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三界奇譚  作者: みや凜
第四章 魔界編
351/429

神扱い4-鍛練中毒

 当面、皆揃って蒼月煌です。クロを除いて。


♯♯ 地下魔界 ♯♯


【クロ。お前、アオに風の力を拡げて貰ったんだってな。

鍛えてやるから見せてみろ】


「ここで? いいんですか?」


【お前らが地下をウロチョロしてる事など、魔王は、とっくに知っているんだからな。

別に構わんだろ】


――と、始祖様(コバルト)の御指導が、また始まった。


【静香、供与するなよ。

ま、解ってそうだがな】


クロが放つ風の波動を見ながら、気の高め方がなってない、とか、細く鋭くしろ、だとか怒鳴りつつ――


【で、アイツは戦い方が解ったのか?】


「それが……まだ定まらぬよぅで困っておりまする」


【ふむ、己に何が出来るのか見えていないんだな】


【あれだけの神眼を持っておりながら残念なヤツだな】


【風の力も強いんだが、あれもこれも発展途上とは……】


【さて、どこから伸ばすかな……】


さんざん独り言ち、


【で、何でアイツは女になれないんだ?】


「サクラが申すには、勉強が足りぬと……

それ故、器を取り込む事、能わぬよぅなのでございまする」


【という事は、他の王子は、あの技を小器に取り込んでるのか。

俺は勉強の面倒までは見んからな。

ま、アオは、それも考えてるから神以鏡を渡したんだろうがな】


「始祖様、ワラワにはアオの頭に光る輪、サクラの背に羽が見えるのじゃが、気のせいでございましょうか?」


【有るぞ。それがどうした?】


「神様と同じものと存じまするが、あの二人は神様なのでございまするか?」


【俺の子孫だが、神の血は薄い。

既に、ただの天竜だ。

あの翼と光輪は、サクラの絆神・ヒスイのものらしい。ま、飾りだな。

だが、ずっと出ている程に、アイツらは己を鍛え、磨き続けているんだ】


「然様でございまするか……」


【クロが、あの二人くらい鍛練すれば、容易に超えられるんだがな】


「まさか、そのよぅな――」


【器だけなら、アオとサクラを合わせたら、ちょうど同じくらいだろうな】


「足りぬ事の大きさが甚だしぃのでございますね……」ため息。


【そうだな。だから鍛えてやる。

有り難く思えよ】


「誠に忝のぅございまする」



【クロ、休憩だ。

静香、クロに言った事を踏まえて風のみで、やってみろ】


クロと姫が入れ替わる。


【よく見ておけ。元は、お前の力だ】


「はい!」【返事だけは極上だな】「ん?」


【あの鋭さだ。解ったか?】「スッゲー」

【感心してないで気を見ろ】「はいっ!」

【同じように気を高めろ】「はいっ!!」


「あ、始祖様……」アオとサクラが現れた。


【クロの指導をする事にした。

お前らへの指導は終わりだ】


アオとサクラ、顔を見合わす。

(指導?)(って?)


(何かして頂いた?)(う~ん……)

(覚えが無いよね)(そぉだよね~)


【クロ、コイツらを神眼で見た事が有るか?】


「いえ……兄弟を見るなんて考えた事も――」


【見てみろ】


「はい……って! えっ!?」固まった。


「クロ兄、どぉしたの?」つんっ。


「お前ら! 今度は神になっちまったのか!?」


「どうしたんだ? クロ」「ねぇ」


「輪っか! 羽っ!」それぞれを指す。


「ああ、また……」「そっか~」あはは……


【コイツらの翼と光輪は、ヒスイが生まれ直す為に込められた欠片だ。

だが、ここまでハッキリと見える程に、コイツらは鍛練したんだよ。

神だと名乗れる程に己を鍛え、高めた、その証なんだよ。


クロにもヒスイの欠片が込められている。

コイツらに負けない程、鍛練すれば、何か出てくるかもしれん】


(そぉなの?)(発破かけているんだよ)

(ウソなの?)(全部じゃないと思うけどね)

(ほぼウソ?)(そんな所かな)


【お前ら! 俺にも伏せて何 喋ってんだよ!】


(ちゃんと聞こえなくできたね~)(そうだね)


【ちょっと来い!】二人の肩を掴み、飛んだ。


「御指導、終わったんですよね?」

「始祖様ぁ、引っぱらないで~っ」



 クロから離れて――


【お前ら、あれこれ喋ったら……解ってるよな?】睨む。


「アレコレが多すぎて、どれの事やら~」


【全部だっ!

俺の事は何も喋るなっ!!】


「臨機応変に対処させて頂きます」恭しく礼。


【サクラ! お前、生意気だぞ!】「や~ん」


「始祖様に恥をかかせようなどとは思っていません。

ただ、サクラが言うように臨機応変に対処させて頂きますので。

交替しなければなりませんので、これで」


アオはサクラの手を取って曲空した。


【まだ話の途中だ! 待てコラッ!】


(クロの事、よろしくお願い致します)


【アオの方が、ずっと大人ですね】【ゲッ……】


【コバルト、私も共に指導しますからね】


【何をしているの? 行きますよ】【はい……】



♯♯♯



 アオが警護しながら風の技を試し、サクラが同じ技を、光を変えた風で真似ている。

それをスミレとヒスイが眺めていると――


【あら、オパルス……オニキスも、どうしたの?】


【なんだかお邪魔みたいだから……】


【こちらをお手伝い出来ればと思いまして】

苦笑いを浮かべる二神は、チルルとカルルも連れていた。


【始祖様、張り切ってらっしゃるものね~】


【ドルマイ様もいらしてて、物凄い気迫なの】


【それだけクロの器は大きいのね】


【そうらしいです】アオとサクラを見る。

【アオ様は、既に風を使い熟していらっしゃるのですね】


【サクラ様も器用ですね。

まるで本物の風だわ】


【あの三人は鍛練中毒だから~】


【三人? ……ああ、ルリ様もですか】


【雷に変わったわ】【雷も凄いですね】


【えっ!? あれは……?】【全て……ですか?】


【流石に……あれは物凄いわね……】


【私の光輪と翼なのに、私より輝いて……】


【ヒスイ、落ち込まないで~】



【アオ、コイツの神以鏡は?】始祖様(コバルト)登場。


「ハク兄さん、まだ執務中なのでは?」


「兄貴が行けって……」【俺が指導する!】


「では、これを。神以鏡・(セイ)です」チリリン♪


【よし! アオ、見本だ。やれ】「はい……」


アオは神以鏡を出し、光に雷を絡めて放った。


【極大にしろ!】言われるがまま――


【お前もアレをやるんだ】「へ?」


【何を呆けてるんだ? 行くぞ!】「はいっ」


始祖様はハクを掴んで消えた。


「ドルマイ様 来ちゃったから、ハク兄にしたんだね~」きゃははっ♪


【予定通りなんだよっ!!】「あ……」



 暫くするとビスマスも来た。


【ハクに付いていても手持無沙汰だ。

アオ、サクラ、手合わせ願おう!

思いっきり来い!】「はいっ!♪」



 そして――


【待った! ひとりずつだ!

なんて奴等だ……ったく!】


アオとサクラ、顔を見合わす。


「思いっきりでいいんですよね?」

アオが進み出た。


【勿論だ! 手加減無用ぞ!】虚勢全開っ!


「では、胸をお借り致します!」マジ全開!


全属性を全力全開で絡めた、ぶっとい光が物凄い勢いでブッ飛んだ!


【滅する気かっ!?!】ゼーハーゼーハー!


「いえ、まさか」手加減無用ですよね?





 皆さん、声も口調は変わっていませんが、

姿は女性です。

あ、ハクとクロは、まんまですがね。


 始祖様と絡むアオとサクラは、なんだかんだ

って楽しそうです。




桜「ゴルチル様、まだかな~♪」


青「キン兄さんが天界にいるから、

  まだ、いらっしゃらないと思うよ」


桜「金虎様って、どぉなるんだろね♪

  工房 行こっ♪」アオを掴んで曲空。



――赤虎工房前。

桜「あの女神様だぁれ?」


青「初めて見るね……でも……」



金【おお、アオ、サクラ。もう来たのか。

  まだ出来ておらぬぞ】


桜「ほえっ!?」

青「そのお姿で、そのお声は……」


桜「やめてよぉ~」にゃはは~


青「どうして若い美人さんなんですか?」


金【ババァが見たいのか?】


青「そうではありませんが……」


金【動き辛いんじゃよ】


桜「って、体ないのにぃ?」


金【不思議とのぅ、有るかの如く

  動き辛いんじゃよ】


青「それで若返ったら美女だった、と?」


金【その通りじゃよ。

  銀虎にもツッコまれたわぃ。

  冗談は程々にせよ、となぁ】


青「でしょうね……」


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