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三界奇譚  作者: みや凜
第五章 闇神城編
419/429

闇神城4-六階、闇の中で

 現魔王(龍神帝王) 対 キン達。

初代魔王(闇の神) 対 アオ達、

二部屋に分かれ、戦闘中です。


♯♯ 魔王城 六階 ♯♯


 慎玄の弟・純慎を依代としている現魔王と対峙している白九尾、キン、アカ、慎玄は、ジリジリとその間合いを詰めていた。


(キン様、光は使えますか?)

白九尾が纏う光が紅の時は、珊瑚が主らしく、珊瑚の声が聞こえた。


(いや……まだ何かに阻まれております)


(探します。天性での浄化をお続けください)

纏う光が紫に変わる。

(慎玄殿、必ずやお救い致しますので、迷うこと無く、強き浄化をお願い致します)

紫苑の声が聞こえた。


(あれは魔王です。

紫苑殿こそ、ご遠慮 無きよう願います。

成仏させるも又、救いで御座いますので)


話しつつも、紫苑と珊瑚は、魔王の攻撃を避けながら、結界魔宝を探していた。

(見つけました!)


白九尾が放った御札を、魔王が軽く避けた。

【戦えるのはアオとサクラだけか】フッ……。


魔王の背後に、姫が過り、御札が貼り付いた物を持ち去った。


(結界は解除したぞ!)通路のクロ。


(神以鏡は使えるのか?)(使えたっ)


(私共が囮となります。御存分に)

白九尾が前に出た。


(掌握で捕らえたら一斉に浄化願う)

アカが気を高めた。


(畏まりました)(解った)



♯♯♯



(ったぁ~)


 闇の神の術に依り、復活した歴代魔王達の闇の波動で飛ばされたサクラが起き上がると、辺りは闇が立ち込め、大勢であった魔王の気が無くなっていた。


闇の向こうで、ゆらりと何者かが立ち上がる。


サクラは立ち込める闇を消すべく、光を放った。


何かに反射したのか、飛んできた光を躱す。


むくりむくりと、もう二体、立ち上がる。


 魔王が三体ね……兄貴達は、どこ?

 俺が他の部屋に飛ばされちゃったのかな?



♯♯♯



(アオの方は、魔王の気が無ぅなったぞ)

(んじゃ、紫苑の方に集中供与だ)(おぅよ!)


 二部屋の中間点。

通路のクロと姫は、供与を重ねた。


(しかし、あれ程居ったのに……妙ではないか?)


(そうだな……終わったにしちゃ出て来ねぇな。

姫、紫苑達の方、頼んだぞ)(うむ、任せよ)


クロは神眼でアオ達の方を見始めた。


 闇が邪魔だな……魔王は隠れてるのか?



♯♯♯



 フジは壁で背を打って落ちた。

咄嗟に腹部を押さえる。


 このくらいでは、傷痕は何ともありませんね。

 しかし、この闇は……まるで濃霧のようです。

 こちらの方が支障ですね……。


立ち上がり身構え、気を探る。


 兄様もサクラも、どこでしょう……?

 他の部屋に飛ばされてしまったのでしょうか?


閃光が二度 走り、闇が少し晴れた。


 魔王が三体……しかし気が感じられません。

 消しているのでしょうか……?



♯♯♯



 ってぇなっ! おまけに何も見えねぇっ!


ハクはムッとしながら起き上がり、

(アオ! サクラ! フジ! どこだ!?)

繰り返し、数回 呼び掛けた。


 気も掴めねぇ。

 ――って事はバラバラにされたのか?


 おっ、光だ♪ サクラかな? アオか?

 姿は無ぇが……ま、とりあえず双璧!


同じく光を放つ。


 見易くなったな♪

 ゲッ!? 三体もいるのかよっ!



♯♯♯



(アオ! サクラ!)聞こえてねぇのかなぁ。


(アオ!! サクラ!!)どうなってんだ?


(部屋には()るのじゃろ?)


(いるんだけどなぁ)(魔王は?)(いねぇ)


神眼を更に強める。


(ん~、行ってみる。姫は、ここにいろよ)


(神眼だけで見た方が良いぞ)(解った)


クロは慎重に気を探りながら、扉に向かった。



♯♯♯



(始祖様! この内に!)


【これは?】心の中だぞ。


(光と闇の牆壁でございます)【器用だな】

(いや……その……)

(ルリ、お褒めに与り光栄にございます、だよ)


【仲が良すぎだな】(それは当然ですので)


【それはそうと、俺には何も見えん。

何とかしろ、子孫共】


(そうですね。この闇の霧……おかしいな)

(計り知れぬ邪悪さを感じるぞ。しかも……)

(どうしたの? ルリ)

(何やら……感覚が、おかしい……視覚が確かでは無さそうだ)


【おい。この闇は消せないのか?】


(あれは魔王? 気は感じないけど……)

(魔王が魔王と戦っている!?)

(こっちに向かって来ているよ!!)

(この状況で戦えると思ってるのか!?

始祖様が仰るように、先ず闇を消すぞ!)


(さっき光が走って、少し晴れたよね……)

(魔王の攻撃は私が躱す!

アオは闇を消してくれ!)

(うん……決まったよ)


アオは掌に光の球を出しては、背後の壁に向かって投げた。


光の球は、弾み、壁から壁へ、床へと跳びながら、闇を吸い込んでいった。


(勝輝、この闇は吸ってはいけないよ)


【はい。ありがとうございます、アオ王様。

塞いではおりますが、包まれているだけで気分が悪う御座います】


(この闇、何だか判るかい?

君に吸わせていたものではないのかい?)


【はい。よく似た闇を込められ、私は何も考えられなくなって、言われるがまま動いておりました】


(これとは違うんだね?)


【はい。少し……異なると思います】


話しているうちに、三体の魔王 全てがアオに攻撃するようになっていた。


(ルリ、まだ避けられるかい?)

(なんとかなっ!)

(反撃はギリギリまで我慢してね)

(解った!)


 何故、魔王は魔王と戦っていたんだ?

 さっきの光は誰が発したものなんだ?


 考えが……纏まり難いな……。




♯♯ 天竜王城 ♯♯


 シロとムラサキが曲空して現れた。


「親父……」


妖狐王がニヤリとした。


「……お呼びくださったのですね……?」


「ギン……これは……」


「前王、天界の事は、お願い致します。

私は魔竜王国に行きます!」

言いながら飛んだ。


「ギン!?」


「状況は儂が説明する。玉座に座れ」


「もしや……妖狐王様……?」


「王子達が、魔王共が巣食う砦――闇神城に攻め込んだのだ。

魔王共は、その足を止めるべく、三界全域に襲撃を仕掛けて来たのだ。

天界を護り抜け」


「アサギ王は、天馬国に行ったままなのか?」


「その通りだ。

加勢も含め、竜馬両軍の指揮を執っておる」


「コハク王は?」


「神と共に、人界に向かった。

天界にも神が散開しておる。

魔界とハザマの森は、儂等、魔人が護る。

アオ――いや、王子達が前だけを向いて進めるよう、儂等も死力を尽くそうぞ」


「消えた……」


「護るぞ、シロ」「勿論だ、ムラサキ」



 武器庫長が飛んで来た。

「前王様! 各所の『神の壺』が尽きるのは時間の問題で御座います!

至急、追加をお願い致します!」


「対処する。暫し待て」「はっ!」


「集縮工場から壺を運ぶ!」ムラサキ、曲空。


「伝令! 魔竜王城のギン王を呼び戻せ!」


「はっ!」飛翔台へ行こうする。


「こちらだ! 付いて来い!」ルリの部屋へ。




♯♯ 魔竜王城 ♯♯


「全軍、通路とその結界を護るのです!

国の結界は破られはしません!」


伝令兵からの報告に依り、虹藍が指示した、その時――


「虹藍女王!」


「ギン王様……」


「双掌鏡を使います。神を通しますので!」

背後に手で指示する。


「ありがとうございます!」


「サクラ達には前進あるのみ。

互いに護り抜きましょう」


「はい! 父上様!」


一瞬、ギンの頬が緩む。


「ギン王様! 城にお戻りください!」

伝令兵が飛び込んで来た。


「直ぐ行く! 虹藍様、では後程」

外套を翻し、ギンは飛び去った。



 結界の外、上空で、光が幾つもの円を描き始めた。




♯♯ 真魔界の結界前 ♯♯


【この地響きは……?】振り返る。


【地下魔界に光!?】


【戦闘ですね。参りましょう!】


【しかし、こちらも――】


 影と幹部、それと闇黒色の群れが宙に現れた。


「地下魔界の事は任せろ。

対抗武器は頂いておる」ニヤリ。


【妖狐王様……では、お願い致します!】


妖狐王は消え、竜の神々は上昇した。





潤「凄いな。壺が闇兵達に吸い寄せられる……」


猫「結界魔宝の記憶装置を投石器に組み込んで

  みたんだ。魔王の闇を覚えさせてね」


芳「流石、ルーリィさんですね……」


寧「配りましょう!」


猫「通路は僕が穿つから、投石器の交換を

  お願い。魔宝は沢山作っておいたから」


銀【この鎚も一緒に配らせてください!】


明「銀虎様、その鎚は?」


銀【紲輝鎚です。光臨鐘を組み込んだ物です。

  やっと大量に出来上がったんですよ】


匠【竜が投石器を運びます。

  魔宝の匠殿、組み立てをお願いします。

  大きな穴になりますが大丈夫ですか?】


猫「保ちます!」

潤「組み立てはお任せください!」


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