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三界奇譚  作者: みや凜
第五章 闇神城編
423/429

闇神城8-魔王だらけ

 闇の神が異空間へと飛ばし、アオとサクラが

皆を闇神城へと戻し――


 ドッ!「ってぇ~っ!」ムクッ!「姫!!」


飛来した闇の波動を避ける。

(姫! どこだ!?)


また避けたついでに「風神竜牙!!」

無意識に発生源に向かって放ち、そして姫を探す。

「見つけた!」曲空!



――姫の目の前。

「乗れっ!!」「あいなっ♪」放水!!


(ん? アレ、魔王か?)(然様じゃ♪)

「おっとぉ」避ける。

(神眼で見よ)(おう♪)


(皆バラバラで、魔王達と戦ってるんだな……)

(早ぅ終わらせて、助太刀致そぅぞ)(だなっ♪)

(先ずは、この城全てに供与じゃ!)(おうっ♪)


(いや待たれよ! 三界全域に供与じゃっ!)


(はあっ!?)


(神眼を拡げるのじゃっ!)


(ゲッ……これは……よしっ! やるぞっ!!)


(保とぅぞ!)(モチロンだっ!)


クロと姫は、神眼と供与を三界全域に拡げ、それを保ち、攻撃を続けた。



 この水……今一歩、届いておらぬのか?

 水の勢力が足りぬのならばっ!


姫は風の召喚竜を出し、そこに神聖光輝を放水して込めた。

(行けっ!!)


召喚竜が魔王に向かって突進し、水飛沫を上げ、腹に入った。


(クロ! 神以鏡じゃっ!)(おう♪)

もう一体に向け「風神竜牙!!」


背に抜けた召喚竜は風のみになっており、一拍おいて、魔王の絶叫が響いた。


(よぅやってくれたのぅ♪)なでなで♪


【クロ様!】【静香様!】

オニキスとオパルスが現れた。

各々、神竜の魂を伴っている。


(浄化、お頼み申す)元・魔王を指す。


二神が元・魔王とその依代達を浄化し始めた。


(して、クロが倒した魔王の魂は何処じゃ?)


(あ……オニキス様、後で来てください!)曲空。



――クロの痕跡が残る部屋。


(ほったらかしてワラワの方に来たのか?)

力無く漂っているものを指す。


(姫が背にいねぇから、探すのに必死で……気づかなかったんだっ♪)


(じゃが、気絶しておるぞ)闇の竜じゃな。


(何したっけ?)


【では、引き継ぎます。光輝神雷!】


神竜の魂が浮き出る。


(依代達どうする?)(一ヶ所に集めよぅぞ♪)

(じゃあ結界魔宝も)(七階が良かろぅぞ♪)


七階に曲空。オニキスとオパルスも続く。


(ここならば、我等の結界も確かじゃ♪)


(広いし、ちょうどいいな♪)依代達を並べる。


(では、オニキス様、オパルス様。

宜しくお頼み致しまする)ぺこり、曲空。



♯♯♯



 アカはサッと恍恒鏡を出して盾にし、魔王の波動を反射した。


魔王は避けきれず、波動に絡まれ固まった。


掌握で魔王を掴み出す。


【赤虎、あとは任せよ】光輝神雷、一発じゃ。


(アカ、終わったのか?

じゃ、依代 貰って行くからな)抱える。


【ならば付いて参れ】引っ張られた。



【ほれ、此奴等も頼むぞ】当然、元・魔王もな。


(あ……ありがとうございます)



♯♯♯



【慎玄、怪我はありませんか?】


(援護、ありがとうございます。

大丈夫でございます)合掌。


【親父、孔雀様と純慎を連れて来たぞ。

術の時間稼ぎに行くから、頼む!】


(慎玄殿、純慎殿、御無事でしたか。

カルサイ様、始祖様、孔雀様。

ありがとうございます)曲空して来た。


【キンも、この二人を護れ!】消えた。


魔王の闇拒絶の結界が、せり上がる。


【そちらの魂と依代も浄化致します】


(宜しくお願い致します)


(あ、じゃあ、ここに運んで来る!)曲空。


【今、一瞬……】(はい。クロです)


(この皆さん、依代だったんです。

お願いします!)


オニキスとオパルスが、元・魔王達を連れて引っ越して来た。


【あら、では私も浄化します】現れた。


【ドルマイ、浄化を頼みます。

私も魔法円の方に行きますね】


【お任せくださいね】



♯♯♯



(クロ、アオとサクラは何処じゃ?)


(それなんだが……見えねぇんだよな……三界には……いねぇな……)


(ワラワは闇に飛ばされ、光で戻され、また闇で叩き落とされたよぅな感じじゃったが……クロは如何な感じじゃったのじゃ?)


(ああ、まったく同じだ。

どっか別の……上も下も分かんねぇトコに飛ばされて、戻されたよな。

んで、戻ったと思ったら、弾かれて壁にブチ当たったんだよ)


(押し戻したのがアオとサクラの光ならば――)


(アイツら、まだ戻ってねぇのかもしれねぇな。

でも、アイツらなら、絶対 自力で戻る!)


(そぅじゃな♪ 二人ならば、いずれ戻るな♪)


(戻るまでに終わらせて驚かせてやろうぜ♪)


(そぅじゃな♪ ならば次に参ろぅぞ♪)


(だなっ♪ 行くぞ!)(あいなっ♪)曲空!



 クロと姫が曲空した先では――


「うわっ!!」「およっ!?」

雷が炸裂し、空間を満たした。


――色が戻る。


(クロ……また来たのか)


(キン兄~、そりゃねぇよぉ)


(ここは大丈夫だ。それより――)上を見る。


クロと姫も上を向く。


(クロ、最上階が賑やかじゃぞ)(行くぞ!)



 クロと姫が曲空すると、弥勒と優鬼が、十体以上の魔王と戦っていた。


(やるかっ!)(おぅよ!)

クロが重ねた神以鏡を構え、姫がクロの背に両掌を当てる。

「暴風激放!!!」

神の光を絡めた暴風が瞬時に拡がった。


絶叫大合唱――そして静寂――ではなく、


ドーーン!! ドーーン!!


(隣の部屋じゃな……)(行こう!)曲空。



♯♯♯



【赤虎! 同時に捕まえよ!】


(はい)掌握を、三体の魔王に向かって伸ばす。


【光輝神雷じゃ!】迸る。



(クロは最上階か……)


【ならば、運ぶより他に手は無かろうて。

して……先程より腕輪が光っておるのじゃが、女房殿ではないのか?】


(あ……)気付かなかった……。

(ワカナ、どうした?)


(アカ、鏡の光が尽きたの。

どうすればいいの?)


(ふむ)(大師匠様、お願い致します)

アカは金虎の手を取り、六階に曲空した。



――通路鏡を抜ける。「アカ……」「ん……」


アカが振り返り、

「大師匠様、神以鏡に補充を――」


【しておるぞ】見詰め合うとる間にのぅ。


「この上も……」見上げる。


「アカ様、こちらの事よりも、魔王の方をお願い致します」

爽蛇が深く頭を下げる。


「爽蛇殿……しかし――」


【ここだけでは無いようじゃ。

三界全域……多くの者が戦うておる。

皆、お前さんらが存分に戦えるよう、平和な世になるよう、戦うておるのじゃ。

戻るぞ、赤虎】


アカと金虎は、結界を更に強め、

「では、お願い致します」鏡をくぐった。



――六階の鏡に出る。

【赤虎、儂はカルサイ様に呼ばれたからの。

フジに加勢してやるがよい。

お前さんも、もう光が使えるのじゃからな】


「はい」掌に光を出してみる。「ふむ」曲空。




♯♯ 地下魔界 ♯♯


「妖狐王様! こちらをお使いください!」


「投石器か? リジュン」


「魔宝を組み込んでおりますので、的確に壺を投じる事が出来る筈です」


「おヌシらが作った物ならば間違い無い。

直ぐに入れ換えよ!

して、魔界だけか?」


「いえ、全域に運んで頂きました」


「ならば、よい」ニヤリ。「儂も行くぞ」消えた。




♯♯ 天竜王城 ♯♯


「シロ、もう工場にも壺は無いぞ」


「ならば、城や山から掻き集めるか?」


「それは、とっくに使ったんだが……長老の山は勿論、使用人達の家からも、王子達の屋敷からも集めきってしまった」


「ギン、他に無いのか?」


「店の在庫も集めたからな……」


【もう無いのか?】


「あとは時間が掛かりそうだな」


【ならば、直に放つとするか。

おかげで随分と慣れたからな】消えた。


「親父、あの御方は?」


「ああそうか、初めてじゃの。

あれはムラサキの妹、ヒマワリじゃ」


「はあっ!? 何故、神に!?」


「さぁのぅ……」


「孫とは……誰なのじゃろ……」


 アオはシロには言うておらなんだか……。



 飛翔台に伝令兵が降り立ち、

「アサギ王様よりの御伝言で御座います!」

飛んで寄る。


「天馬の国か?」


「いえ、既にハザマの森口に入られておられます!

『ハザマの森より妖狐軍の加勢が有り、我が国に隣接しております天馬、天兎、麒麟国の魔物は、全て元の姿に戻った』

との事で御座います!」


「では、各聖堂と祠を治療の場に!」


執事達が駆けて行った。


「援軍を率いて、その先の国に参ります。

アサギ王帰城まで、お願い致します」

ギンが飛んで行った。


「もう一件御座います!

王都に入りました所で、トキワ大臣様にお会いし、御伝言を承りました!

『魔人は、妖狐軍が連れて行った』との事、

『天人と人は、彩奏(サイソウ)の大神殿に運び込みを始めている』

との事で御座います!」


「ならば、長老会で手分けして整えるわい」

ムラサキが曲空した。





紫「シロ、ヒマワリの孫は知らんのか?」


白「遠くから見ただけなんだよなぁ」


紫「アオは、どうして……」


白「王族を離れた者だから、とな。それと、

  近いうちにヒマワリとも会えるから、

  とも言っておったな。確かに会えたが、

  それがどういう理由なのかはサッパリだ」


紫「で、ヒマワリを見て、どうだ?」


白「遠目だったが、確かに、あの娘さんは

  ヒマワリの孫だな」


紫「娘さんの気は確かめなかったのか?」


白「確かめようとしたんだが……消しておった

  のか、弱くて掴めない程だったのか……」


紫「ま、アオが帰還すれば、ちゃんと会わせて

  くれるだろうよ」


白「ムラサキは知ってるんだろ? 教えろよ」


紫「アオを待てよ」


白「ケチ」


紫「おい、ケチとは酷い言いようだな。まぁ、

  アオには、きっと考えが有るのだろうよ」


陽【兄貴、地下界には、どう行けばよいのだ?】


紫「ヒマワリ、戻って来たのか?」


陽【天界は神だらけだからな】


紫「人界になら星輝の祠から行けるそうだ」


陽【そうか。ならば、とりあえず行くか】


白「ヒマワリ、お前さんの孫の名は?」


陽【ルリだ。シロ兄の孫と結婚したそうだが?】


白「ルリ……さん……が?」


陽【ま、話は後だ。では、な】消えた。


紫「さて、壺を集めるか」そそくさっ。


白「待て! ムラサキ! おいっ!」


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