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三界奇譚  作者: みや凜
第五章 闇神城編
421/429

闇神城6-七階へ

 竜の神も到着しました。


♯♯ 魔王城 六階 ♯♯


【神達、各々絆竜に入っていろよ。

魔王の闇は手強いからな。

親父、お袋、サクラに入ってくれ。

ディアナ様、どちらになさいますか?】


【私は……アオ、よろしくお願いします】


【アオ、見届けの神なんだからな。

頼るんじゃないぞ】(解っていますよ)


【サクラ、コイツに道を聞けばいい】


元・現魔王をサクラに押し込んだ。


サクラの中で、カルサイとドルマイが元・現魔王――神竜の魂を浄化し始めた。



(神竜様、近道をお教えください)


【貴方は? サクラ様なのですか?】アオ様?


(ちゃんとするとコレなんだもん)むぅ。


【いえっ、そういう訳ではっ】


(俺の心の中なんて、何度も隈無く見ているのではありませんか?)


【龍神帝王として……そうですね……サクラ様は、アオ様と同じ……確かに驚く程の事ではありませんね】


(では、七階への近道を)【畏まりました】



「みんな~、次こっち~」サクラが飛んだ。


(今、笑ったでしょ)【いえ、そんな事は――】

(もぉいいもんっ)ぷいっ。【笑ってなど――】

(いいも~ん)【サクラ様っあのっそんな――】


【サクラ、許してあげてね】

(ドルマイ様が仰るのなら~)にこっ。


【ドルマイ様とっ!?】(うん♪ そぉだよ~)

【では貴方様は……カルサイ様……?】【はい】

【最高神様が……】【お気になさらず】にこっ。


【あ、あのっ、私なんぞに浄化などっ!

畏れ多くっ、あのっ最高神様っ!!】


【貴方の為でもありますが、サクラの為ですので、お受けください】


【でも、よく御存知ですのね】


【それは……】


(魔王としては、標的として、でしょ?)


【あ……はい……申し訳ございません】


(仕方ないよね~、それは)


【理解しておりますので、お気を楽になさってください】


(カルサイ様。俺達、歴代魔王 全て助けたいんです。

先程、二十体以上 確認しました。

次々入る事になるとは思いますが、宜しくお願い致します)


【お任せください。

その為に参りましたので】にっこり。


【全て……倒すのではなく、救う、と……?】


【その決意で、彼等は ここまで来たのです】


【勝てないのは必然だったのですね……】


(俺……出来れば、初代――闇の神も助けたいんだ……。

昔々に何があったのかなんて知らないけど、凄い御力を持った神様だったんじゃないかって思うから。

その御力で、これからの世界を支えて欲しいから、ちゃんと神様に戻って欲しいんだ……)


【サクラ……それは……】


(うん。無理なのかも、って思ってる。

神様には戻れないのかも……でも、支える道だってひとつじゃないと思うんだ。

それに……)


【それに?】


(……ディアナ様が、お辛そうだから……)


【サクラ!? そこまで何故!?】


(俺……わかっちゃうんだ。たぶんアオ兄も……)



【サクラ様、お待ちください!】


 七階への近道である鏡をくぐろうとした時、元・現魔王が声を上げ、引き止めた。


(なぁに? メライトさん)


【私は……名乗りましたか?】きょとん。


【サクラは拾知(シュウチ)の力が強いのです。

それで、如何しましたか?】


【はい。最高神様。

鏡の向こうに闇の呪を感じるのです】


(鏡の向こうに?)


【はい。通過すれば掛かるように……】


(ひとり掛かれば、あとは大丈夫ですか?)


【そこまでは……】


(そうですか)手を突っ込んだ。【あっ!!】


引き抜く。(確かに。ありがとうございます)


竜潔環を交換し、もう一度――


(うん♪ だいじょぶだね♪)


【あの……それは?】


(竜潔環だよ♪

リジュンさんに、呪を吸うように改良して頂いたんです)


【……そうですか……】呆然。


(クロ兄、アカ兄、ルリ姉、続いてね~)

言いながら抜けた。


【サクラ様、上の階……異空間の歪みを感じます。

曲空は……なさらないでください】


(ありがとうございます)

(みんな~、曲空はダメだからね~)


(またかよ~)(うむ♪)


(姫、楽しそうだな)(クロと共に戦えるからの)

(そっか♪)(うむ♪ クロも楽しぃのじゃろ♪)

(確かに楽しいなっ♪ 始めっか♪)(うむっ♪)


クロと姫の指示で、アカとルリが結界魔宝を集め始める。


アオが鏡をくぐると、サクラは人神・魔神に加勢していた。

(ここ、光ダメだよ!)(解った)


アオは六階に戻り、

(始祖様、スミレ、ここで解除お願いします)

鏡に念網を投じ、集まっていた結界魔宝を引き出した。


(アカ、ルリ、結界魔宝は、ここに頼むよ)

(うむ)(ふむ)


【それにしても沢山あるんだな】


(そこそこ広いですからね。

強い結界を成すなら、数が必要になりますよ。

竜が暴れても壊れない壁を保つだけでも相当数ですよ)


【じゃあ階下は!?】


(俺とアカとサクラが補強していますよ。

崩れてもらっては困りますからね)

再び鏡をくぐった。




♯♯ 七階 ♯♯


(アオ、サクラ、極大の割裂輝雷だ)

(はい、キン兄さん)

(みなさ~ん、鏡の向こうに避難してね~)


一斉に退避した事を確かめ、三人は鏡の前に立ち塞がり、手を重ね、瞬時に気を込めた。


ルリが鏡の前に牆壁を重ねる。


(せ~のっ!)「割裂輝雷!!!」


雷一色!


――としか言いようの無い眩しい世界から色が戻る。


(うん♪ ちょ~どいい強さだったね~♪)

(竜の技だからね。滅さずに済んだね)

(でもやっぱり、キン兄すっご~い♪)

(いや……まだまだだ)頬が染まっている。


その部屋には、元・魔王達が呆然と漂っていた。


三人、浄化で包み始め(あ……)顔を見合わせた。


(光を混ぜていたよ)(うん♪ 使えるね~♪)

(解除されたのだな)(みんな呼ぶ~♪)


魔王の闇拒絶の結界が上がって来た。

続々と兄弟と仲間達が鏡を通って来る。


(魔宝達~♪ 光って~♪)


神眼、掌握を持つ者達が集め始めた。



【アオ、元・魔王達を深魔界との境界に運べ】

コバルトが次々と放り込んだ。


(言葉を変えると行動も乱暴になるんですね)


【その方が合ってるってんだろ?

なら、合わせてやるよ。行けっ】ばしっ!


(いたた……)背を叩かれ、外に飛ぼうとすると、


【妃達の鏡は、六階の鏡前に繋ぎ直している。

アオとサクラの穴は、妃の鏡の前に繋いだ】


(ありがとうございます。では)六階へ。




♯♯ 通路鏡を護る結界内 ♯♯


 ボタンとミカンが神以鏡を交換し、また上昇した。


「これは……どうすれば……」

ワカナが両手に持ち、考え込む。


「あっ、アオ様!」


「どうしたの? 爽蛇」穴に手を掛けて止まる。


「この鏡は、どうすればよろしいので御座いますか?」


「貸して」鏡面に掌を当て、「はい」渡す。


「こちらもお願い致します」


「こっち全部かい?」次々掌を当てる。


「ありがとうございます!」


「これとこれ、鈴の紐が切れかけているよ。

ワカナさん、よろしくお願いします」


「あっ、はい♪」細部まで確かめ始めた。


「戦っているんだね……」見上げる。


「アオ様、加勢は」首を横に振る。


「解ったよ。

でも、本当に必要なら迷わず呼んでね」


「はい! その時はお願い致します」

深く頭を下げる。


アオは爽蛇の肩に掌を当て、

「皆、大切な仲間だからね。護らせてよ」

微笑んだ。


「はい……ありがとうございますぅ……」


「泣いている場合じゃないからね。

俺が来る迄は、皆様をお護りしてね」

アオは穴をくぐった。



――アオが深魔界側に出ると、ロサイト、ルバイル、バナジンが、大勢の元・影や幹部を浄化していた。


(また増えましたね)


【ここも襲撃されましたので】


(バナジン様おひとりで倒されたんですか?)


【いえ、まさか。あちらに】


少し離れた場所に、大勢の神が居た。


(あちらの神様方は……?)


【以前サクラに助けられたから、と】にこっ。


(では、皆様、昇格されたんですか!?)


【そうです。囚われていた神竜の魂達が、非常なる努力をして神に成ったのです】


【他にも、玉牢に封じられていた神や、絆神竜を救ってくださったからと、お集まりくださった神――】

ロサイトも来た。


【それと、芳小竜の御縁があった神も、いらしてくださいました】

ルバイルも。


(そうですか……)喜びが溢れる。


【それで、アオ、どうしたのですか?】


(あっ、この方々も浄化をお願いします)

元・魔王達を出した。


【魂……という事は……】


(歴代魔王にされていた方々です。

宜しくお願い致します)深く礼。


【アオが、そんなに頭を下げなくても】


(いえ、後の事も含めて、どうか宜しくお願い致します)もう一度、礼。


【力は尽くしますよ】ロサイトが微笑んだ。


【バナジン、戦神も大勢おります。

貴方もアオと共に行きなさい。

ルリの絆神なのですから】

ルバイルが背を押した。


【はい! ありがとうございます!】

バナジンはアオに並び、同じように頭を下げた。





カ【サクラ、少し離れますね】


桜(カルサイ様、どうしましたか?)


カ【すぐに戻りますよ。進んでいてくださいね】


 カルサイとドルマイは金虎に声を掛け、

一階に降りると、ロサイトとルバイルが

待っていた。


 ゴルチルが孔雀を連れて現れた。


カ【揃いましたね。では始めましょう。

  アカ、受け入れるのでしたら、中央に】


 アカが頷き、進み出た。


カ【天竜・アカ=メル=シャルディドラグーナ。

  高位匠神との誓約は破棄しませんね?

  ――では、最高神に与えられし力を以て、

  契約を成し、アカを匠原神竜と認めます】



 唱術――そして神々の光がアカに収まる。



カ【これにてアカは匠原神と成りました。

  戦う為に光を受け入れたのであろうとも、

  何の違いもありません。

  アカが認められた事も。神としての力も。

  原神として更なる精進を積みなさい。

  今ひと時は存分に戦いなさい】


赤「はい」深々と礼。そして闇化甲を展開した。


ル【アカ、私と共に竜宝の守護をしてください

  ませんか?

  私と絆を結んでくださいませんか?】


 アカが金虎を見ると、金虎が頷いた。


金【原神は天竜であろうが複数の神との

  絆が成せるのじゃよ。ルバイル様ほどの

  大神様に認められるとはのぅ】


赤「では、宜しくお願い致します」


カ【続けて真祐を行います。ルバイル様、

  アカ、右手を合わせてください】


ル【サクラも結んでくれたのですよ】


赤「……アオは?」


ル【どうしても天竜が良いそうです】


赤「アオは頑固だからな」フフッ。


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