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占い館と売りたい師?

誤字・脱字がありましたらすみません。

 外からドアが開いて執事が姿を見せた。


「お嬢様、友美様…大変お待たせ致しました!お靴をこちらに…」

と、渡してくれた。


「いや、お靴って程のものでは…こんな汚いの」


友美は、靴に履き替えてと車を降りた。


振り返って、穂香を見ると…執事に靴を履かせてもらっていた。


「穂香…靴くらい自分で履きなさいよ~そんな事してもらってると、歩けなくなっちゃうわよ!」

あきれた顔をすると


「そうなんですか~?では、今度頑張ってみますわ~」

と、執事の手を借りて降りてきた…。


「……そう頑張ってね」

としか言えなかった。


「では、私この辺りを走っておりますので。終りましたら、ご連絡頂けましたらこの場所でお待ちしております」


「ヒツジさん一緒に来ないんですか?」


「はい、本当はご一緒させて頂きたい所なのですが…なにぶん車を止められる所がありませんので…友美様!お嬢様をお願い致します」

と、お辞儀をした。


「まかせといて!穂香の1匹や2匹!ドンとこいよ」

胸を叩いた。


「友美さん、早く行きましょうよ~」


「はい、はい、行きましょう!じゃ、ヒツジさん行ってきますね」


「はい、お気をつけて!お嬢様!場所はお分かりですか?」

早く行きたくてウズウズしている穂香に聞いた。


「もう!バカにして、ここをまっすぐに行って左ですわ」

穂香は、少し怒って言った


「お嬢様、まっすぐ進まれて右になります」


「分かってますわ、左と右を間違えただけですわ」


「穂香…左と右じゃ大違いだって…」


「そんな事ありませわ、漢字だとエとロしか変わりませんもの」

と得意気に言った。


「あ!なるほど!やるわね穂香!」


「うふっ、でしょ?さあ、早く行きましょうよ友美さん」

と、歩きだした。


「あ、穂香待って!ヒツジさん、行ってきます」


しばらく、商店街を歩いて行くと右に占いの館と書かれた手書きの看板が見えた。


「あ!あそこですわ友美さん!ほら!ほら!」

かなりテンションがあがっているようだ。


「分かってるって、あたしにだって見えてます!」

友美は、近づいて看板を見ると


「占いの館…ラッキーアイテム・パワーストーンあります…か」

顔を上げると穂香の姿がない…


「こっちですわ、友美さん!」

いつの間に移動したのか、奥のエレベーターの前で手招きしていた。


エレベーターに乗り込み

「穂香、何回なの?」

と聞いた。


「…2階より上ですわ…前に来た時は、執事がおりましたから…」


「………もういいわ、2階から順番にみていこ…」

2階のボタンを押した。


友美がエレベーターの中を見上げると、監視カメラがあった。

「これで、見られてるのかしら?」

カメラを見つめていると、チーン…扉が開いた。

タロット・トランプ・水晶玉…


「どう穂香ここ?」


穂香は、ちょっと見て

「違いますわ、私が行ったのは霊視でしたわ」


「そう、じゃあ次…」


3階…


「どう穂香?あっ、ほら!霊視ってあるわよ!」


「では、きっとここですわ~」

さっさと、エレベーターを降りて霊視と書かれた扉の方へ…


「大丈夫かな~胡散臭い匂いがプンプンするわ…」

胡散臭いとゆうよりも、線香の匂いがフロアー全体に立ち込めている。


「穂香~ちょっと臭くない…」


「そんな筈ありませんわ!朝も、お風呂入りましたもの~メイドさんがちゃんと洗って下さったわ」と、サラッと言ったが…


「洗ってもらうの?体を…?全部?」

少し声がうわずってしまった。


「えぇ、全部ですわ。皆さん違うの?」

と、首をかしげた。


「恥ずかしくないの?」


「幼い頃からですので、普通ですわ。お父様もお母様もそうですわ…」


友美は、想像してみた…


「………介護ね…」

看護師がおジイちゃんをお風呂に入れている所しか浮かばなかった…。


「えっ、何ですか?」

と、言いながら穂香が扉を押した…が、ビクともしないようだ。


「ダメですわ…まだ開いてないみたいですわ。困りましたわね…」


「そんな、時間通りじゃない!穂香ちょっと、どいて!」

片手で扉を強めに押した!…カラン、カランと、音をたてて勢いよく開いて軽くこけて手をついた。


「ちょっ…やだ…開いてるじゃない!あたしが、ものすごい馬鹿力みたいじゃないの!」


「だって、私の時はビクともしませんでしたわ…きっと、友美さんがすごい力なんですわ!すごいわ~」


「すごい、すごいって…人をゴリラみたいに!」

と…気づいた。


正面のテーブルの向こうに占い師?がいる事に…

「あっ!すみません…いきなり騒がしくしてしまって…」


「そうですわ、こうゆう所では騒がしくするものではありませんわよ」

穂香は、すまして言った。


「いいえ…元気でいいと思いますよ」

その占い師?は言った。

友美は、辺りを見回した…。店内は薄暗く、興奮していて気づかなかったが、クラッシック音楽が流れていて、凄い線香の匂いで頭がクラクラする。

テーブルとこちらをカーテンで仕切って隙間から占い師?が姿を見せていて、頭から黒い布?をかぶって目だけ出している…。


「穂香さんね…そちらが…友美さんね…座って」


穂香があたしの耳元で


「何で友美さんの名前分かったのかしら?」

と、不思議そうに言った。


こちらも、穂香の耳元で

「あのね…入口であれだけお互いの名前言ってたら子供だって分かるわよ…」

2人はテーブルの前の椅子に腰かけた。


「今日は、何を知りたいのかしら?」「穂香からどうぞ…」

「では私から、お願い致しますわ。そうね…恋愛にしようかしら、素敵な人と恋愛してみたいですわ!お話の楽しい方がいいですわ」


「分かりました…目を閉じて…リラックスして…」

穂香が目を閉じると、占い師も目を閉じた…。

友美は、1人で来たら雰囲気にやられるかもなぁ…などと考えながら占い師に怪しい所はないか見ていた。

5分程して占い師が、目を開いた…。


「穂香さん、もう結構です…分かりました…」

穂香も目を開けて、占い師を見つめた。


「そうですね…結論からゆうと、近いうちにそういった方と出会うチャンスがあります…でも、それはとても弱いんです…上のお店にパワーストーンがありますから、あなたに合った物を身につければ確率はかなり上げる事が出来ますけど…」

と、穂香にパワーストーンをすすめている…。


「分かりましたわ、すぐに買ってきますわ!」

と、ノリノリだ。


「ちょっと穂香!それは、見てからきめなさいよ…」


「でも、それだけで確率上がりますのよ?」


「まあ、そりゃそうだけど…」

友美が引っ掛かったのは、確率って言葉…確率って事は、上がっても会えない可能性もあるのだ…。

その時は、まだ足りないとか言って、さらに高い物を買わせるつもりじゃ…。

などと考えていたら


「友美さんは、疑っているのね…私の力を…何か高額な物でも売りつける気なんじゃないかと…」

「えっ!いえ、そんな事は…」

心を読まれたのかと飛び上がりそうになった。


「いいのよ、初めての方は皆そうですもの…では、あなたの過去でも当てたら少しは信じてもらえるかしら?」

過去を当てる?


「信じてない訳じゃないんですけど…」


「うふふ、いいから目を閉じて…」

友美は、しかたなく、目を閉じた…。


目を閉じると、クラッシック音楽に混じって微かに、カチャ…カチャカチャ…とゆう音が聞こえる…何の音かしら…


「分かりました…目を開けて…幼い頃、事故で死にかけた事がありますね…海…かしら?」


「えっ!はい!何で…」


確かに、小学生の時に海で泳いでいてボディーボードをしていて、波にのまれて意識がもどらず、しばらく入院していた事がある…。


「うふっ…少しは信じてもらえたかしら?」


「………えぇ…」

まさか、当たると思わなかったので胃がビックリして、マカロンが込み上げてくるようだ…


「よかったわ、信じてもらえて…」


「ねっ!私の言った通りよく当たりますでしょう?」


「…えぇ、そうね…」


「では…信じて頂けた所で、何を見ましょうか?」


「…いえ、あたし少し気分が悪いので今回は…」

「あら、それは心配ね…外に長椅子が置いてありますから、少し横になってた方がいいわ」


「そうさせてもらいます…穂香、悪いけど先に廊下に行ってるね…」

フラフラと胸を押さえなが立ち上がった…


「大丈夫ですの?友美さん、私も行きますわ!」


「いいの…大丈夫だから、穂香はせっかく来たんだから、あたしの分も見てもらって…」

それだけ言って部屋を出た。


長椅子で横になって穂香を待っていると、だいぶ落ち着いてきた。

だいたい、線香がきつすぎるわよ…

10分程して穂香が出てきた。


「友美さん、大丈夫ですか?」

うるうるした目で見つめてくる


「…平気よ、もう大丈夫!ほらっ」と、起き上がった。


「よかったわ~それでね、心配でしたので友美さんの事を聞いてみたの…そうしたら、友美さんの背後霊の力が弱まってるんですって…」

友美は、後ろを振り返った…もちろん誰もいない…。


「だから、友美さんには水晶がおすすめですって!すぐに上に行って買いましょう」


「…背後霊はどうかと思うけど…安かったら買おうかしら…」


「そうしましょう!」

と、4階へ向かった。


4階には、奥にパワーストーンのお店が一軒しかなかった。


「私は、どんな石がいいのかしら~出来ればピンクとか赤いのがいいですわ」と、買う気満々である。


「あたしは、水晶ね…」

と、店の前でポケットに手をやった…あれ?…ない!財布が……ビルに入るまではあったから……さっき転んだ時…薄暗かったから見えなかったんだわ。


「穂香、先に見てて!すぐ戻るから!」

と、エレベーターに乗ろうとしたら、下にいったばっかりだったので横の階段で3階へ降りた。


霊視占いの店の前までくると、中から話声が聞こえてきた…。邪魔しちゃ悪いので少し待つ事にしたが…聞こえてくる内容が問題だった…


「えぇ、…あっそう?…マジで…買いそう?…ほんとに!…いいカモだね…」

およそ先程の占い師とはイメージが合わない会話の内容だった…。

財布の事もあったが、会話の内容が気になったので、音が鳴らないようにゆ~っくり…扉を開けた。

そこに、占い師の姿は無く…カーテンの向こうにいるようだ…。なおも会話は続き


「買った?…あはは…じゃあ、男の手配しなくっちゃね…毎度ありっと…」そして、あの音…カチャカチャ…

穂香の事だと確信した。

ゆっくりカーテンの奥を覗くと…占い師の姿があり、その向こうにパソコンが見えた。

パソコンの画面をよく見ると、穂香の顔と、経歴・家柄など、ズラ~っと並んでいた。

そうゆう事か…そりゃ当たるわ…。

男の手配って言ってたけど…穂香と偶然を装って近づくサクラか…。

友美は、辺りを見回し財布を掴むと、またゆっくりと扉からででいった。慌てて、穂香の元へ向かうと、店の中で新たに何か買おうとしてる穂香の手を持って店をでた。


「なあに、友美さんどうしましたの?私、手が痛いですわ~それに、階段なんて私~」


「いいから、早く!」

と、ビルの外へ出て


「穂香、やっぱりインチキだったのよ!」

と、今見た事を話した…。


「そうでしたの…私騙されたんですのね…」

と、かなり落ち込んでいるようだ。


「…だから、もう占いなんてやめときなって!とくに、当たり過ぎる占いにはね!」

と、またあの車に乗って帰って行ったのだが…



これには、後日談があり…車の中で、ヒツジさんに散々愚痴を言っていた穂香だが…

数日後…夕方のニュースを見ていたら、例の占いの館に手榴弾が投げ込まれたらしい…

当日の防犯カメラの映像も流れたのだが…まさかとは思うが…チラッとヒツジさんの様な姿が映っているように見えた。

一瞬だったのではっきりとは言えないが…

…本当の金持ちを怒らせるとこうなるのね…

それとヒツジさんへの言葉に気をつけよう…と、心に刻む友美であった。

‐end‐

つたない文章を読んで頂きありがとうございました。

お疲れ様でした。

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