表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/32

14:今度は逃げません!・2

 その、翌日のこと。

 最近ではロベルト様が公爵子息ではない事を知っている方が増えたからなのか、以前程私がロベルト様と話していても妬まれる視線を送られたり、嫌味を言われたりする事が無くなって来たこともあって、更に学校生活が気楽に送れるようになっていました。

 もちろん、相変わらず外国語の勉強は難しいし、法の勉強で行き詰まることもありますが、図書室で辞書を調べたりデリックに尋ねたりして理解出来ることも多くなって来ていたので、長期休みについて皆さまと話していた時のことでした。


「そういえば、以前、シフレー様が元婚約者の子息に、ロベルト様の前で外見について言われたことがありましたでしょう?」


 カッツェ様が思い出したように口にします。私がユーレ様に会う前の時のことです。カッツェ様は、少し離れた所で私がピーテル様に文句を言われ背中を押されている所を見かけて、慌てて助けようとした所、私がショックを受けて立ち去ってしまった。カッツェ様が私を追いかけようとした所でロベルト様がピーテル様に怒り出したのだ、と教えてくれました。


「ロベルト様は、自分は公爵子息ではなく、その従弟だと話した後で、公爵家の人間だろうが男爵家の人間だろうが、外見で相手を蔑んでいいわけじゃない。身分で相手を蔑んでいいわけじゃない。そんなことで相手を蔑む君みたいな人間を私は軽蔑する、とお話していたわ」


 ロベルト様にそんな事を言われたピーテル様は、公爵子息じゃないことに騙したのか! と文句を言ったそうですが、公爵子息だ、とロベルト様は言っていたわけじゃないし、尋ねられれば否定していたから騙してない、と冷静に答えたそうです。

 それよりも外見や身分で人を蔑むことをやめて、私に謝るようにロベルト様はピーテル様を諭したそうですが、ピーテル様は「余計なことを言うな!」 と言って去って行ったので、それで終わったそうです。


「ああ、それでロベルト様とお会いしたある日に、ロベルト様が彼に謝ってもらった? と確認をして来たのですね」


 私はカッツェ様の話を聞いて、あの時のロベルト様の言葉に納得出来ました。でも、ピーテル様に謝られた記憶は、今まで一度もないんですよね。

 以前の私だったらこの髪と目が悪いからだ、と卑屈になっていました。でも、抑々私は家族が好きです。家族は私の髪と目の色で軽蔑したり無視したり……なんてことは有りませんでした。それどころか、そんな事をする相手を排除して来たわけです。


 ユーレ様のおかげで綺麗になる工夫を知った私は、自信が付きました。


 それは、卑屈になり過ぎない事でもあります。また、父・母・兄・姉が私を大切に守ってくれていた心を、私自身が蔑ろにしていた……という事に気付きました。

 私自身が自分の外見を否定していたら、私を守ってくれる家族の気持ちも否定すること。ユーレ様から自分を綺麗にする工夫を教わることで、自分を大切にする気持ちを知りました。自分を大切にすることで、家族や友人から大切にされていることを知りました。


 私は、ピーテル様や、昔の兄や姉の周りに居た人達に言われたように“汚い髪”とか“血のような目”とか、そんな存在ではないのです。言われ続けて落ち込んでいる事こそ、私がやってはいけないこと。自分を大切にして時には言い返すことも大切だし、落ち込んでも俯いたままで居ないことが、私がやらなければならないことでした。

お読み頂きまして、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ