人魔神2-お友達
やっとこさ魔界の神・閻魔様が登場しました。
どんどん増えます、登場人物。
覚えようと頑張らないでください。m(__)m
♯♯ 地下魔界 妖狐王国 ♯♯
天界から地下魔界に戻ったアオは、紫苑と珊瑚に、こちら側の出入口は何処が良いのかを相談した。
「魔神界への道ですからね……
何方でも通ってよい道ではありませんよね」
「でしたら、城の庭にある社はどうかしら?」
「ああ、そうですね」
「ありがとう、紫苑殿、珊瑚殿。
では、神様を連れて来ます」曲空。
そして、魔神界と地下魔界は、異空間を通る道で繋がった。
紫苑と珊瑚に連れられ、魔王の幹部にされていた魔人達が通り、地下魔界へと帰って行った。
神竜も数人いたので、カルサイとドルマイが天界に連れて行った。
「この道は、地下魔界の妖狐王城に繋がっています。
これで闇を持たない者も、魔神界に入る事が出来ますので、この検知竜宝からの報せですぐに対応致します」
「アオ兄~、埋めてきたよ~♪」飛んで来た。
「ありがとうございます。
こちらでも、教えて頂きました光を出せる者を集め、備えます」
「竜の神々のような大きな力は御座いませんが、私共も力を尽くしますので、これから宜しくお願い致します」
「ね~ね~、友達になろ~よぉ」
「えっ?」「ダメェ?」「いえいえっ!」
「いいのっ?♪」「よろしいのですか?」
「決まり~♪ 俺、サクラ」「優鬼です」
「貴女は?♪」「飾鬼……」「友達~♪」
「俺はアオです。
こちらの神はスミレとヒスイです」
「サクラ様……確か新しい魔竜王様も同じ名……」
「もしや……」「ち、違っ――」後退り~
「サクラ、嘘をつくと舌を抜かれるらしいよ」
「え!?」口 押さえてモゴモゴ――
【何 仰ってるのか分からないわ、サクラ王様♪】
スミレとヒスイが愉しげに笑う。
「普段はこうですが、中身はしっかりしていますので」アオも笑う。
「魅力的な王で御座いますね」
「民心を掴む素晴らしい王になりますわ」
優鬼と飾鬼にも笑みが広がった。
アオの千里眼が鳴る。
『アオ~、助けてくれ~』「今度は何ですか?」
『埋もれるぅ~』「今、魔神界なんですけど?」
『えっ!?』「魔物が魔神界に現れたんですよ」
『ウソだろ』「閻魔様とお話しなさいますか?」
『マジかよ』「本当ですので頑張って下さいね」
「それは?」
「千里眼という竜宝です。
天界に居る王太子と話していました」
「そちらも襲撃なのでは?」
「いえ、書類の山と戦っているだけです」
「行けばサボるから行っちゃダメなんだ」
「そちらも魅力的な王に成りそうですね」
♯♯ 天竜王城 ♯♯
ハクがアオに通話を切られて直ぐ、キンが執務室に入って来た。
「兄貴、謁見は終わったのか?」
「コハク王様から、今日は書類が多いからそちらを、と言われてな」
「マジ多いんだよぉ」お手上げ~
「アオを呼んだりしていないだろうな」
「断られたよ。魔神界に行ってるってさ」
「そんな所に……」
「さんざん神様と友達になったから、今度は閻魔様と友達になるんじゃねぇか?」
「既に、なっているのではないか?」フフッ。
「閻魔と……友達に?」
「あ……アサギ王様……」
「起き上がってもよろしいのですか?」
「もう大丈夫だよ。
寝ているのには飽きてしまったのでな。
それで、閻魔がどうしたのだ?」
「アオが魔神界に行っているらしいのです」
「私も人界の任の間に行こうとしたのだが、異間平原より向こうには行けなかった……」
扉を叩く軽やかな音がした。
「失礼します」「やっぱ来てくれたのか♪」
「あの喜んでいる方が、ハク王太子です」
「お目にかかれまして光栄に御座います、ハク様」にっこり。
「こちらがアサギ王、その奥がキン王太子です」
「皆様、はじめまして」深々と礼。
「閻魔様……?」
「はい。優鬼と申します」
「飾鬼で御座います」
「やはり、友達になっていたか……」
「はい。友とお呼び頂き、恐悦至極に御座います」
「じゃ次、祠に行こ~♪」廊下から声。
「あ、サクラも来てるのか?」「なぁに?」
「後で来てくれよぉ。
共通しそうな案件も有るんだ」「ふぅん」
「サクラを巻き込もうとしないでください。
それでは、ごきげんよう」にっこり。
「お♪ アンズ、来ていたのか♪」「あ……」
「アオ――いや、ルリさんも揃って――そちらは?」
「閻魔様をご案内しているのです。
閻魔様、両親です」
「天竜王様、正式な謁見を申し込んでおらず、失礼致しております」
「いえいえ、ようこそ天界に御越しくださいました」にこにこ。
「ねぇ、アンズさん。
ルリさんは、アオの中にいらっしゃるのよねぇ?
アンズさんは生きていらっしゃるの?」
「はい。私は生き――」「コイツはサクラだ」
「あ~っ!!」「閻魔様の御前で嘘はつけん」
「サクラ……なの? どうして……」
ため息……「これは技なのです」また、ため息。
「母上、俺は この技をルリの為に会得しましたが、サクラは登城の為に会得したのです。
人界の任の間は、自由に入れませんので」
(アオ兄、舌 抜かれちゃうよ?)
(信じたの?)
「本当に、あなた達って器用なのねぇ」
「母上の子ですので」にっこり。
「そうね♪ 私の子ですもの♪」にこにこ♪
「それでは父上、母上、また後程。
閻魔様、次に参りましょう」
「アオ、次はどちらに?」
「祠にいらっしゃいます神々とお会いし、その後、長老の山に向かいます」
「そう。閻魔様、どうぞ天界をお楽しみくださいませ」にこっ。
(あ……母上が、ちゃんと挨拶してる)
(そうだね)
「王妃様、ありがとうございます。
改めまして参りますので、宜しくお願い致します」
(あちこち訪問して覚えたんだね)
(そっか~)
アオ達は移動した。
「アサギ様、御復帰ですか♪」
「父上、楽になると思っています?」
「いや、そんな事は――」「考えていますね?」
「ハク、キン……俺の事を誤解していないか?」
「おそらく誤解しておりません」
「誤解してるとしたら、普段の行いが悪過ぎるんだよなっ」
「おいおい、アサギ様の御前で……」
「どうやら、ギンとハクは色だけでなく、性格もよく似ているようだな」
父子、顔を見合わせる。
「アサギ様ぁ」声、揃う。
執務室は愉しげな笑い声で満ちた。
「それで、アオとサクラの、新しいお友達のお家はどちらなの?」
「おい、閻魔様が何方なのか知らずに挨拶していたのか?」
「ええ、とにかくお客様ですので……
ねぇ、教えてくださらないかしら?」
「母上、閻魔様は魔界の神様なのですよ」
「あら、神様なの? 神様とお友達なのね……
それは素敵な事ね♪」
「既に竜の神々とはご縁を頂いておりますので、魔界でも交友を広めたようです」
「神様でも、そうでなくても、お友達が多い事は良い事ですわ♪」
「そうだな。流石、王妃だ。
確かに平和の基盤だな」アサギが微笑む。
いや、きっとそこまで考えてないない。
夫と息子達は、そう思っていた。
始【クロ、また鍛えてやる】
黒「あ、始祖様……」
始【何やってんだ? 数学?
まだ学校を出ていなかったのか?】
黒「学校は出たんですけど……」
姫「あまりに出来が悪ぅ御座いますので
勉強しておるので御座いまする」
始【嫁に習っているのか……】
黒「嫁……」にへら~♪
姫「クロ! ニヤケておる場合かっ!」ぽかっ。
始【情けない奴だな……】
姫「始祖様、ご指導お願い致しまする」
始【いや……俺は――】
黒「始祖様? まさか……オレと同じ?」
始【なワケないだろっ!
用を思い出しただけだっ!
神は忙しいのだっ!!】
姫「消えてしまわれたのぅ……」
黒「だな……」
姫「クロはボケッとしておる場合ではないぞ!
さ、解くのじゃ!」
黒「ちったぁ優しくしてくれよぉ」
姫「問答無用じゃ!」
黒「ゲ……」




