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旅の最終日

作者: ブルータスの屁

詩・短編を書いてみました。

気に入っていただけるか分かりませんが

一生懸命に書いてみました(^_^)

1000文字ぐらいで書いてあります。

物語の断片や本の1ページのようなモノだと思いながら

暇なときにでも読んで

楽しんで頂けると幸いです(^_^)

もし

一緒に旅してきた彼女に共に過ごした時間の長さを教えたら

彼女はどう思うのだろう。


動物に触れたり…。

自然を感じたり…。

人に甘えたり…。


今まで多くの事を感じてきたはずだ。


今まで多くの事を感じてきたはずだ。


僕がしたことは正しかったと言ってくれるのか。

それとも

間違っていると言ってくれるのだろうか。


一体

今の彼女は自分の心の中で何を思っているのだろう。

それを聞いてみたい。


この場所が旅の終着地点であるからこそ…。


彼女に視線を向ける。

その彼女は僕に背中を向けて

沈み落ちようとしている夕日を見ていた。

両手で温かいミルクが入ったマグカップを持って1口1口

喉に通していく。


そのミルクを飲んでいる姿を見る度に

何故か彼女の世界から僕が消えていくのを感じた。


ただ

同時にこうも思った。


もしかしたら

彼女は「終着地点」という現実から目を背いているのかもしれない。


ようやく僕は口を開けられた…。


「ねぇ?」


僕の呼びかけに彼女は振り向く。


「この旅はどうだった?」

「とっても楽しかったわ」


彼女の優しい笑顔は

僕の心に潜んでいた不安を消していく。

自分の行動を正当化させてくれた気がして嬉しかった。


家出していた彼女は

「人生とは何か」を問う一人旅に旅をしていた僕に

無理矢理ついてきた。

長い旅だったから

恐らく

彼女には行方不明届けが出されているだろう。


もう潮時だ…。


僕は彼女に言った。


「そろそろ家に帰ろう」


すると

彼女の身体は硬直して「嫌だ…」と呟く。

僕はその言葉を無言で受け止めて空を見上げる。


少しだけ星が出ていた。


僕は「僕は家に帰るつもりだから」。

そう伝えた。


彼女は動揺し溢るる気持ちを一生懸命に抑えて

精一杯の笑顔で「ありがとう」と伝えてくれた。


それから

僕は彼女を自宅の前まで送り届けた。

僕が家を離れて彼女がインターホンを押すと

それを待っていたかのように

すぐに親が出てきて彼女を抱きしめた。


親は泣き。

彼女も泣き。

その声を聞いて何故か僕も泣いた。


もともとは一人旅の予定だったのに

彼女が無理矢理ついてきただけ

だから泣く理由なんか無い。

でも…。

泣いてしまう…。


彼女に背中を向けて歩き出す。

また空を見上げると綺麗な月が出ていた。


「明日には仕事を探そうかな」


そんな言葉で私は誤魔化して

また一歩二歩と進むのである。

人生とは何かが分からぬまま。

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