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三界奇譚  作者: みや凜
第四章 魔界編
301/429

竜王族7-男だけを操る呪

 キン、ハク抜きで深魔界に入ってしまいました。


♯♯ 深魔界 拠点 ♯♯


 アオはアカとフジを連れて、闇で覆われた拠点がよく見える場所に曲空した。


(アカ、フジ、ここで神竜様方を護ってくれるかい?)


(はい)(ん……)


金虎がアオから出た。

(金虎様、如何ですか?)


【何とも無いわい】



(アオ兄、使っていいって~♪)

サクラが勝闇(ショウアン)の壺を持って戻った。


(なら、試そう)(勝闇、お願いねっ)曲空。



――建物の外、勝輝(ショウキ)の壺の側に出た。

(うん。外結界は越えたね)


(勝輝、どぉ? ぜ~んぶ吸える?)


【私は大丈夫に御座います。

が、いくらでも湧いて参ります】


(どこに源があるんだろ……)サクラが探る。


【建物、中央付近が最も濃く御座います】


(ありがと♪ 勝輝♪)



(アオ! サクラ!)(姫、どうした!?)

(紫苑とクロを出せるか?)(やってみるね)


(ルリ、出来るかい?)(任せろ)


ルリが二人の気を探し、掌握を発動した。


(掴んだ! 出すぞ! すぐ浄化だ!!)


気絶しているクロと紫苑が引き出された。

即座にアオとルリが浄化を始める。


(姫、何があったんだい?)


(操られておる。気付けば厄介じゃ)


(姫も気を付けて)(オナゴは大丈夫じゃ♪)


(アオ様、サクラ様、入らぬよう願います!)


(解ったよ、珊瑚殿)

(勝輝、この闇 気を付けてね)【はい】


(アオ兄、見つけたよ!)


(さっきの、聞こえてたよね?)


(うんっ)女姿(アンズ)になり曲空。(だいじょぶ~♪)


 クロと紫苑殿の、この打撲は……

 この二人が気絶する程も……


 女性には逆らうべからず。


そう心に刻んだアオだった。


【アオ、その二人を結界外に出せ。

儂が浄化致そう】


(はい。ありがとうございます、金虎様)

(ルリ、頼んだよ)(うむ)



(中の光拒絶 解除したよ~♪)

アンズ(サクラ)が魔宝を二つ持って出て来た。


(外の結界魔宝は、まだ見つかんないけど、中は だいじょぶだからねっ)


(その玉は?)


闇呼珠(アンコダマ)だって~)いいこいいこ♪


(金虎様が外にいらっしゃる。

浄化して頂くから貸せ)(はい♪ ルリ姉♪)

ルリが受け取り、金虎に渡した。


アオが女姿(ルリ)になり、

(行くぞ、サクラ)(勝闇、頼んだよ)曲空。



――拠点内。


 桜華、珊瑚、姫が巨大な闇の塊と対峙していた。


(魔王だね)(闇で見えないけど、間違いないね)


闇が次第に晴れていく。


(勝輝、魔王を覆う闇には、何か混ざってるよ。

吸い込んじゃダメだよ)


【ありがとうございます、我等が王】


(あ♪ 勝輝が認めてくれた~♪)【いえっ……】

(嬉しいね、サクラ)(うんっ♪)【あのっ……】

(嬉しいんだからぁ~♪)【申し訳ございま――】

(なんで謝るのっ)【え……】(喜んでるのにぃ)

(大歓迎だよ)(ね~っ♪)【有難き幸せに――】

(泣かなくていいから~)(そうだよ)【王……】


ルリ(アオ)アンズ(サクラ)は、間髪無く攻撃し、曲空を繰り返しながら話していた。


【何故、光が使える!?】


「さてね。使えなくしていたのかい?」


【その声……まさか!】


「気で分からないのかい?」


【闇が……消える……もしや!】


「少しは考えるという事を覚えるんだな!」

ルリ(アオ)アンズ(サクラ)は神以鏡から光を放った。


魔王を覆い、立ち込めていた闇が消える。


続けて放った光と同時に、御札が飛んだ。


露となった闇黒の竜を御札が包み、紋様のような文字が浮き出て輝いた。


絶叫が、耳を塞いでも頭に響く。


御札が弾け、中から無数の闇黒の塊が飛び出し、散った。


闇黒の塊は、各々小さな闇黒竜になる。


(欠片だね)(いっぱい出たね~♪)

(姫、おもいっきり放水して!)

(桜華様、珊瑚さん、御札お願い!)


ルリ(アオ)が竜体になり、三人を乗せ、

(三人に展開!)

光を放ちながら回転した。


闇黒竜に御札が貼り付き、神聖光輝が降り注ぐ。


アンズ(サクラ)も竜体になり、浄禍器を構え、力が落ちた闇黒竜を次々と捕まえていった。


(静かになりましたね)(気配も無いわ)

(終わったよぅじゃな)(おっしま~い♪)


(本体には逃げられたな)

(易々とは捕まらないよね)


(アオ兄、ルリ姉、こっち!)引っ張られた。



――真っ暗な空間。


(ここも隠し部屋?)光の球を浮かせる。


魔人達が眠らされていた。


(既に運び込んでいたんだね)


(闇は残ってなさそうだね~)


(まだ着ける前なのかな?)


(狐の社で確かめて、帰すわ)

桜華と珊瑚が現れ、魔人達を念網で包み始めた。


(あ♪)サクラが一瞬 消えた。

(結界魔宝、見~つけたっ♪)解除♪


(もぅ出てもよいのか?)(いいよ~♪)



――拠点の外。


「クロ! 大事無いか?」駆け寄る。


クロ、逃げる。


「何故、逃げるのじゃ!?」姫、追う。


クロはフジを盾にした。


「クロ……何をしておるのじゃ?」ぱちくり。


「分からねぇ……体が勝手に……」


紫苑も駆けて来た。


「何処に行くのじゃ!?」


無言で通り過ぎて行った。


桜華と珊瑚が姫に並んだ。


「どうしたのかしらね♪」うふふっ♪


「原因は母様かと――」「珊瑚、なぁに?」

「いえ、何も……」



(アオ兄、深魔界に入っちゃったね~

どんどん進む?)


(後戻りは出来ないね)


(真魔界に辿り着く前に、拠点がカナリあるハズだけど、兵士は足りているのかなぁ……?)


(全てに配置出来る程は居ないと思うよ。

先ずは検知竜宝を配備しよう)


アオとサクラは頷き合い、この場は任せて天界に向かった。



♯♯♯♯♯♯



 地下魔界に検知竜宝を配備した後、サクラは外周の祠を整える続きをし、アオは星輝の祠に向かった。


「ゴルチル様、遅くなりまして申し訳ございません」


【戦っていたのは察知している。

気にせずともよい】


「金虎様を向かわせて頂いたのは――」


【気にするな。始めるぞ】


「ありがとうございます」


奥に向かった。


【この二人は、竜の血族だという事すら知っていなかった。

これ以上、戦いに巻き込む事は出来ぬ】


人姿のアオと同じ姿の男が二人、戸惑いと動揺の眼差しをアオに向けた。


ゴルチルが魔法円を二つ出し、一方にアオを、もう一方に二人を立たせた。


【アオ、写し身を持っているのか。

そこに入ってしまわぬよう、貸せ】


キュルリを背後の台に乗せ、

【おとなしく するのだぞ】きゅるる~♪


ゴルチルが術を唱えると、二人から青い光がアオへと飛んだ。


男達の姿が戻る。


【先程 話した通りだ。

暫くは、こちらで暮らして貰う。

家族に会いたくば連れて来る。よいな】


男達は神竜に先導され、部屋に戻った。


「ゴルチル様、因子の採取や植付けなどは容易い事なのですか?」


【大神であれば容易き事だ】


「では、魔王は大神なのですか?」


【元となった神は間違いなく大神だ。

長きに渡り倒せなかった事からも解るであろう?】


「そうですね……

かなりな大神だったのですね……」


【そうと判っても行くのであろう?】


「はい!」

 出来る事なら呪縛から解き、

 神にお戻り頂きたい……


【その心に報いたいものだな……】呟いた。


 あ……通じてしまうんだった……


【この戦の結末は、神であろうとも見えぬ。

如何な結果になろうが終わらせるぞ】


「はい!」平和を齎す為に!


決意を新たにした瞳を見て、ゴルチルは微笑んだ。





黒「オレならいいのかよっ!」


凜「うん」


黒「いーかけんにしろっ!

  いつもいつもオレばっか弄りやがって!

 『ぱられる』もオレだけっ!

  なんでだよおっ!?」


凜「ハクとクロならいいかな~と、ね♪」


黒「『ね♪』じゃねぇっ!」


凜「アオ、相殺お願いっ♪」


青「え?」


凜「サクラも♪」


桜「ん?」


青「また、何をしたんだ? クロ」


黒「オレかよっ!?」


 すぽっ♪


黒「ゲッ……サクラ!!」


桜「暴れる前に~♪」


黒「出せっ! サクラん坊!」


桜「あっかんべ~♪」


凜「ありがと♪ サクラ♪」


桜「アオ兄♪ 行こっ♪」


青「クロ、後でな」


黒「アオ~、出してくれよぉ」


青「うん、後でね」曲空。

 (凜がいなくなったら教えて)


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