第二話:魔王様は学校に通う事にしたそうです。
これから挿絵を入れようかな、という作者の願望あり。
彼女が来てから一週間が経った。一週間で得られた情報は、彼女の名前はミラ・アディアス・アレキサンドラであること、学校には行っていないこと、それだけである。
「ねぇミラ、学校行ってみない?」
「気安く名前を呼ぶでない!だいたい学校というのはどこが楽しいのだ?あれはどこからどう見ても拷問ではないか!私は学校に行かなくてもある程度の知識はある、貴様よりな!」
まさかの即答。
ーー風呂の入り方も知らずによく言えるなぁ...
俺はつくづくそう思った。
「でも君は9歳でしょ?なら義務教育であと9年間学校にいかないといけないよ?」
「この国のギムキョウイクというのはよく分からんが行くとしてもお前と一緒じゃないと断固お断りだ!」
「俺は16歳だから高校生、だけど君は9歳だから小学三年生だね。だから無理なんだよ。」
「君、チッチッチー、それは甘いぞ。私には作戦があるのだよ。」
会ってから初のドヤ顔で自身ありげにミラは言った。
つーでいずれいたー
「職員室に入るときは礼儀正しくね?」
「分かっている!」
ガラガラガラ、と扉を開ける。
「失礼いたす!」
ーー?!
「十参Rの担任の師はいらっしゃるでござるか!」
「ちょっと君!何してんのさ!」
「日本の礼儀というものは本で学習した!」
ミラの手に持たれている本には...
「外国人から見た日本の礼儀百選」
ーーどっから持ってきたのその本~!
蓮はすかさず助け舟を出した。
「あー、彼女はミラ・アディアス・アレキサンドラという名前でございます。えーっと...ミラはホームステイでこの学校を期間は分かりませんが体験したいと...」
決戦前夜に教えてもらった作戦道理に進める。この作戦はミラは高校では付いていけないという確信から生まれたものである。
「おー、海外から君の友達が来ることは聞いていないが、学校のよさを広めてくれるなら特別にいれてやってもいいぞ。あ、教頭にはいろいろ小細工するから、心配すんな!」
ーーこんなこともあり無事に同じ学校に通う事になった。
一方、魔王に逃げられた異世界では、大混乱に陥っていた。
「魔王を取り逃がしたと知れば国王はどうゆう反応をするのか。」
すると近くにいた藻部 壱ノスケ(いちのすけ)
は即座に、
「バカ野郎!団長が聞いていたらどうする!」
と焦って答えた。その後、遠くから女性の罵声が聞こえた。
「おいお前ら!何グズグズしている!魔法陣はまだある、逃げたところへ行けるかもしれないぞ!」