だと思われます。」



 マギーが不思議そうに聞いた。



「どうしてそんなことするの?」


「エディット伯爵が自分の言うことを聞かないからだよ。」



 するとギンが質問した。



「まさか、ガヤレル公爵はクーデターを起こそうとしてるのですか?」


「そこまでの器量はありません。ただ、王の弟ということで権力を行使したいだけのようです。」



 今度はメアリーが聞いた。



「でも、どうして娘さんに毒を盛る必要があるのかな~?」


「ガヤレル公爵は、エディット伯爵の屋敷に薬師を派遣して恩を着せようとしているのです。薬師の薬がなければ、すぐにでも娘は死んでしまうとでも言っているのでしょう。」


「つまり、問題なのはガヤレル公爵とその薬師ということだね?」


「はい。その通りです。」


「ありがとう。また報告をお願いするね。」


「畏まりました。」



 再びドラクが姿を消した。



「シン様。このことはアレックス国王は知っているんですかね?」


「どうかな~。もし知っていて黙っているんだとしたら、王の資格はないね。」


「シンの言う通りよ!知っていても知らなかったにしても、駄目な王で決定ね!」


「マギーちゃん。何か事情があるかもしれないでしょ。」



 僕達は次の街へ急いだ。その結果、次の街ウエルスまでは1日で到着した。



「シン。宿屋を探さないとね。」


「なら、いつものように冒険者ギルドに行ってみようか。」


「はい。」



 僕達が冒険者ギルドに行くと、夕方ということもあってギルド内には冒険者達が大勢いた。美少女3人を連れている僕は目立ったようだ。全員が僕達を見ていた。



「何か用かな?」



 受付の美人なお姉さんが聞いてきた。



「はい。宿屋を紹介してほしくて来ました。」


「なら、カードを見せて。」



 僕達は冒険者カードを見せた。すると、お姉さんは驚いてつい大きな声を上げてしまったようだ。



「あなた達、全員がSランクなの?」



 すると、冒険者達も一斉に僕達を見た。



「ええ、そうですけど。」


「あなた達、アルベル王国から来たのね?」


「はい。」


「この国に何か用でもあるの?」


「観光で世界中を回っているんですよ。」


「優雅なもんね。やっぱりSランクになると収入が違うのね。」



 受付の女性の言葉を聞いてマギーが怒り始めた。



「そんなことあなたに関係ないでしょ!宿屋を教えてくれるの?くれないの?」



 マギーが怒ったので、受付の女性は急に丁寧な口調になって宿屋を案内してくれた。



「マギー!短気はダメだよ。」


「だって、あの人のいい方が嫌味に聞こえたんだもん。私達、そんなにお金もらってないじゃない。」


「彼女達からしてみたらSランクの人は高収入と思っても不思議じゃないわよ。Sランクなんてめったにいないんだから。」


「そうよ。メアリーの言う通りよ。」



 僕達は紹介された宿屋に向かった。この世界の宿屋はたいていが食堂も兼ねている。僕達が宿屋に入ると恰幅のいい女将が出てきた。



「4人かい?部屋はどうするんだい?」


「4部屋開いてますか?」


「生憎2部屋しか開いてないよ。」


「なら、2部屋で結構です。」


「1人2食付きで銀貨7枚だよ。」



 僕はアルベル王国の銀貨で支払った。



「お前さん達はアルベル王国から来たのかい?」


「ええ、そうですけど。」


「アルベル王国には学園もあっていろいろ進んでるって聞いたんだけど、病気を治す薬とかも進んでるのかい?」


「まあ、それなりにはありますよ。」


「そうかい。医学が進んだ国に暮らしてる人達はいいわね~。」


「なんかあったんですか?」


「いや、何でもないよ。部屋は2階の突き当りの左右だよ。」



 僕達が部屋に行くとそれぞれの部屋にベッドが2つあった。ここで問題が勃発した。



「私がシンと一緒だから!」


「ダメよ!マギーちゃん!これだけは譲れないわ!」


「そうよ。マギー。こういう場合はクジでしょ。」


「わかったわよ!」



 結局くじ引きで僕とギンが相部屋になった。



「久しぶりだね。ギンと2人で寝るのは。」



 なんかギンがよそよそしい。



「そうですね。なんか懐かしいです。」



 数年前まではいつも一緒に寝ていた。でも、成長した今、2人だけで寝るのは少し恥ずかしい。2人がベッドに寝ころんでいると、マギーとメアリーが食事に誘いにやってきた。



「あ~!ずる~い。まだ寝る時間じゃないのに、シンとギンが一緒に寝ころんでる~!」


「ご飯だろ?一緒に行くよ!」


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