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雷の覇者  作者: 悠奏多
10/13

第7話:弄り者と弄られる者

お待たせしました。


1週間で1話は更新しようと考えているのですが、なかなか上手くいきませんね。

次の日の朝


響はいつものように5時に起床し活動を開始する。

今日からは朝食の他にお弁当を作らなくてはならないからだ。


「昨日は一昨日疲れてたから、日保ちするもので弁当作っといたけど、毎日そんなわけにはいかんしな」

日保ちするもので昨日のうちに弁当を作っておけば朝は楽だが、それでは栄養が偏ってしまうのである。


「まぁ、料理は楽しいし。今日は何を作ってやろうかな・・・」

そう言って冷蔵庫の中を確認し、思案する響。

近頃の下手な奥さんよりも主婦が板についてるのは気のせいではないだろう。




時刻は7時

「そろそろ心が起きてくるかな?」

そう言いながら朝食をテーブルに並べていく。

今日の朝食は、ご飯に味噌汁、鮭の塩焼きと模範的なまでの和食である。


しかし・・・

「遅いな?いつもは何も言わなくても勝手に起きてくるのに。」

待っても心が起きてこないことを疑問に思う響。


「そろそろ起きないと遅刻だな。しゃーない、起こしに行くか・・・」

そう言って響は心の部屋に向かって行った。




心の寝室前


コンコン


ノックの音が響く。

「心〜?起きてるかぁ。そろそろ起きないと遅刻だぞぉ〜」


「・・・・・・・」

響の呼びかけにも反応がない


「珍しいな?心が寝坊なんて。入るぞ、心」

そう言い部屋のドアを開ける。


部屋の中には、いかにも女の子らしい光景が広がっていてヌイグルミなどもいくつか置いてある。

その部屋の突き当りのベッドに心は布団をかけて寝ていた。


「おい、心?起きろ〜!遅刻するぞ?」

心の肩を揺すりながら言う。しかし・・・


「う〜ん・・・」

起きない心。しかし鼻がピクピクなっているのを響は見て


(コイツ、もしかして・・・)

あることに思い立った響は、少し考え


「ふむ、熟睡してるな?このままでは2人とも遅刻してしまう。我が妹よ。お前の犠牲は無駄にはしない!!」

そう言って入ってきたドアに向かい、ドアを閉める。


バタンッ


その瞬間、


「え!?ちょっと待ってよ兄さん!?起きてる!起きてますってばぁ」

布団から飛び起きる心

そこには


「やっと起きたか、心」

ニヤニヤする響がいた。


「な!?兄さん!部屋から出て行ったはずじゃ・・・まさか気づいてましたね?」

驚きながらも確信する心


「お前が嘘をつくと鼻がピクピク動くんだよ」


「っ!?〜〜〜///」

響がそう言うと急いで鼻を押さえる心


「まぁ、起きたんなら早く飯食って学園に行くぞ」

そう言って今度こそ部屋から出ていく響


「あ!?置いていかないでくださいよ」

慌てて心は追いかけて行った。







「しかし、何で今日は狸寝入りなんてしてたんだ?」

あのあと朝食を食べて登校していた響は心に聞いた。


「いえ、たまには兄さんに起こしてもらいたいなぁっと思いまして」

そう言って心は続ける


「ほら、やっぱり憧れるじゃないですか?兄にやさしく起こされる妹ってシチュエーション!けっこう夢だったんですよ?」


「そりゃ、ご期待に添えなくて残念だ。それに普通は逆じゃないか?年下の妹に起こされる兄の構図だろ?確かにそれなら憧れるな!まぁ、お前が俺より早起きしたのは見たことないから無理だろうが」


「兄さんが早起きしすぎなんですよ!!いいですよ、じゃあ今度は私が兄さんを起こして見せます」


「お!?そっか!期待しないで待ってるとしよう。」


そんな会話をしつつ、学園についた響たちはそれぞれの教室に向かって行った。







ガラガラ


教室のドアを開けて中に入る響。そこに、


「あら?おはよう、響。朝早いのね?」

「おっはー、響っち!」

すでに登校していた理沙と薫が声をかけてきた。


「おう。おはよう理沙、薫。それを言ったらお前たちの方が早いだろ?」


「それもそうね。」

軽く返す響に答える理沙。


「ところでぇ〜、昨日の放課後はどうだったの?なんか模擬戦をやったって話を聞いたんだけど?ホント?」

薫が待ってましたと言わんばかりに聞いてくる。


「まったく薫は・・・そんな情報どこから仕入れてくるのやら」

その様子に呆れる理沙。


「ああ。ホントだぜ。同じ班になるのにお互いの実力を知るためだってよ。俺と理沙、心と努でそれぞれ模擬戦をやったんだよ。」


「マジで!マジで!それで結果は?」

薫は結果が気になるのか、響に詰め寄っていく。

そこで響は理沙を見てニヤッとし、


「もちろん俺の勝ちだ。理沙も惜しかったがな。心も努に勝ったぞ。」

っと胸を張って言った。


「クッ!?」

っと悔しさで顔を歪めつつ、響を睨む理沙。


「おお〜!?凄いね響っちと心っち。この学園でもトップの実力者の、理沙っちと努っちに勝っちゃうなんて。こりゃとんでもないライバル出現ですな?理沙っち?」

それに感心しつつ理沙に返す薫。


「ふんっ!あんなの偶々よ!努はともかく、私は次やったら絶対に勝つわよ」


「おんやぁ、理沙ちゃんは潔くないなぁ?・・・賭けの賞品、とんでもないこと要求してもいいんだぞ?」

ふてくされた態度の理沙に響は黒い笑みを浮かべながら、最後に理沙にしか聞こえないように耳打ちする。


「っ!?」

その耳打ちに、赤くなりながら響を睨む理沙。


「理沙っち?どったの?」


「クックック、なんでもないよなぁ?理沙ちゃん」


その後には、笑顔の響と俯く理沙、困惑顔の薫がいた。








「そんなことより、今日の放課後、歓迎会やるから」

なんとかダメージから回復した理沙は響に言った。


「は?歓迎会?誰の?」

いきなりの話題転換に思考がついていかない響


「それ、本気で言ってるのですか、響っち?もちろん、響っちと心っちの歓迎会に決まってるでし」

そんな響に突っ込む薫。


「そう言うこと。昨日は放課後は訓練場に集まれって言われてたからね。だから今日にしたの。ちなみに参加者は、アンタと心ちゃん、私に薫に、ついでに体力バカもね。」

そう言って参加者を指折りながら挙げていく理沙。ちなみに体力バカとは言わずもがな、努のことである。


「へぇ〜、わざわざ悪いな。んで、場所はどこでやるんだよ?」

その言葉に感謝しつつ場所を尋ねる響。

その言葉に理沙が、


「響の家」

さっきの仕返しか、簡潔に答えた。


「はぁ!?」


「だから、響の家でやるの!!」


「ちょっと待て、それは分かった。何で俺の家なんだ?」

困惑しながらも理由を尋ねる響。


「だって、どっかの店でやると費用が高くなるし。響の家は心との2人暮らしでしょ?その点、私たちの家だと親がいてうるさいしね。それに明日は学園休みだから、泊まれるしちょうどいいかなって」

それにスラスラと答える理沙


「だからって宿主の許可も取らずに計画するか?普通」


「あら、許可なら取ったわよ?」


「はぁ?」

響の言葉に今度は理沙がニヤっとしながら言う。


「昨日の模擬戦の後にね。心ちゃんにだけど。」

その言葉に響はピキッっと固まる。


(こ・こ・ろ〜!!帰ったら調kyもといお仕置きだな・・・クケケケケ)

心の中でダークな笑いを浮かべる響。その時心が身震いしていたのは別のお話


「まぁ〜心には、響には内緒にしてって言っておいたんだけどね。」


「そう言うことで、よろしくお願いしますね?響っち」

勝ち誇ったような笑みの理沙と薫が言う。


「あ〜もう、分かったよ!勝手にしろ。」

自棄になる響、そこに先生が教室に入ってきた。


ガラガラ


「はいはい、席に着いて。出席採るわよ?」


「じゃあ、響放課後よろしくね」

「よろしくなのですよ!」

そう言って席に戻る2人。


「おう、分かった分かった」

それを響は諦めた表情で見送った。






ちなみに努は今日も遅刻し、担任の先生の呼び出しをくらったのは言うまでもない。

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