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真赤なアスタラビスタ  作者: 面映唯
【思い違いと同情】
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 気づくとファミレス内の他者からの視線はもう消えていた。入店したときと同じ光景が広がっている。子どもの声が賑やかさを象徴していた。


「お水、お注ぎしますか?」さっきテーブルを拭いていたウェイトレスがいた。「いえ」と断ると、一礼して去って行った。


 会計に出ようと席を立った。レシートを取ってさっきまで裕子のいた席を見た。


 最初は忘れ物かなと思った。渡しに行くのが気まずいなとも思った。でも違った。椅子の脚の隣に落ちていたのは、小さなメモ用紙。これがテーブルの上に置かれているナプキンに書かれたものだったら、きっと私の期待は実を結んでいた。だが、メモ用紙だった。最初から教えるつもりで書いてきていたのか。そのまま持ち帰ることもできたのに、私の愚行に怒り散らされても尚、親切に私に教えようと思ったのか。それとも偶然落としたのか、定かではない。結果として、裕子には申し訳ないが久々に訪れた幸運だった。



 今年の夏休みの旅行先が決まった。


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