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第45話 女王と剣聖②


「気に入ったぞ、オスカー・ベルグマイスター。面白そうな奴であってほしいとは思っていたが、これは想像以上だ。イカレてる(・・・・・)


「女王陛下、あまり汚いお言葉は――」


「固いコトを言うな。ルティスだって喜ばしいだろう? 我が国にまだこんな人材が残っていたのだから」


 注意するルティスさんから再び俺へと視線を戻したエレオノーラ女王は、


「オスカーよ、ベルグマイスター公爵家の取り潰しはしない。貴君が当主となれ」


「お、俺がですか……!?」


「父も兄も亡き今、他に誰がいるのだ」


「しかし俺は追放された身で……!」


「では王命で貴君の追放を取り消す。これでスッキリしたな」


「えぇ……」


 それはそれで横暴じゃ……。

 なんて心の中で呟く間に、彼女の言葉は続く。


「それと貴君は『ベッケラート要塞』での働きもある故、恩賞として私の傍に置いてやる。秘書副長官がいいか? 枢密顧問官がいいか? どの椅子が欲しいか言ってみろ」


「え、えっと……」


 俺が、女王の秘書? 枢密顧問?

 なんだろう、全然実感が持てない。

 想像したこともなかった。


 っていうか、そもそも俺は――


「なんだ、その程度では不服か? ふむ……では私設秘書という名目で、私の愛人にしてやろう。これなら文句あるまい」


 煮え切らないこちらの態度を見て、エレオノーラ女王はそんなことを言い始める。

 その一言に、流石に俺は度肝を抜かれた。


「あ、愛人――!?」


「以前より男妾(だんしょう)の一人でも作れと大臣共から言われていてな。貴君は私と歳も近いし、まだ妻もいないと聞いている。丁度いいのではないか? よくわからんが」


「い、いや~……それはちょっと、恐れ多いと言いますか……」


 目を逸らしつつ言う俺。


 ……ハッキリ言って、嫌だ。

 だって怖いんだもん、エレオノーラ女王。


 そりゃ文句なしで絶世の美女だし、将来も超安泰コースではあるだろうけど、彼女からのプレッシャーを毎日浴びてたらストレスで胃に穴が空きそうだ……。


 そう思っていると、背後からルティスさんに肩を掴まれる。

 ミシッという不穏な音を立てて。


「なんですか? まさか女王陛下に不満があるとでも?」


「い、いえっ、そんなまさか! そういうことじゃなくて――」


 俺はひと呼吸置き、自分を落ち着かせて話し始める。


「……どうか、俺を今のままでいさせてほしいんです。国のために、そして力なき者ために剣を振るわせてほしい。俺はもう、一人の騎士だから」


「貴君……地位や名誉よりも、戦場を望むと言うのか?」


「俺には剣しかありません。剣術しかできません。でもローガン騎士団長や『ヴァイラント征服騎士団』の皆は、そんな俺を認めて受け入れてくれた。だからその恩に報いる――それが、今俺がやらなきゃいけないことだと思うんです」


 俺の言葉を聞いたエレオノーラ女王は、しばし考えるように目を瞑る。

 そして数秒ほどの無言の後、


「……わかった、いいだろう。貴君の『ヴァイラント征服騎士団』への残留を許す」


「! あ、ありがとうございます!」


「だが、(しもべ)のくせにこの私の誘いを断った責任は重いぞ? 存分に使い潰してくれる故、覚悟しておけよ? ククク」


「…………頑張らせて頂きます」


 ……まあ、『ヴァイラント征服騎士団』にいられるだけよかったと思おう。

 今から中央に戻ったって、腕が鈍るだけだしな。


 ところで――


「――エレオノーラ女王陛下、俺からもお聞きしたいことがあるのですが……」


「ん? なんだ、申してみよ」



「はい。女王陛下は――〝悪魔〟をご存知でしょうか?」



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