表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三界奇譚  作者: みや凜
第二章 航海編
133/429

入港直前-船上の宴

 『おまけ』の『おまけ』です。

 今回、本文全てが『後書き』です。


♯♯ 航海編あらすじ ♯♯


 砂漠を平和に戻したアオ達が、次に向かうハザマの森は、海を越えた大陸にある為、中の国が手配した船に乗り、海に出た。

姫の くノ一達が操船し、砂漠の街で出会った踊り子が航海士となり、船を進めた。


 魔獣化した旗魚と蛸に襲われ、命の危機から脱したアオは、少しだけ記憶を取り戻していた。

 十左とも再会し、喜んでいた時、魔鯨に襲われ、大破した船を修理する為に上陸した島に閉じ込められてしまう。


 島には、聖霊を囚り込んだ魔物が巣くっており、その魔物を浄化する為、聖霊が欲している歌舞により戦った。

 また、その島には、漂着した男が住んでいた。

その男は、踊り子の父親であった。

天竜王子達は、この父娘から、互いの先祖の交流の物語を聞いた。


 航海に戻った船は、再び現れた馬頭鬼に因る大渦や、湧き出る海藻に襲われた。

 その後、海上で発見した遭難船には、魔犬の子供が繋がれており、その首輪となっていたのが、砂漠で馬頭鬼が使っていた竜血環であった。

その竜血環は、更に凶悪化されており、触れた者を魔獣化し、支配する物になっていた。


 竜血環に因り魔獣化した者達が、天竜王国と船を同時に攻め込み、

偽王に依る『召集に応じなければ死罪』という(めい)が発せられ、アオを天界に向かわせる為、アオの力と記憶は解放された。



――――――



黒「纏めると、たった こんだけなのか……」


藤「纏め過ぎではありませんか?

  航海編は82話も有るのですよ?」


凜「その分、語ってもらうつもりよ♪」


桜「すっごく長~い『後書き』だねっ♪」


凜「その通り♪

  まずは、なんてったって恋バナよね♪

  クロは、姫に婿候補として狙われてたのに、

  何で島の厨で壁ドンしたの?」


黒「んな事、知らなかったし!

  まさか、ああなるとは……」


桜「でも、それで良かったんでしょ?

  クロ兄も姫のこと好きなんだから~♪」


黒「黙れっ! サクラ!」


青「そろそろ、素直に認めたらどうだい?」


黒「アオまでぇ」


白「じゃ、アレは何だったんだ?」ニヤニヤ


黒「アレ……???」


白「ほら、さっき そこで――」左舷を指す。


黒「えっ!? いや、それはっ! 違っ!!」


姫「何を騒いでおるのじゃ?」


白「ほら、クロ、はっきりさせようぜ♪」


桜「あ、逃げちゃった~」

青「姫、追いかけた方がいいよ」


姫「然様か? ならば……

  クロ~、如何したのじゃ~?」


凜「主役が行っちゃった……

  認めた方が幸せなのにねぇ、フジ♪」


藤「えっ?  ……あの…………はい……」真っ赤。


白「なぁ、アオ、フジは いつからだったんだ?」


青「そうですね……最初に、リリスさんを

  砂漠の街に迎えに行った時ですね。

  皆と森で合流して降ろした時に、

  リリスさんが、フジの鼻先を撫でて、

  『美しい竜さん、ありがとう』って……

  あの時だよね? フジ」


藤「…………」更に赤面。

 俯いたんだか、頷いたんだか……


白「そっか、一目惚れか~♪」


青「ハク兄さんは、いつ気づいたんです?」


白「翁亀様から話を聞いてたら、

  フジが来たんだが、雰囲気が な~んか

  違っててな♪ こりゃ、恋だなって♪」


藤「兄様方は、そんなにも……すぐに……」


金「分かり易かったからな」


藤「キン兄様まで……」


金「フジが自覚する迄、見守るつもりであったが、

  竜である事も伝えられず、苦しめる事に

  なってしまい、申し訳なく思う」


桜「みんなで伝えよぉねっ、フジ兄♪」


青「この後、空龍さんとリリスさんを

  送るのは、どうするんだい?

  まだ隠しておくんだよね?」


白「よしっ! 作戦 練ろうぜっ♪」頭を寄せる。


凜「キン様、皆さん 向こう向いちゃったので、

  キン様はボタンさんとは?」


金「修学の時に知り合った。それだけだ」


凜「それだけって……

  とにかく、同級生なんですね?」


金「修学は、一般の高等学校にて学ぶものだが、

  一般では15人歳で入学するが、

  王族は10人歳から入学可能となる為、

  私は達して直ぐ入学したのだ」


凜「10人歳で……お姉さんを……」


金「天界年では100歳だ。十分であろう。

  それに、ハクも同様だ。

  この話は、フジを説得する代わりに、

  語らなくてもよくなったのでは

  なかったか?」


凜「そうでした……じゃ、アカ♪

  ……あ……いつの間にか、あっちの輪に……」


金「アカとワカナ殿の事は、全く知らない。

  これからワカナ殿に聞けばいい」


凜「ありがとうございます♪

  そのようにさせて頂きます~♪

  では、リリィホワイト様と矢太少年の

  お話について、お聞かせ願えますか?」


金「大婆様の御祖母リリィホワイト様が、

  御即位前に、人界にて矢太少年と共に、

  髪飾りを探して旅をした話を、

  矢太少年の御子孫方々が、長きに渡り

  語り伝えてくださったのだ」


凜「そのお話を、空龍さんとリリスさんから

  伺ったんですよね?」


金「そうだ。互いの子孫が出会った奇跡と、

  連綿と語り継いでくださった事に対する

  感謝を込めて、その全てを書き留めた

  原稿が完成した所だ」


姫「出版の手筈は整ぅておるぞ♪」


金「静香殿、ありがとうございます」

凜「姫様、お帰りなさいませ」


姫「クロは、何処ぞに曲空してしもぅたぞ」


金「逃げたのだな?

  ならば、いくらでも書いてやってください」


凜「ありがとうございます♪♪♪

  では、次は、剣のお話を――」


 んじゃ、それで決まりだっ♪

 クロに伝えます。でも、覚えられるかなぁ……

 だいじょぶ~ 俺が ついてるからっ♪

 頼んだよ。一番 重要なんだからね。

 うんっ♪


 わらわら戻って来た。


桜「姫♪ 『俺』してねっ♪」


姫「何の事じゃ?」


白「この後、リリスさん達、見送る時だよ。

  協力してくれるんだろ? なっ♪」


姫「まさか……あのカツラを被るのか!?」


桜「声が大きいよぉ。

  キン兄とアカ兄にはムリだからぁ。

  お願いねっ♪」


姫「うっ……」


赤「剣の話は……?」ボソッ


凜「それです! アオの剣、蒼牙(ソウガ)

  欠片から再生したんですよね?」


赤「うむ」


凜「欠片は、どこに有ったんですか?」


金「私が、東の国で拾ったのだ。

  蒼牙は、強い気を持った剣であったので、

  誰かが御守にしていたらしい」


凜「今後、他の欠片が見つかったら、

  それぞれ、蒼牙を作るんですか?」


赤「いや、再生蒼牙に重ねていく。

  そうすれば更に強くなる」


凜「姫の朱鳳(アケミトリ)は?」


赤「それは、既に別の剣だ。

  朱牙(シュガ)鳳雅(ホウガ)が見つかれば、各々再生する」


凜「華雅(カガ)三眼(サンガン)四眼(シガン)は、サクラが持つの?」


桜「うん♪ アオ兄、復活したから~♪」


凜「三眼の玉は?」


桜「あと少しだよ。最後の大玉が入ったら、

  残りは、三眼が引き寄せてくれるはず~」


凜「四眼の魂がサクラの中に居たって事は、

  サクラには、本体の在処(ありか)が判ってたの?」


桜「知ってたけど……アオ兄の封印、

  まだ解きたくなかったから……

  俺自身の力 使わないと、魂 返せないから……

  俺が魔王の標的になったら、

  アオ兄を護れないでしょ……だから……」


青「サクラ、ありがとう。

  サクラとヒスイ様、スミレ様の行動は、

  全て俺を護る為だったんです」よしよし


凜「封印、解けちゃったけど大丈夫?」


桜「それは、時の流れに乗っちゃったから

  仕方ないってヒスイが言ってた……

  でも、俺のも ほとんど解いてもらったから、

  これから全力で護るからねっ」


金「サクラだけではない。

  兄弟、皆で護るのだ」


白「当然だっ。

  アオ、負い目も、引け目も要らねぇ。

  誰が狙われても同じなんだからなっ」


藤「そうですよ、アオ兄様。

  ひとりで背負わなくていいと仰ったのは、

  アオ兄様ですからね。

  私達にも協力させてくださいね」


赤「サクラもだ。ひとりで背負うな」


姫「兄弟だけではない。

  ワラワ達、仲間も()るぞ」


 紫苑、珊瑚、慎玄、爽蛇が力強く頷く。


青「皆……ありがとう……すまない……」


黒「その『すまない』が余計なんだよっ」


全「あ……クロ……」


白「じゃ、話 戻すかっ♪」


黒「やべっ!」曲空!


姫「また消えおった……

  何なのじゃ? アヤツは」


リ「皆さ~ん♪ 次のお料理ですよ~♪」


凜「皆さん、ありがとうございました~♪

  宴 真っ最中の船上から、以上です」ぺこり





 くノ一さん達の事も書きたかったけどな~

次章からは、『おまけ』を挟みながら

進めるつもりです。

島では、キンとハクだけでなく、

各々思いに耽っていましたから。

ただ、一度に出すと多いし、

ネタバレになりますので、小出しにします。



凜「サクラ、どうしたの?」


桜「なんか……アオ兄、元気ない……」


凜「そうねぇ……なんだか別の影

  背負っちゃったみたいね……」


桜「ずっとなんだ……俺が生まれる前のコト

  だから、知らなくていいって……」


凜「サクラには話してもいいと思うのにね」


桜「きっと……俺じゃダメなんだ……」


凜「サクラまで暗くなっちゃダメでしょっ」


金「そうだ。サクラが傍に居るだけで

  アオは救われる。

  これは、サクラにしか出来ぬ事だ。

  支えてやって欲しい」


桜「キン兄……」


凜「元気出してっ!

  サクラが元気じゃないと

  全てが沈んじゃうでしょっ」


白「ほら、行けっ!」


 ひとり垣立にもたれて海を見ているアオに

向かって、ハクはサクラを突き飛ばした。


桜「わわわわわっ!」ばふっ!


青「サクラ? どうしたんだい?」


桜「え……と、おんぶ~♪」きゃはっ♪


青「うん」くすっ♪




金「ハク、知っていたのか?」


白「なんだか知らねぇけど、

  サクラはアオに くっついてたいんだろ?」


金「そうか」フッ……




青「サクラ……ありがとう」


桜「ん……」ぎゅうっ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ