第4話
チャイムーーー
「え〜、今日は転校生を2人紹介するーー」
「先生!女子ですか!?」
「澤村、落ち着け。」
皆がざわつき先生が対処に困る頃ーー
ガラガラっとーー扉が開き、後光のようなものが射し込む......
その美しさにありがたさを感じたのか皆が声を合わせ``おおおぉ´´と........
「はじめまして!入江翼さんのもとでメイドをさせて頂いている入江アテラと言います!どうぞよろしくお願いします!」
一礼し、ニコッと笑顔を見せる女神。
「「「えええええええええぇぇ!?」」」
当然の反応だった。だから皆の目線がこちらに注視される事も.........
「お前ら静かにしろーーアテラ、お前の席はあそこでいいか?」
先生の指差しはこっち方向だということが明白。アテラがこちらに向かって歩く周囲、絶世の美女の美しさのあまり泣き出し、感嘆の意を込め、手を胸前に組み敬虔の祈りをする者もいた。だが同時に僕に対し邪気のある目線がこちらにーーーー
「翼さんの隣ですね♡」
ーーーーーーーはい?
自然にアテラが座り、それを先生が見て自然に授業が始まる。だがこの異常さに誰も気づいてない。
ーーー元隣の人どこ行った!?
「翼さん、翼さん!」
現隣の席であるアテラが話しかけて来た。マジでお前を相手にしている場合ではーーー
「ここのせきの人ならそこですよ」
指を指した先には、元隣の人がいた。ほっとし胸をなで下ろすーーー
って違うだろ!!皆気づけよ!!!内心そう感化する翼。だが何事もなく、授業が進むのに寒気を感じた。何故誰も疑問を持たない…?何故皆平然としている...?
ツンツンっ、と肩をつついてきたアテラ。そして丁寧に折り畳まれた縦横4センチくらいの紙を渡し、可愛げにウインクする。だがそのつぶらな瞳と同時に、周りの男子から力強く殺意の込められた双眸が........
周りに怯えながらもその紙を開く。『翼さんへ♡♡♡これは神の加護です♡ちょっと皆さんの記憶改竄と席を移動してもらいました♡これも翼さんをご奉仕するためです♡お許しください♡アテラより♡♡♡』
まず何処にツッコミを入れるべきであろうか、ふむ、第一に♡が多いな、そして神の加護とはこの様な悪事に使ってもよかったのか......もう、何もかも分からなくなり考えるのを止め、板書されてあるのをノートにとり始める。ただいつも通りに。何事も無かった様に。