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三界奇譚  作者: みや凜
第一章 竜ヶ島編
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砂漠へ2-内緒

 蛟が言っていた『竜の国の道具』の総称は、『竜宝(リュウホウ)』というものです。

賽子(さいころ)みたいな木片』の名前も、いずれ出ます。


 登ったり、下ったり、迂回したり――

塊になって連なっている山々をひた走り、アオ達は、やっと、傾斜が緩やかな森に達した。


「もうすぐ平坦な地に出ます」錫杖で示す。


「すぐに砂漠とやらなのか?」わくわく♪


「近うは御座いますが、行商人の拠点となっております村に立ち寄るのは如何で御座いましょう?」


「村か♪ それは楽しみじゃ♪」


姫は元気に弾んで行った。


 本当に疲れ知らずだよな。

 おや? この気――


見回すと、煌めきが木々に見え隠れしている。


 あの色は……間違いなさそうだ。

 俺達を護衛してくれているのかな?


煌めきは、アオ達とは一定の距離を保って、ずっと付いて来ていた。




 陽が暮れ――


「今夜は、こちらで如何でございますか?」


蛟の提案に、皆 同意し、野営の支度が始まった。



 蛟が、ひとりで大丈夫だと(くりや)に籠ったので、慎玄と陰陽師達は、術の練習をするからと森に入って行った。


 あれ? 姫様は何処だ?

 小屋に入ったのかな?


 それなら――


アオは森に入った。



♯♯♯



 あ、やっぱり まだ居た。


「サクラ……」


大木の向こうの仄かな桜色の光がピクリとした。


同時に、アオも、自身の言葉に驚き、立ち止まった。


 俺……今――


自分の名が浮かんだ時と同様に、自然と浮かんだ名を呼んでしまったのだ。


(見つかっちゃった~♪ アオ兄、乗って♪)


「え……?」


(俺、心で話せるんだ。乗って♪)



 アオは桜色の竜の背に乗った。


(空に行くよっ♪)


一瞬で、雲の上に居た。

サクラは、ゆっくり飛び始めた。


「どうやったんだい?」


「ちょっとね~♪

 ナイショで来ちゃったから~♪」きゃはっ♪


「内緒って……護衛ではなかったのかい?」


「違うよ~。

 アオ兄とお話ししたくて来たんだよ♪」


「どうして、内緒……?」


「俺、戦力外だも~ん。

『洞窟でおとなしくしてろ』って、いつも言われてるんだ」


「この前は、空から来たよね」


「うん♪ 空を散歩してた~♪」


「俺、この前は、名が浮かばなかったのに……どうして、さっきは出てきたんだろう……」


「わっかんな~い♪ でも、嬉し~い~♪」


 サクラの気……やはり、俺は知っている。

 こうして触れて、確信したよ。


 思い出せない記憶の彼方だけではなくて、

 ずっと十左の家で感じていた、あの気だ。


 優しくて、悲しそうな……

 でも、決意に満ちた気――


「サクラ、東の国に……俺が住んでいた所にも来ていたのかい?」


「それも わっかんな~い♪」きゃははっ♪


「どうして?」


「俺、寝てたら どっか行っちゃうから~♪

 よく、朝 起きたら、誰か兄貴の布団なんだ。

 ハク兄かクロ兄の布団だと『邪魔だ!』って蹴っ飛ばされちゃう~。

 そっくり乱暴なの~」きゃははっ♪


「俺の布団に居た覚えは無いんだけど……」


「うん♪

 人界来てから、アオ兄の布団で起きたコトな~い♪

 でも、知らない外で起きたコトなら、たっくさんあ~る♪」


「そんな時は、どうやって帰るんだい?」


「さっき、やったヤツ~♪ こう!」


陸地の上を飛んでいた筈なのに、下には海が広がっていた。


「こんな事ができるんだね。

それなのに戦力外なのかい?」


「うん♪」(俺……戦はムリなんだ……)


(サクラ……何を隠しているんだい?)


「なんにも~。

 俺、コドモだから弱いだけ~。

 でも、俺と会ったのはナイショにしといてね。

 アオ兄、おねがいっ」


「うん。内緒にしておくよ」


「ありがと♪ アオ兄、大好き~♪」


「ありがとう、サクラ」


「ん? なんで?」


「何か……あたたかい何かが伝わったから……かな?」


「や~んっ」照れたらしい。


「サクラ、また来てくれるかい?」


「もっちろ~ん♪」


「内緒なら、そろそろ戻らないと。

 蛟が心配するからね」


「あ……そぉだね~。ナイショだもんねっ。

 帰るからねっ」


一瞬で、森の中――


(じゃあアオ兄、またねっ♪)


(まだ、ここに居るの?)


(いよぉかな~♪)


(魔物に気をつけてね)


(うん♪ 魔物 出たら、逃げる~♪)


(それがいい)ぽふぽふ。



♯♯♯♯♯♯



 夜中に、アオは そっと小屋を出、再び森に入った。


 あれ? ……姫様?

 思わず身を隠してしまったけど――


姫は音を立てないよう、しかし、急いで小屋に戻って行った。


 姫様も女性なんだから聞けないよな。


アオは森の奥に進んだ。




(あ♪ アオ兄~♪)


(やっぱり、まだ居たんだね。

 帰らないと、キン兄さんが心配するよ)


(だいじょぶ~♪

 キン兄だけ言って来た~♪

 でも、他の兄貴にはナイショ~♪)


(小屋に来るかい?)


(アオ兄、ひとりなの?)


(うん。今夜は、蛟は細工するから、って別の小屋に居るんだ)


(じゃ、行く~♪)


サクラは人姿になると、ぴょんと跳んで、アオに抱きついた。


一瞬の浮遊感の後には、小屋の中だった。


(サクラは凄いね)


(アオ兄も、思い出したらできるよ♪

 でも、ムリしちゃダメなんだよ。

 それ、封印なんだからね。

 ちゃんと、術で解かなきゃダメなんだからね)


(サクラ……ちゃんと教えてくれないか?)


(これ以上は知らないも~ん。

 キン兄が、そぉ言ってただけなんだも~ん)



 ひと晩、話したが、特に何も聞き出せないまま、空が白み始め、サクラは帰った。



♯♯♯♯♯♯



 そして、陽が昇り――


 明日には砂ばかりの地か……

 川はもう、暫く見ないのかもしれないな。


アオが竹筒に水を汲んでいると、少し下流で水音がする。



 見ると――


 陰陽姫殿と……熊!?


急いで駆け寄ると、

「式神に、夕食の魚を獲って貰っております」

涼しげに言い、アオの方を向いた。


 ん? 砂漠は、すぐそこなのに着替えたのか?


「もうすぐですから、洗濯しているのです」

にっこり。






 アクセス数を見ることができるの!?


 まだまだ手探りな投稿当時の私にとっては

大発見でした!


 そして、自分が管理したいだけなんだから、

ひっそりとでいい。

きっと気づく方なんて居やしない。

そう、思っていたのに――


 こんなにも!?


でした。驚きました。


 全部、自分じゃないのか?


と、慌てて計測方法を読みました。

でも、慌て過ぎて頭に入らないったって!(笑)


感動しました!

お越しくださり、お読みくださり、

ありがとうございます! m(_ _)m



 全投稿した後も変わらず、同じ気持ちです。

流行り要素皆無、目新しさ皆無な、こんな

稚拙なものをお読みくださり、

感謝でいっぱいです! m(_ _)m



桜「り~ん、俺達も~」


凜「ん?」


全【「ありがとうございます!!」】


桜「言いたかったのぉ~」


凜「うん。みんなも、ありがとうね」


桜「うんっ♪」


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