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11:縮まる距離・3

「先ず、時間を割いてもらい感謝します」


 ロベルト様がペコリと頭を下げてビックリします。


「え、いえ、あの」


 こういう時はどうしてよいか分からなくてパニックになってしまいました。ちょっと深呼吸して落ち着いてから口を開きます。


「いえ、大丈夫ですので頭を上げてください」


 ゆっくりと上げたロベルト様は、大きく息を吐き出して、気持ちを切り替えるように話し始めました。


「隠していることではないけど、積極的に話してもいないから勘違いしている人もいるのだけど。私は、公爵夫妻の子ではないんだ」


 驚き過ぎて足が止まってしまいました。結構衝撃的なことをいきなり仰いましたよ⁉︎


「ああ、その噂は真実だったのですか」


 デリックが軽く頷くので、公爵子息だと思っていたロベルト様が、実は違うという噂があるのだ、と知りました。


「ええ。聞かれれば真実を答えてましたからね。それで、シフレー嬢、君に話したいことがあったのは、この出生に関わることなんだ」


 何やら重たいことを仰ってますけど⁉︎


「ええと……」


「私が公爵夫妻の子ではないのは私も公爵夫妻も四人の子息も知っていることだけど、私が五人目の夫妻の子息だと思う人達からすれば、この目の色が不気味みたいでね。心無い言葉を投げかけてくる人達も居たんだよ。例えば、呪われた王子、とかね」


 私は、ハッとしてロベルト様のお顔を見ました。自嘲するような笑みを浮かべて私を見ずに話を続けます。


「あ、あの、か、カッツェ様……ええと、私の友人は、そう言っていたことを悔やんでいました! あの、失礼だった、と、謝りたい、と!」


 懸命に言葉を紡ぎます。ロベルト様が公爵子息じゃないとしても、公爵家とは縁があるのでしょう。きちんと説明しないとカッツェ様に何かあったら大変です。


「ああ、いや、怒っているわけではないよ。昔はね、怒ったし、呪われた王子ではないって否定したんだけどね。今は、いくら否定しても言う人は言うから仕方ないって割り切っているから大丈夫。一応、私が小さい頃にあった呪われた王子の絵本などは、公爵夫妻が……私の伯父夫妻にあたるわけだけど……回収して出回らないようにしてくれたんだけど、見た人は居るだろうし、持っている家に処分しろ、とも言えないしね。だから仕方ないと割り切っているから大丈夫」


 軽い口調で言っているし、ハハッと声を上げていますが、とても悲しい気がします。それはそうです。私にだって経験があります。外見なんて自分じゃどうしようもないことについて陰口を叩かれること。仕方ないって思ったって慣れるわけでもないし、傷つかないわけじゃないんです。


「あの、無理して笑わなくていい、と、思います。私も、この髪と目について、色々言う人が居ました、から」


 上手く言葉が出てこないですが、辿々しく気持ちを伝えれば、驚いた顔をしたロベルト様は、その後ゆっくりと作り笑いではない笑顔を浮かべてくれました。


 ギュッ


 と、胸が掴まれたような痛みがします。

 なんでしょう?

 病気でしょうか。でも一瞬だったから気のせいかもしれません。


「そう言ってくれて、ありがとう。シフレー嬢は、本当に優しい心を持った令嬢なんだね」


 キュン

 また、胸の付近がおかしくなりました。

 でも今度は、掴まれた感覚ではないです。

 そして、優しいと言われたのはとても嬉しいですね。胸の辺りがフワフワポカポカしてますから、自分でもとても嬉しいって分かります。

お読み頂きまして、ありがとうございました。

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