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真赤なアスタラビスタ  作者: 面映唯
【変わってゆくのはいつも風景】
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いくら成人式の事前準備として頭で考えていたとて、来るものは来るし、行われるものは行われる。車の免許こそ持っているものの、ほぼペーパードライバーに近い私は、ローカル線の電車に乗って創芸館(そうげいかん)と呼ばれる場所に向かう。電車の車体は、主に若葉色に近く、その薄い色を分け入って進むように鮮緑の太いラインが真ん中にスッと引かれている。


ローカル線とはいえ、今日ばかりかは都会に近い車内だった。そうそう立つことのない車内で私は立つことを余儀なくされ、渋々といった様子でドア付近の壁に寄り掛かった。地下鉄やJRとは違って、車景からは田園と住宅街、山並みが見え、線路が並列していないため、電車同士がすれ違うことはない。


ローカル線ならではというか、向かい合わせの四人席が多く、そこからにぎやかな声がしていた。いつもだったら羨ましいと感じたのだろうが、自分が黒服に身を包んでいるせいかどうも凛々しくなってしまう。引き締まってしまう。きっと長い舌を出した首輪のせいだろう。


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