涅魁東8-御紅守
術技やら竜宝・魔宝やら、やたらと漢字が並びます。
カッコいい感じのカタカナで読んだ方が良いだろうな~とは思いますが、
私の頭では、きっと行き詰まるので、まんま読みます。m(__)m
その夜、アオとサクラが、雪希に治癒の光を当て続けていると、背後に禍々しい気を感じた。
(サクラ、同時に極大だ!)(せ~のっ!)
半身出ていた魔物が、闇の穴もろとも光に包まれ、消え去った。
(とうとう家の中にまで――)(――ヤバいね)
(フジの方は大丈夫そうだけど……)
(声だけ かけとけば、警戒してくれるよねっ)
(そうだね)
(フジ兄、そっち だいじょぶ?)
(何か有りましたか?)
(聞いてみただけ~ 何かあったら言ってね)
(そうですか。分かりました)
(サクラ、明日、交替したら船を見に行こう)
(そぉだね~
船に必要な竜宝、増えてたら探さないといけないもんね~)
♯♯♯♯♯♯
夜が明け、ハクが曲空して来た。
(ハク兄、夜中、ここに闇の穴 開いたから、気をつけてね)
(俺達、船の様子を見に行きます)
(解った。
紫苑と珊瑚が戻ったら、仁佳に進むって、クロと姫様が言ってたぞ)
(放ったらかしで、すみません)
(まぁ、二人で仲良くしてるから、放っとけばいいんじゃねぇか?)ニヤニヤ
(ハク兄、邪魔しちゃダメだよぉ)
(してねぇよっ!
くノ一達も散ったから、アイツら二人っきりで、ずっと額くっつけてるよ)
(その言い方は……)苦笑い。
(気を調整してるだけなのに……ねぇ)
(ハク兄、ミカンさんに会いたいんだよ~)
(ああ、そうだね。寂しいんだね)
(かわいそ~)
(船を見に行ってもらうかい?)
(でも、ハク兄じゃ、竜宝 探せないよ)
(お前ら、何 話してんだよ!)
二人、ハクを見る。
(何だよ! 不憫そうに見るなっ!)
♯♯ 天界 ♯♯
長老の山の鍛練場に行くと、魔界用の方舟は完成したらしく、無くなっていた。
「爽蛇、人界用の船は、どうだい?」
「アオ様♪ もうすぐ仕上がりますよ」
「ネイカさん、足りない竜宝ある?」
「必要な物は揃っていました。
おかげさまで、早く仕上がりそうです」
「本当に、次々とお願いして、すみません。
いつも素晴らしい物をありがとうございます」
「いえ、そんな……作る事が好きですから、楽しく作っていますよ。
午後には試運転しますね」
「これは なぁに? 樽?」
「樽に、人の皮膚と同じ素材を貼ってございます。
樽の中には、体液と同じ成分の液を入れております」
「あとは、魔宝をいくつか入れています。
試運転で、人の代わりに乗せるんです」
「じゃ、明日には、人 運べる?」
「そうですね……たぶん……」
「試運転次第ですよね。
今夜、もう一度 来てもいいですか?」
「はい。もしかしたら、他の竜宝が必要かもしれませんので、お願いします。
あっ、これを――」
「ありがと♪ クロ兄とフジ兄に渡すねっ」
「サクラ、それは?」
「御守~♪」
赤い石で出来た三日月形の飾りを見せた。
♯♯♯
アオとサクラは鍛練場から離れた。
(サクラ、さっきの御守って――)
(うん。御紅守って魔宝だよ。
紅守閃鉱って石で出来てるの。
たぶんコレの おかげで、ウェイミンさん達は傀儡にならずにすんだんだと思うんだ。
三人ともコレの耳飾りしてるでしょ?
きっと、リジュンさんが渡してたんだよ)
(そういえば、赤い耳飾りをしてるね。
ホウ君は片耳だけにしているよね)
(片方だけだから、効果が弱くて、助けた時、瀕死になったんだと思うよ。
――って、全部 想像だけどねっ)
(それで合っていると思うよ。
だからネイカさんは、それを作ってくれたんだろ?)
(たぶんね~)
(サクラ、これから どうしたい?
すぐ渡しに行くかい? 蔵に行くかい?)
(アカ兄トコ行こ♪)
(ああ、そうか。頼んでいたんだね?)
(うん♪ こないだネイカさんから御守 四つ もらった時に頼んだんだ♪
さっき、できたって~♪)
(アカって、本当に凄いよね)
(だよねっ♪ じゃあ、せ~のっ♪)
♯♯♯
アカから二組の腕輪を貰い、キンに ひとつ渡して、長老の山に戻った。
「ボタンさん、コレ、キン兄とお揃い♪」
「キン兄さんと心で話せます」
話し始めたらしく、楽しそうに表情が変わる。
「ミカンさんもコレ~♪」
「今から、ハク兄さんに渡しますので」
「じゃ♪ アオ兄、行こっ♪」(せ~のっ♪)
♯♯♯
空龍の家に戻る。
「ハク兄の分ねっ」
「ミカンさんには渡しましたので」
フジとリリスが帰って来た。
「フジ兄、コレ、ネイカさんから~♪
腕輪に つけといてね。リリスさんとお揃い♪」
「あ……はい。ありがとうございます」
「私は姫様から頂いたの。御守だって♪」
「ハク兄の御守は埋め込んでるからね~」
「もう聞いてなさそうだよ」
「ミカンさんとお話し中だね~♪」
「じゃあ、クロに御守を渡そうか」
「そぉだね~♪」(せ~のっ)
「消えちゃった……」
「あれは、移動技なんです」
「昼間は目立つから飛ばないんだっけ……」
♯♯♯
アオとサクラは馬車の側に移動し、中の気を確かめ、幌を開けた。
(クロ兄、姫 だいじょぶなの?)
(疲れて眠っただけだ)
(一応、診ておくね)
(アオ、悪ぃな)
(うん。疲れてるだけだね)光を当てる。
(アオ、次は仁佳の国でいいか?)
(紫苑殿と珊瑚殿が行きたがっているからね。
俺も戦を終わらせたい。
だから、そこにしよう)
(クロ兄、姫の気、どぉ?)
(剣に即溜め出来るようになった)
(ふぅん……見ていい?)
(ん? ああ、そうしてくれ)
(そんな顔しなくてもぉ、額くっつけたりしないよ~)
(どんな顔だよっ!)
(凄~~~く、嫌そうな顔)アオとサクラ。
(アオまでっ!)真っ赤 !
(っせーぞ、お前らっ! 早く やれよっ!)
サクラは姫の額に手を翳した。
(基底状態でコレなら、剣で竜を喚べるかも)
サクラはアオにだけ、そう伝えた。
(クロ兄、姫 起きたら、ちょっと試していい?)
(何をだ?)
(手合わせ♪ クロ兄、やってないでしょ?)
(心配なら、二対二でもいいよ)
(アオとサクラが組んだら勝てねぇよ)
(なんで、その組み合わせって決めてるのぉ?)
(あ……)更に真っ赤。 (っせーっっ!!)
(でも、『風』対『光』で やるのもいいかもね)
(アオ、水は? 使わねぇのか?)
(いいよ、光だけで。
姫は、火も自由に使っていいからね)
(クロ兄だけ、竜になってもいいよ~)
(それだけで、お前らと姫との差が埋まるワケねぇだろっ!)
(まぁ、手合わせだから、そのくらいで)
(そっか……ま、やってみるか)
(じゃ、姫 待ちねっ♪)
(アオ兄、姫に属性技 使わせたいから――)
アオとサクラは、こそこそ話し続けた。
凜「そういえば、アオは髪を青くしないの?」
青「今更だからね」
凜「できるんだよね?」
青「うん。できるけどね」
凜「一瞬やってよ~」
青「嫌だよ」
凜「実は、できないんでしょ?」
青「そんなのに乗りたくはないけどね」
一瞬だけ青くした。
凜「キレイ! 青髪でいこ~♪」
青「いかないからね」
空白文字がズレるんですよね~
それでも、大陸東部です。
ハザマの リリスの家
:森: │ネカイ °┃
∵ └┐涅魁 ┃
カグネ ├────┨
伽虞禰 │イムロ×┃←港
┌─┤伊牟呂 ┃
│ロマニ┬───┨
───┤魯茉丹│ニカ ┃
└───┘仁佳 ┃
帝都◎ ┃
馬車は ×→◎ に進みます




