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真赤なアスタラビスタ  作者: 面映唯
【不純と謳われる所以】
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子どもの頃からの教育や育ちがよかったのだろう。心からそう感じた。なのに、彼女自身は自分を醜いものとして扱っている。が真意はおそらく逆だと思う。


一番子どものころが、創造性豊かだったはずだ。多様なものへの好奇心、モチベーション、クリエイティビティが高かったはずだ。それがいつの間にかいろんな刺激、知識によって今の彼女を作ってきた。親に「これはいけないこと」と教えられればそれを疑う意識、思考は薄くなり、教師に「すごいね」と褒められればそれがいいことなのだと信じて繰り返そうとする。


いつの間にか自分で考えることを忘れて、表向きの文化的な侘び寂びはなくなっているのに、根本の日本人としての日本男児? サムライ魂? 母性? 専業主婦? みたいな意識は未だに根付いて抜けない。粗末なものに心の充足を見出す暇はなく、それは便利なツールに変わり、元々閑寂(かんじゃく)で奥深しかったものは長年の変遷によって薄れつつある。閑静さを閑寂ではなく表面的に受け取ることを覚えてしまった。


とはいえ、意識的な行動を続ければ、潜在意識は変化する。自分の行動を変えることは可能だ。


声にならないような声で彼女に呟いた。


「好き……」


どうやら私は愛をはき違えていたようだった。


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