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第33話 兄弟対決


「…………は?」


 弾かれた氷柱と火炎球を見て、アベルは目を丸くする。

 どうせ俺が串刺し&丸焦げにでもなる未来を想像してたんだろうな。


「……アベル、いや兄上(・・)。一度だけ言います」


 俺は剣を下ろし、努めて穏やかな口調で話しかける。


「ルーベンス王国に戻ってください。少なくとも俺は、兄弟を傷付けたくない」


「きっ……貴様、今なにをしたッ!?」


 アベルは声を震わせ、急に狼狽え始める。

 まるで天変地異でも目撃したかのような顔をして。


「どういうことだ!? 何故私の魔術が……!」


「兄上、俺の話を――」


「あり得ん! まぐれに決まってる!」


 アベルは再び魔術を発動。

 彼の頭上に巨大な氷塊が出現し、俺目掛けて飛翔してくる。


「……」


 聞く耳持たず、か……。


 俺は斬撃を繰り出して氷塊を破壊。

 すると氷塊は瞬時に溶けて大量の水へと変貌し、さらに水竜へと形を変える。


 水竜はこちらを囲うように渦を巻き、水圧で押し潰そうとしてくるが、俺はそんな水竜をバッサリと斬り裂いて消滅させた。


「くっ……!?」


 続けざまにアベルは魔術を使うと、今度は地面がせり上がって大きな岩拳を形成。

 それがグワッ!とハンマーのように振り下ろされ、俺を叩き潰そうとしてきたけど――それも細かく斬り刻んで無力化した。


「…………嘘だ」


 バラバラになって崩れていく岩拳を見て――遂にアベルは顔面蒼白となる。


「う、うぅ、うううぅぅぅ嘘だ……。ありっ、あり得ない……! なんで、どうして私の魔術が……!」


「……前に言ったよな。俺は魔術が使えないからこそ、剣術を身に着けたと」


 一歩、また一歩と俺はアベルへ近づいていく。

 アベルは顔を引き攣らせて後ずさり、監視に付けられた護衛二人も怯えた様子で離れていく。


「俺にとって、剣術は魔術の代わりでないといけなかった。アンタが魔術でなんでもできると思い込んでるように、俺も剣術でなんでもできることを目指したんだ」


 ……正直、俺の剣がアベルの魔術に対抗できるかはわからなかった。

 自信があったワケじゃないし、試そうと思ったこともない。

 そもそも俺にとって剣術は、ベルグマイスター家やルーベンス王国に役立てるためのモノだったから。


 でも今日証明されたな。

 俺がバカにされながらもやってきたことは、無駄じゃなかったって。


「……俺の剣は魔術を斬る。魔術で俺を倒すことは――不可能だと思え」


「デ、デタラメだ! お前がそんな力を見せたことなんて――ッ!」


「そりゃ兄弟喧嘩なんてしたくなかったからな。アンタやヨハンは話を聞こうともしなかったし。さて――」


 剣の切っ先をアベルへと向ける。

 彼に最後通告を突きつけるために。


「で、どうする? 俺としては穏便に済ませたいんだけど」


「ま、まだだ! 私の信用を傷付けぬためには、なんとしてもお前を倒さねばならん!」


 あくまで戦う姿勢を見せるアベル。

 そんな兄の姿に――俺は憐憫の感情を隠せなくなった。


「……無理だよ。アンタじゃ俺に傷もつけられない(・・・・・・・・)


「――――ッ!」


 言った瞬間、アベルの額に青筋が立つ。

 ブチッという音と共に。


「舐ァめんじゃねーぞ、クソガキがアアアアアッッッ!!! テメェなんぞ、私の魔力で圧し潰してやるからなアアアッッッ!!!」


 完全に、キレた。

 これがアベルの本性だと言わんばかりに。


「恥晒し風情が、この天才に勝てるワケねーんだよォ! とっととくたばり――ッ!」


「……残念だ、兄上(・・)


 俺は一瞬で間合いを詰める。

 そしてアベルが次の魔術を発動するよりも早く、その身体を斬り捨てた。



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