表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三界奇譚  作者: みや凜
第五章 闇神城編
424/429

神の戦1-皆で!

 クロと姫は三界中に供与をし続けています。


 闇の波動に圧され、異空間へ飛ばされた皆に、光の波動を当てて押し戻した反動と、直後に受けた闇の神の反撃で、アオとサクラは異空間を流されていた。


【アオ! サクラの手を! 意識が無いわ!】


(はい! ディアナ様!)心の手を伸ばす。


(サクラ、目覚めて!)心の手で揺さぶる。


(……ん……あ……アオ兄!?)


(戻るよ)(あ……うん。せ~のっ!)



――闇神城内。

(みんなは……だいじょぶだね)

(うん、城内だね)


【やはり戻れたか……ならば!】


二人は身構えたが、(あっ、逃げるよ!)


【私が導きます!】(ディアナ様、それは――)


アオとサクラは強い力に引かれていった。



【ディアナ様!?】【アオ! サクラ!】


 スミレとヒスイが、アオとサクラの気を追って、闇の神の間に着いた時、ひと足違いでアオとサクラの姿が消えた。


【如何した!?】

戻った金虎が、二神の様子に驚きの声を上げた。

【闇の神は何処に行った!?】


【異空間のようです……】


【誰ぞ神は追っておるのか?】


【ディアナ様が、アオとサクラを連れて……】


【その二人が追っておるのならば、我等は、この術を止めようぞ】


【はい。金虎様】


 スミレ、ヒスイ、金虎は術に絡む闇を打ち消すべく、闇の神の魔法円に光を当て始めた。


【発動は引き延ばせそうか?】現れた。


【始祖様、他の方々は……?】


【ここに来ていた神は、飛ばされたが大丈夫だ。

金虎同様すぐに自力で戻る。

他は魔王達と戦っているからな……。

結界近くに居る神を連れて来るから、待ってろ!】


 カルサイと孔雀が現れ、直ぐに魔法円を囲む。

カルサイがヒスイとスミレに目を向ける。

【アオとサクラは?】


【ここまでは戻りましたが……】

【ディアナ様に導かれ、異空間に……】

スミレとヒスイは言葉を濁した。


【私が探します】カルサイは目を閉じた。



♯♯♯



 クロと姫が、大きな音が響いている部屋に曲空すると――


沢山の結界魔宝の上の宙で、バナジンが魔王達と戦っており、


剛鬼と飾鬼が紲輝鎚で壁を打っていた。


(この音じゃったか……)(だな……)


バナジンの気が爆発的に高まり、閃光が部屋を満たした。


(スッゲー!)

(神様の本気とは真、凄まじぃのじゃな……)


(あ……結界魔宝の解呪も同時に……)

(ならば解除しよぅぞ♪)(だなっ♪)



♯♯♯



(サクラ、さっきの声、聞こえたよね?)


(うん♪ クロ兄の声ね♪

『こっちは任せろ! 気にすんなっ!♪』でしょ)


(うん。凄い力だったね)


(一瞬だったのに、俺達 見つかってたね~♪)


(三界は大丈夫だ。集中しよう)


(うんっ♪ クロ兄なら だいじょぶ~♪

……アオ兄、全力だね)


(そうだね、サクラ)



♯♯♯



【コバルト、ずっと気になっていたのですが、地の小さな光は光臨鐘ですか?】


【ん? ずっと?

ああそうか、結界の こっちからでも見えてるんだな。アオとサクラが埋めたんだ】

穴をくぐる。


【闇神城まで続いているのですね】


【そうだ。だから神も あの城に行けたんだ】


【光の道ですね……】


【しかも、この穴と鏡で、あっという間だ】


 コバルトはロサイトとルバイルの手を取り、闇の神の間に向かった。



♯♯♯



【何故ここまで……】


「逃がす事は出来ないからね」


【流石、神の子達だな】


「ただの竜だよ」


【フン……まあよい。ここで、この世の終焉をとくと眺めようではないか】


「いやだよ~、俺まだ若いんだからねっ。

新婚なんだし、終わりになんてさせないよ!」光を放つ。


【まだ無駄だと解らぬのか!?】


「ムダじゃないも~ん。

術を止めてくれるまで やめないよっ」


(サクラ、少しずつでいい。避けられないよう、空間ごと浄化するんだ)

(うんっ)


(勝輝、吸っても大丈夫な闇なら頼むよ)

【畏まりまして御座います、我等が王】



♯♯♯



「極炎豪放!!」

フジは神以鏡から神の光と神聖光輝を炎に乗せ拡散させた。


倒れた魔王の胸部に、アカの掌握が突き出る。

(浄化しろ)

(アカ兄様、ありがとうございます!)放水!


(残り一体、掴んだら即、浄化だ)(はいっ)


アカが神眼()で追う――捕らえた!


その拳に、フジが光と神聖光輝を放った。


「こちらでお待ちください」元・魔王に言い、

(フジ、アメシス様だ!)曲空。



――アメシスは五体の魔王に囲まれていた。


(こちらの方が強いですね……)


(神聖光輝を拡散して弱らせろ)


頷き「極炎豪放!!」放った。


人を依代としている二体が膝を突いた。

空かさずアメシスとアカが光で包む。


(フジ!)(はいっ!)

掌握(アカ)が掴んだ魔王に神以鏡を向け、光を纏った神聖光輝を浴びせる。


 この依代は魔竜ですね……。


残った二体から同時に瘴気が放たれた。


「隔壁!」アカが各々を囲んだ。

(防ぐのは闇だけだ)


光輝神雷と神聖光輝を浴び、一体が落ちる。


もう一体が消えた。


(逃げた? それとも――)気を探る。


【ハクの方に行ったようです】


(でしたら、すぐにっ)


【いえ、移動と同時に闇は消滅しました。

こちらの方々の浄化を続けます】


(アカ、フジ、ハク兄の所へ!)(はい!)


クロが現れ、続けてキンが現れた。


(アメシス様、浄化はドルマイ様にお任せください。

初代魔王(闇の神)の魔法円の方をお願い致します。

神竜様、黒竜(クロ)に付いて行ってください)


キンがアメシスに伝えている間に、クロは依代達を抱えて消えた。



♯♯♯



 ビスマスが放った光は魔王に躱され、現れた何かに当たった。


「あ……ま、いっか~」


ビスマスは魔王を追い、攻撃を続けており、光が当たった何かは眼中に無い。


「ちょいと、その隅で待っててくれよなっ」

声を掛けて、ハクはビスマスを追った。


(ハク兄様!

先程、魔王が現れたと思うのですが)


(ああ、あれだ)指す。


(一瞬で……)


(コイツが避けた所にアイツが出たんだ)

笑いながらビスマスの攻撃を双璧で真似る。


(捕らえた!)アカの掌握の拳に一斉攻撃!


(お~いクロ、こっちも回収してくれ♪)


(自分で連れて来てくれよなっ)むっ。


(連続曲空 出来るんだから頼むよ~)


(しゃあねぇなっ)現れ、連れて行った。


 キンが現れ、

(ビスマス様、初代魔王(闇の神)の間にお願い致します)


(フジ、初代魔王の部屋を浄化して欲しい)


(アカ、最上階に頼む)ハクを掴んで曲空。



♯♯♯



【お袋! 浄化はコイツらに任せて、闇の神の間に行ってくれ!】


 コバルトが深魔界との境界で浄化していた神達を連れて来た。


【お前らも行け!】

オニキスとオパルスも移動した。


 コバルトは慎玄と純慎に近寄り、二人の額に掌を翳し、光を放った。


【この術で浄化して欲しい。

魔法円から闇が噴き出し続けているんだ】


二人を連れて、闇の神の間に移動した。



♯♯♯



(アオ、共心しろ)

アオの心の中で、ルリがアオの腕を掴んだ。


(異空間でなんて危険過ぎるよ)


(構わぬ。

アオの一部になれるのならば本望だ)


(ルリ……俺は嫌だ)後退る。


(しかし、今 使わねば、何の為に会得したのか分からぬぞ)


(闇の神を三界の何処かに連れ戻し――)


(連れ戻す為にも力が必要ではないのか?

バナジン様は、この時の為にお教えくださったのではないのか?)


(一旦、元の部屋に戻ろう)


(そんな事が易々と出来るのか?

それに、最早 時間は無い。

アオが共心する気が無いのなら、私からアオの中に入るぞ)


(それこそ解除不可能になるだろ!)


(そうだな)フフッ。


(そんな楽しそうに……)


(だから本望だと言っている)くすくす♪


(ルリ……)


ルリが真顔に戻る。

(入るぞ!)アオの胸に飛び込んだ。


(待て!! 闇の神が動いた!!)


ディアナに引かれた。





 きゅる……。


青(どうしたんだい? パラチア。

  何か気になるのかい?)


キ【とぉさま! あれ!】


青(うん……光だね……。

  ディアナ様、少し離れたいのですが、

  後で戻して頂けますか?)


デ【……ええ】


青(サクラ、少し離れるよ。

  ひとりで追える?)


桜(アレでしょ? 俺も気になる。

  だいじょぶだから行って)




青:水晶と精霊様……おそらく精霊王様。

  それなら――

 (クレフ様! ルタン様!)


  届かないのか?


 (何方でも! お越し頂けませんか!?

  精霊王様!!)


 光が物凄い勢いで迫って来た。


?【なんだ、アオではないか。

  また、どうした――リヒト!?

  しっかりしろ!! リヒト!!】


青(安全な場所にお連れ頂けませんか?

  この水晶も一緒に)


?【アオの頼みならば、勿論、引き受ける。

  だが、その水晶は何だ?】


青(神様が封じられているようです)


?【そうか。解った。安心して進むがいい!

  いや、遡っているのか?

  まぁ、とにかくだ、進め!】


ト【私がお供してもよろしいでしょうか?】


?【そうか。ならば共に。

  アオ、迎えに来たならば、また笛を

  聴かせてくれよ】


青(はい。そんな事でいいのなら、いつでも)


?【前にも、そう言っておいて、なかなか

  来やしないのだからなっ】


 豪快な笑い声を響かせて、筋肉質な精霊王は

トパーズを伴い、飛び去った。


青:何方様だったんだろう……?


デ【アオ……先程の大神様は?】


青(トパーズ様です。どうかなさったんですか?

  あ、そうか。俺の中の別々の場所に

  いらしたんですね?)


デ【え? ええ。ですので驚いたのです。

  アオの中は広いのですね】


青(そうらしいです。

  では、闇の神の近くにお願い致します)


デ【ええ】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ