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真赤なアスタラビスタ  作者: 面映唯
【眺める繋がり】
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「そう言えば、増田ちゃんって男っ気ないから前に彼氏いるのか聞いたことあったんだけど、いないって言ってたなあ。好きな人はいるみたいだったけど、その人には大人な彼女がいるとか言ってて、青春だなーって思った記憶がある」


「相澤って処女なの?」


「せっかく話し戻したのに、武田はなんてこと聞くの」


「いや、てっきりもう五人も十人も食ってるもんだと思ってて」


「まだ処女だって言ってないんだけど」


「そういえばこないだ、若いうちに恋愛とセックスしておかないと将来歪んで現れるって何かの本に書いてあったの見たわ。早く恋人作りなよ」


そこにノリノリに椅子から身を乗り出した桑原が入ってきて「やっぱ処女なんじゃーん。見た目じゃもう月とスッポンだが、恋愛では俺の方が上だな。(おが)め。(あが)めなさい」そう言って、目を(つむ)りながら目の前で合掌する。


「付き合ったことぐらいあるわ! ボケぇ!」


また顔真赤にしてる。


あれぐらい素直になれたらなあと思いつつも、素直ってなんだ? とまた原点に戻ってしまうので、それを呑んで、物理的に涙が出なくなればいいな、なんて思っていたりもする。普通に生きていて泣けない奴がそんなことを思ったとて何も意味がないと思われがちだが、それは当事者になったことがない外野の野次(やじ)戯言(たわごと)である。


「なんかありがとう。久々に楽しかった。また三人で話そうね」


私はじゃれ合う二人にスマホを握ったまま手を振った。去り際に「仲がいいね」と声を掛けたら「よくない!」と「でしょ?」が重なった返事をもらった。幸せを見ると周りにまで影響が及ぶことを知った。


優しい人に甘んじていたら、舞い戻ってしまう。


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