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明け方の線路を歩き天国に辿り着かないことを祈った

作者: quiet



月の海から雨が降るこの夜は君が輝く分だけ光る



いま決めろ!桜くらくらクライシス 死んでもいいとか言わなくなった



(目の前に立ってる人が僕を傷つけるようなこ)ぼんやりと雨



どんな夢をみてた?僕はそのあいだあなたのいない世界で生きてた



ペンが止まる 像に言葉が追い付かない 夢の偏差値さんびゃくじゅうご



そこらじゅうになりたい自分が立っていてそのうちどれもが自分ではない



この部屋にいればすべてが大丈夫なのにな いつか ばか しってるよ



人のために扉を開けた 振り向いた先には誰ももう誰も



死んだ人を記録している帳面を置くスペースもやがてなくなり



歩行者用信号青に変わるたび知らない道を歩けと言われ



このくらい小さな部屋でかまいません 空をみながら泣くだけですし



タイムマシン置いてあるのにどうしよう わたしどこにも行きたくないみたい



嘘じゃないとか気付いたり夢じゃないとか思ったりきみのこと大、



嫉妬してほしいと思う 私すら知らないところを見つけてほしい



流星のように輝けなくていい 誰かの希いを叶えてみたい



ほんとうにだいじなことはしろもじにしとく背景白を想定



お金とか求めてないのはわかるから対価にゆるい幸せ(どうぞ)



こんにちは わたしはたぬき ぽぬぽぬとしてていつかは死する運命



死ね春め 曇り空から花びらが降る日は窓の外へ大声



殴ったり蹴ったりするのも愛だって これすら美しいって怖いな



どうも死ぬらしいな前世愛した人がフロッピーディスクを折って



負けているはずの相手に勝っている 世界に説教したくなる夜



あなたがわらう あなた以外の世界じゅうが恋するようなひかりになって



涙には入っていない成分を落としてぬるい紅茶は濁る



冬編んだ入り口のないセーターをあなたに渡す 離さないでね



もう生きているのはラジオくらいだよ どうする? 愛し合ってみようか



春用のコートの下には鳩がいてときどき私ごと飛び上がる



さわってもいいかな きみが砂の城じゃないと信じているのだけれど



逆光で消えた輪郭 幸せになったあなたも好きになりたい



包み込むまではよかった 紐の色がどんな意味かは気にしてなかった



ほんとうに春になってる しあわせに生きてるようなきもちになって



デスマッチしようぜおれはどうせ死ぬそんで無性に生きてみてえし



ミステリのオチを想像するようにあなたの身体の厚みを測る



硝子より醜い心 美しい必要なんかなかったからな



僕たちは食べていましたさっきまで生きてた魚よろこびながら



何の罪だろうかこれは 冬の窓には冬の息 生きていたのか



おれはまだひとりっきりのエイリアン おまえをなかまにしにきたんだぜ



休日は食べて寝てます時々は夢もみてます 冗談ですよ



いずれ霊だからこの哀しみも嘘 たぶん心の錯覚でしょう



東京の優しさに慣れ故郷の人みな闇に見えた14時



夜歩くごとに浮かべるこの世から命よ消えてくれ安全に



文豪の年を調べる時間すらいずれ失われゆくものだと



すべてだろう これが最後とわかるだろう 旅の途中で幸福ならば



バスタオル抱いて寝ている明け方に海の匂いはもうしないけど



優しいと言われてうれしい本当は優しくないからとてもうれしい



秒針は秒針として仕事する 何にもならない破壊したって



完全に無意味だったな人生は(不感症でしょ)なんだそうかよ



さあみんな内緒話を始めようまずは私が生きてくべきか



君を愛するために生まれてきたの なのに君もう生まれてなくて



僕はまだ生きてくらしい「これでおわり」とささやくような光のなかで



knock knock 大した意味のない扉 生きるうちから天国のこと



逃げましょう僕があなたに花束を捧げるときに泉湧く場所



花をあげる 僕に要らない花だからあなたに似合う気がしたんだ



オルゴールにしまった音を忘れた日 思い出なんかまっぴらごめんだ



昼下がりこれが最後と打ち明けてそれからずっとお傍にいます



はじめてのクジラはだれかのデザインで白い電波のように甘くて



君がむかし捨てて歩いたきらきらを僕だけ覚えてる 愛なのか



明け方の線路で猫はあくびして友達だよって言ってほしいな



そうだった 僕もはじめは鳥居にはメリーゴーラウンドの馬をみて



「雨女、似合うね」だってそれじゃあさもっと雨降る星に変えてよ



嘘ですよ あなたにあげたものぜんぶ だからだいじょぶ捨てなくたって



インスタントカメラで撮った永遠を焼いたりせずに押し入れにしまう



悲しいか愛しているかもわからないまずその選択肢も借り物で



壊れたら直してしまう 始まったときからぜんぶ決まってたんだ



呆然としてる時間が長すぎる何にもなれずに今日も終わった



「コーヒーと紅茶のどっちがいいですか?」聞いてる間に全員死んだ



終点だ なのに私の寿命まだ尽きていなくて座ったままで



嫌なことばかりしていた僕たちは牛乳まみれになって笑った



花籠に麦を投げ込め僕たちは明日も生きていくんだずっと



前髪が上手くできない 顔を後ろ側に配置し直したい



祝福をしよう世界に満ちる陽がすべて木洩れ日になったように



あたたかい部屋でまどろむ どうしてか生きてくことは戦うことで



故郷のことは思わず砂が落ち海が浚っていくのを見てた



「来世やりたいことリスト」なんか書く朝になっても手を繋いでた



壊れたね壊れてよかった少しでも繋がってたってやっとわかった



エンドロールみたいな顔の君に会い、あとはずっと目を瞑るだけ



罪と罰兼ねてる生の真ん中を好きな音楽聴いて歩いた



生活の隙間みたいな小説でよかったのになダメだったんだ



月だけが夜の生きもの触れないものは数には入れてあげない



2階行きエレベーターに乗ったあとあらゆることを後悔してる



犬歩く後ろでスポーツカー止まるここはやさしいいきものの街



素晴らしき日々と名付けたくらげが死に、それからは愛を信じて生きた



大丈夫わたしハッカのアメが好き あなたのことも似たように好き



目が覚めて最初に思うこと 何の曲を最後にしようとしたっけ



天動説 すべての星が流れ星 ただゆるやかな祈りになって



姿見のうらに枕がつまっててそれがわたしの原因だった



霧なんてあるはずないって思ってた 初めて家を出たかもしんない



大型の望遠鏡は地上にて光年先にに霞を込める



霧のなか地に足ついたラブソング聴きつつ走る あ、赤信号



春霞切って走った僕たちは春風よりも無骨ないのち



こんばんは桜泥棒 恋なんて知らなきゃなんて言ってみるかい



春霞これ以上何を失えば誰かが迎えに来てくれるの



もう一度消えたあなたと春霞 小さいライトをつけて歩いた



桜降る私の寿命はあと何年?(あなたの寿命から 経ちました)



もうすこしきみにわたしを見てほしい 星とかつかんでみてもいいかな



ジャンプしてジャンプしないで覚えてて(つぎにわたしが言うべき言葉)



いいわけが思いつかないさよならにしていいですか消えていいですか



早まってみようよふたり今ここでこれからのことぜんぶ決めよう



雨音に消されるくらいの好きがいいダメなら嘘を教えてください



水をすり抜けてく光 初めからあなたのいない星に生まれた



夢日記の最後の日付12/9 死んだのかもしれない



私まだ人に興味がありません(yuki ga toke mashi ta ne)私まだ



茫然としながら座りつづければ自然が勝手に殺してくれる



人の住むことのできない音が鳴る浅い眠りの少しうちがわ



「順風は満帆ですね」どこへゆく舟とも知れず曖昧に笑う



夜光る魚の骨が泳いでるクラゲのいないベッドの上で



生きるのが易しかったなあの頃は 息するたびに泡が浮いて



「ねえ、髪に春ついてるよ」差し伸べる指との間にえいえんはある



少しずつ嫌いなものが減っていく これが大人になるってこと(か?)



花すごい 家に帰って眠るまえ、今日の天気は「花」って書くね



羅針盤ぐるぐる回って砕けちる こんなとこまで愛がいるのか



「亡びるね」最後の夜に僕たちは並んで眠り、違う夢みる



失ったものが何かがわからない 窓を開けたらすぐつきあかり



この星はあなたとわたしが出会うためそのためだけの純愛惑星



鉄塔も自然由来だ 千年後 夜の国では光の柱



窓の辺のあなたに雪の影が降る いずれ誰にも死は訪れる



今の空の色も知らずに水の上 鏡を見ながら走り続けた



指先のひとつで決まる上と下 私が決めなくてはならないの



見覚えのないタイトルの本がある ようこそ私の止まった部屋へ



口裏を合わせて咲いた春の花 仲間外れにされてるお前



春の枝 傷をつけるよ明確な悪意で以て 滅びで以て



春の日の一番星になったなら最初に消えてしまっていいか



光とは小さな廃墟 もう冬は誰も救ってくれないようだ



膚の下に雪は降り積む 花びらは欠片もとけず指を流れた



水彩のような春には水彩のような気持ちを(終わりにしようよ)



水彩のような春にも臓物を抱えて生きる(あるいは救い)



明け方の線路を歩き天国に辿り着かないことを祈った



この雪は未来を留保してる雨 もう少しだけ海に行かずに



大切なものなど何処に 君のいない世界と名付けて地球儀回す



さようなら12までしかない時計 背中震えてさよなら光



彼岸には彼岸の花が咲いている 最後にいいかな 君が好きだよ



雪影が頬を流れてあなたにも死が備わっていると気付いた



雪影を死だと思った 白くても雪には雪の光はなくて



知らぬ間に散ったらしくて花絨毯 私はあなたの夢を笑った



日の焚ける全方向が窓の部屋 手のひらだけが愛する人で



夜が来れば桜も虫も同じ顔 生きてないのがわからなければ



未だ見ぬ愛しいあなたをさがす旅 むなしいだけの命はいやだ



時計から溢れた水に浸りゆく 最後と決めた日よりも先に



湖面には引き延ばされた太陽が 光が液に変わる温度で



「この川ってなんて川なの?」「桜川」いま考えたやつでしょそれは



水色の心 あなたが哀しみと名づけてからはしたたるように



太陽は東の空には沈まない あなたとふたりっきりで笑う



廃校の門がわずかに開いてる あなたのいない春にすべって



パラレルな生体情報死ぬときは一緒さ私(アナザーワールド)



生きるのは厳しい 無駄なものぜんぶ省いたらもう死ぬしかなくて



超でかいクッション買った 大好きよ 私が嫌いなものまで全部



星すごい 綺麗だからと散らなくて ごめんねわたし先に死んじゃう



失った日々に体温計を挿す 笑ってることだけは確かだ



生きている意味はないけどあの空はわたしが真っ赤に変えてあげるね



やめよっか 嫌なこととかもう全部 そしたらわたしと遊びにいこう



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