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雷の覇者  作者: 悠奏多
6/13

第3話:模擬戦 心VS努

ついにバトル部分の投稿です。


バトルものの小説は初めて書くので、うまく描写できてるか心配です。


「来たようじゃの」


そう言って訓練場に入った響たちを出迎えたのは学園長である一心である。

その傍らには心と心より少し小柄の女の子が立っていた。

おそらく彼女が響の班の最後の一人だらう。


「兄さん」


「待たせたな、心。」

そう言ってこちらに駆け寄ってくる心を出迎えてやる。


「いえ、それより兄さん。そちらのお二人が?」


「ああ、同じ班を組むことになる、真田 理沙と黒沢 努だ。理沙、努こいつが俺の妹で心だ。よろしくしてやってくれ。」


「神楽坂 心です。兄がお世話になってます。これからよろしくお願いします。真田先輩、黒沢先輩」

心が自己紹介をした。


「あなたが心ちゃん?聞いてた話のイメージとは大分違うのだけど。私は真田 理沙よ。理沙でいいわ。」


「だよなぁ。まさかこんなに可愛い子だなんて・・・俺は黒沢 努だ。努でいいよ、心ちゃん。」

理沙の返答に頷きながら努も自己紹介をした。


「わかりました、理沙先輩、努先輩。兄さんが私のことを何て言っていたのか気になりますけど。」


「事実しか言ってないぜ?それより心、あっちの子を紹介してくれないか?」

言いながら目線で一心の隣にいる子を指す。


「あ!そうでした。棗ちゃ〜ん、こっちこっち。この子が姫咲 棗ちゃん。私達と同じ班になる子だよ。」

っと急に自分の名前を呼ばれて慌てて駆け寄って来た棗ちゃんに抱きつきながら、心は紹介した。


「えっと、えっと。姫咲 棗です。響先輩のお話は心ちゃんから聞いてます。これからよろしくお願いします。」

っと礼儀正しくお辞儀をしながら自己紹介した。


「うん、こちらこそよろしく。棗ちゃん・・でいいかな?これからも妹と仲良くしてね。」


「あ、はい。もちろん・・・」

響の顔を見て、突然言葉を止める棗。


「どうしたの棗ちゃん?」

響が問いかける。


「あ、えっと、失礼ですけど先輩?今まで何処かでお会いしましたか?」


「?いや、たぶん初対面だと思うけど?」

棗の疑問に響は答える。


「そうですよね、すみませんでした。昔お世話になった人にちょっと雰囲気が似てる気がしたもので・・・」

そう言って頭を下げる棗。


「いいって、いいって。気にすんな」

と言う響だが、尚も棗は頭を下げる。


「棗、あんた相変わらず堅苦しいわね。」


「でも理沙ちゃん。失礼なこと聞いたのは私だし・・・」

理沙に声をかけられ俯いてしまう棗。


「2人は結構仲が良いんだね?それと棗ちゃん。俺は全然気にしてないし、言葉使いとかもあまり気にしないからいいよ?」


「ええ、私たちは家が近所っていうこともあって幼馴染なのよ。響もこう言ってるし、もうちょっと肩の力抜きなさい。」

響の疑問に答えながら棗に言う。


「うう、わかりました。」

っと言いながら結局敬語の棗。「そういうところが・・・」などと響の隣でぶつぶつと理沙が言っている。







「どれ、一通り自己紹介も済んだようだの。そろそろ本題に入るぞ?」

タイミングを見計らって声をかけてきた学園長にしたがい、響たち5人は整列した。

ちなみに響達と学園長が義理とはいえ親子の関係であることは秘密になっている。


「今日この訓練場に集まってもらったのには訳があっての。今日から班を組むお前らはまだ互いの実力を知らんからの。その確認を含めて模擬戦を行おうと思う。」


「よっしゃ〜。久々にバトルができるぜ〜。燃えてきた〜。」

学園長の言葉に努のテンションが上がっていく。


「うむ。資料によると、響が魔導士ランクAで近距離戦が得意。心も魔導士ランクはAで中遠距離戦が得意。真田が魔導士ランクAで近距離戦が得意。黒沢が魔導士ランクAAで中遠距離戦が得意。姫咲が魔導士ランクAで遠距離・広域殲滅・サポートが得意。違いはないかの?」

その確認に5人は「はい」っと返事を返す。


「お前、魔導士ランクAAもあるんだな。」

響が努に対し疑問投げかける。それに対し努は


「へっヘーン、どうだ?少しは見直したか?響」

っと自慢げに胸を張る。


「こいつはただの体力馬鹿なだけよ、響」

っと理沙が横から返答し「なるほど」っと納得する響。心と棗は苦笑している。


「なんだと!?なら模擬戦で俺の実力を見せたるぜ」

っと気合を入れる努。


ちなみに魔導協会で活動している魔導士の平均ランクはB〜Aであり、高校生でAやらAAランクの理沙や努、棗は魔導士全体の中でもかなり優秀な部類に入る。まぁ、響や心は別格だが・・・


「模擬戦の相手じゃが、まずは心と黒沢。次に響と真田という順で行う。流石に姫咲に1対1で模擬戦は無理じゃろ。姫咲は模擬戦後の治癒などで力を見せなさい。それでは15分後に始めるぞ。」

その言葉に返事をし一同は模擬戦の準備をする。










「なぁなぁ、心ちゃんはどんな魔導媒体を使うんだ?」

準備体操をしながら努が響に声をかける。


「心は扇型の魔導媒体だな。得意な属性は風だ。風を起こして攻撃したり、扇に風を纏って近距離戦闘もこなすぞ。」

響は答える。


「兄さん!?何で対戦相手にそんな情報を与えるんですか!努先輩!先輩のも教えてくださいよ!」

響の答えに心がツッコム。


「どうせすぐに分かることだろ、心?」「そうだぜ心ちゃん」

響と努は結託して心をからかう。


「む〜〜〜、そうですか、いいですよ〜だ」

頬を膨らませながら拗ねる心。その姿を見た努が(う、可愛い)などと思ったのは別の話である。


「ちなみに俺は刀を使う。得意属性は雷だな。」


「「え!?」」

そう言う響に反応する声が2つあった。理沙と棗である。


「あら、響?そんなこと私の前で言っちゃっていいのかしら?」

理沙が聞き返す。


「ああ、ちょうどいいハンデになるんじゃないか?」

とニヤニヤした響が返すと理沙は「なぁぁ!?」っと顔を赤くして眼を見開いた。


「いい度胸してんじゃなぁい、響?教えたことを後から後悔しても遅いわよ?」

こめかみをピクピクさせながら理沙が言う。


「できるものならやってみろよ」

その言葉に火が点いたのか、理沙は「フンッ」っとそっぽを向き入念にストレッチをしだした。





それらの騒動を聞きながら棗は響のさっきの言葉を思い返していた。

『ちなみに俺は刀を使う。得意属性は雷だな』


棗は考える。5年前、妖魔に襲われていた自分と理沙を助けた七聖「獄炎」と一緒にいた男の子を。

(確かあの子も刀を使って、雷を放っていたよね?)


同じ条件に当てはまる人が世界に何人いるのか、そんなこと棗には分からないが、それでも考えずにはいられなかった。

(今日初めて会った時も、なんか初対面って感じがしなかったし・・・)


そんなことを考えていると突然後ろから衝撃が来た。

「キャ!」

「棗ちゃん?どうしたの?」

心が後ろから棗に抱きつき問う。


「心ちゃん!?どうしたの?」

「あ!もうすぐ始めるってさ、行こ?棗ちゃん」

そう言いながら棗は心に引っ張られ、思考を停止した。









その後

訓練場の中の少し高くなっているリングの上には心と努が2人で立っていた。

藤歌学園にはこういった訓練場がいくつも設置されている。流石は日本最大の魔導士育成機関だ。授業などで使うこともあるらしい。


「模擬戦のルールは、どちらかが敗北を認めるか場外に出た時点とする。もちろん武器は非殺傷での。」

一心の説明に返事をした二人はお互いに戦闘態勢をとる。


「行くぞ!「ガリウス」!」

努が右耳のピアスに手をかざしながら言うと、一瞬ピアスが輝き、その手には銃身が30センチ程になるリボルバー式の銃が握られていた。


「銃型の魔導媒体ですか。珍しいですね。吹き荒れろ「仙奈」」

心がポケットから出した扇を開きながら言うと、その扇が輝き、心の体を隠すようにその大きさを増した。


「でかい扇だな、心ちゃん。手加減はしないけど、いいよな?」


「望むところです」

努の問いかけに返事を返した心。


「準備はいいかの?それでは・・・開始!!」

一心の声が訓練場に響いた。









開始の合図と共にまず動いたのは努である。

努はガリオスを心に向けトリガーを2回引き、自らは距離を取るように後ろへと跳躍する。

一瞬で展開された魔力弾が心に向かっていく。


一方心は努のその行動を見て瞬時に開いていた仙奈を折りたたみ、身体強化の術式を展開、魔力弾を回避する。

「っ!」

っと同時に前方で展開される大きな魔力反応に気付いて目を向ける。


そこには距離をとった努がガリオスに魔力を溜め、トリガーを引こうとしていた。


それを確認した心は仙奈を開き自分の体の前に展開させ防御の術式を展開する。


「くらえっ」

その言葉と同時にトリガーを引き、ガリオスの銃口から砲撃魔法が展開された。

その砲撃は一直線に心に向かっていき、着弾と同時に大きく煙を発ててその姿を飲み込んだ。







「努も意外とやるな。きちんと銃型魔導媒体の特性を活かして戦術を立ててるみたいだな。」

場外で見学していた響は率直に感想を漏らした。


銃型魔導媒体は特徴として魔力を媒体に集めるだけで自動で射撃魔法へと変換し、トリガーを引けば射出してくれることだ。。

そのため術者は身体強化や防御といった他の術式に集中できる。さらに連射もできるので、手数を多くできるし、流す魔力量によって先ほどのように砲撃もできる。

その代わり、流された魔力を勝手に射撃魔法へと変換するため応用がきかないとといった欠点がある。


「ただ単にあいつが馬鹿なだけよ。魔力はあるのに術式を組み上げるのが苦手で、だから楽のできる銃型を選んだの。」

その説明にまたも「なるほど」っと納得する響。やはり彼が馬鹿であることは最早否定できないらしい。


「心ちゃん大丈夫でしょうか?」

心配そうに響に声をかける棗。


「大丈夫だよ、棗ちゃん。心はあのくらいじゃやられない」

そう言ってリングに視線を向ける響。その眼からは心に対する信頼が読み取れた。

ちょうどその時、リングの上でも変化が起こり始めていた。







努は煙の巻き起こる着弾地点を警戒しながら見ていた。


ゴウッ


突如その中央の煙が音を立てて周囲に霧散した。

そこには体に風を纏った心が無傷で立っていた。

「マジかよ!?」っと努が声をあげる。



「今度はこちらから行きますよ、努先輩。」

微笑みながら声をかける心。


「やっぱ、そうこなくっちゃな」

っと嬉しそうに顔を輝かせる努


「行きます」

そう言いながら開いていた扇をそのまま自分の右側へと振りかぶり、左へと振りぬく。

それと同時に扇の先端に10個の魔法陣が浮かび上がり術式を展開する。

「エアスラッシュ!」


展開された魔法陣から放たれた10の刃は様々な軌道をたどって努に向かっていく


「ふっ」

それを努はさっきとは逆に前へと出る。

自分に命中する風の刃を的確にガリオスの魔力弾で相殺しながら距離を詰める。


「流石ですね。なら、これならどうですか?」

それを見た心は開いたままの扇を頭上へと持ち上げそれを地面に向かってあおぐ。

地面に一瞬魔法陣が浮かび、その先の地面の砂が巻き上がり風と共に努へと襲いかかる。


前方広範囲への風と砂の魔法、「サンドウイング」である。


「ちぃっ」

それを見た努は跳躍し回避、着地後そのままの勢いで心に向かっていく。

そして今度は左耳のピアスに手をかざしながら叫ぶ。

「来い!カリム!」


その瞬間彼の左手には逆手持ちに短剣が握られていた。


そしてそのまま心へと切りかかろうとして


「なにっ」


突然努の足もとに魔法陣が現れ、そこから伸びたロープのようなもので縛られていく。



「設置トラップ型の拘束魔法「トラップバインド」です。煙の中にいる時に周辺に仕掛けさせてもらいました。」

手に持った仙奈を折りたたみその周りを薄い風の刃で覆い努の首に突き付ける。


「私の勝ちですね♪努先輩」

笑顔で言う心


「そこまでじゃ!!勝者、心!」

一心が試合の決着を告げる。






試合後、拘束魔法を解除してもらった努は

「俺が格闘戦に来ることを読んでたのか?」

と疑問を口にした。


「はい。銃型の魔導媒体は応用が利きませんから。もう一つ魔導媒体を持っている可能性を考えました。そして持つのなら、銃の弱点を補うために近距離戦闘用の魔導媒体かと思いまして、エアスラッシュを前方に回避させるように放って格闘戦を誘ったんです」

っと心が説明する。


「なるほど、まんまとはめられたわけだ。やれやれ、俺の完敗だな。強いな、心ちゃんは。」


「いえいえ、努先輩も強かったですよ。またお相手お願いします。」

と笑顔で答える。


その答えに「お、おう!」とどこか照れながら答え、努と心はリングを降りて行った。



模擬戦第一試合、心VS努

結果・・・心の勝利

心VS努はどうだったでしょうか?


まえがきでも書いたように、バトルが入る小説を書くのは初めてなので、しっかりと描写できていたか不安です。


アドバイスや評価、感想などお待ちしてます。

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