表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/53

第6話。しんきゃらとうじょう!

読んでいただきましてありがとうございます。


総合評価が4000pt突破!


読んでくださる皆様に感謝です。

 館に居たみんなの分のサンドイッチを作った後、町に出た。


 一応、持って行くものは昼食用のサンドイッチを入れた肩掛け鞄、それと銀貨を1枚だけ入れた小袋。

 小袋は魔術ギルドから貰ったやつじゃない。厚手でしっかりしているが少々色褪せた、父から譲り受けたものだ。町で暮らすならお小遣いも必要だろうし、あの袋を町で使うのは目立つという父の意見もあり、それまで使っていたものを譲ってくれた。

 この前貰ったお金も残っているが、それはアイテムボックスの中に突っ込んである。

 子供のお小遣いとしても100R(ルード)程度であれば少し多いかな? 程度だろう。


 目的は特にない。単なる散歩だ。

 家の片付けはまだ残っているが、ほとんどが荷物の片付けや重いものの運搬。

 家の中から家具を持ち出さない限り魔法陣は動作しないし、今日はまだ改造はしなくていいだろう。


 それにこの身体は重い家具どころか、持ってきた荷物を所定の場所に置くための往復を3~4回もすれば疲れ果ててしまうだろう。

 あまりにもSTRが足りなさ過ぎる。

 そういえば、俺はちゃんとレベルアップ出来るのだろうか?

 出来るとするのであれば、その経験値はどうやって上がる?


 久しぶりにメニューを起動し、ステータス画面を見てみることにした。


 Lv.5

 HP 5028

 SP 28041

 STR 1

 VIT 1

 INT 1500(1000+500)

 SPD 800

 DEX 1000

 LUC 50(10+40)

 CHA 90(10+80)


 使用可能ステータスポイント 8


 経験値 3510/4200


 レベルが上がっている、だとっ……!?


 しかも微妙にHPとSPも上がっているし。

 何を元に経験値が溜まったんだ?

 これまで俺は戦闘はしていない。ワーウルフの時は支援しただけで直接ダメージは与えていない。

 今までにしてきたのは錬金と鍛冶と料理だけだ。

 しかも、そんなに多くもないし難易度が高いものもしていない。


 そうであるならばこつこつと錬金だのをしていたらレベルが上がるのか?

 ……まあ、今はそれを確かめる術もない。こんな往来で試せることなど何もないのだ。


 今は散策だ。人ごみの中を小さい身体を使って進んでいく。

 そのせいで何を売っているか物は見えないが、張り上げる声で何を売っているかは分かる。


 活気のあることはいいことだ。活気があれば物は動きやすくなるし、新しいものもどんどん流通する。

 時折、厄介なものも出回ったりするが、それもまた仕方ないことなんだろう。


 ああ、また思考が脱線してしまった。

 目的がない以上構わないのだが、あまり良くはない。

 あまり場所が分かっていないところをふらふらと歩き回っていると迷子になってしまう。

 これまでは村の中だったのでそんなこともないが、前の俺は酷い方向音痴だった。

 いや、方向音痴と言っていいかどうかすら分からない。

 コンビニに行こうとしたら全く反対方向にある本屋についたこともあったし、駅前に行こうとしたら何故か山についたこともある。

 酷かったのは、髪を切りに行こうとバスに乗ったら何故か富士の樹海に居た時だ。

 途中からおかしいとは思ったんだ。やけに木が多いし、変なロープはたくさんあるし、時々白い人影すら見えた。

 そのまま進んでいったら集落らしきところに辿り着き、送って貰ったのはいい思い出だ。


 家族にはしこたま怒られたが。



 と、考えていると何時の間にやら人の喧騒は離れ、人こそ通りはするものの閑静な通りにいつの間にか辿り着いていた。

 よし、まだ人通りが多いところは見える。最悪『気配探索』を使って家人を目標として帰ればいいだけだ。


 と、立ち止まって考えているとすぐ横の扉が開く。

 出てきた男は俺を邪魔そうに見たため、慌てて離れる。

 一瞬見えた建物の中は薄暗く、店らしいが何の店かは分からない。

 ふと上を見上げるとそこには看板がぶら下がっており、『魔術工房サンパーニャ』と書かれた文字とビーカーらしきものが描かれている。

 中も見えないし、どんなものだろうか。

 俺は名前に惹かれ、ふらふらと中に入っていった。



 中は、今は客がいないのかウサギの獣人らしきお姉さんが1人いるだけだ。

 店の中は……正直良く分からない。無造作に置かれた商品らしきものが二棚分、それと怪しげな色をした液体が入ったビーカーの置かれた棚、すり鉢、正体不明の草や動物の素材らしきもの。

 それだけを見るのであれば精々錬金術師の工房であるが、それ以外にもカウンターには水晶に宝石らしきものが鍵のかかったケースに納められているし、奥の部屋には小さいながらも炉があるようだ。

 まるで俺のためにあしらわれた様な空間だが、だがそれなら何故魔術工房を名乗る? どちらかといえば単なる工房だけでいいような気がする。


「いらっしゃい~……って、お客さんじゃなさそうだけど、どうしたのかな?」


 俺に気づき声をかけてくるお姉さん……っと、よく見ればこの前町で見かけたあのお姉様ではないですかっ!


「何のお店かなって思ったんだけど。邪魔、かな?」


 相変わらず人に対しての言葉遣いの加減が難しい。

 素で話せば初対面の相手にはきつすぎるだろうし、だからといって敬語もこの年代の子供は使えない可能性もある。


「ううん! 全然そんなことない! お客様も今いないし、見て行って」


 それはぶっちゃけすぎだが、良い人そうだ。


 お言葉に甘え、見させてもらうものはまずは当然だが商品だ。

 とはいえ、あまり品質のいいものはない。

 まず、魔具がない。まあ、需要と供給を考えるとほとんどの店では扱っていない可能性もある。

 それはいい。けれど、たとえばランプ。熱を加えすぎたのかガラスが均一じゃないし、一部歪んでいる。枠もまっすぐではなく歪で軽く振ってみるとガタガタと軋む。



 壊れかけたランプ


 明かりを灯すための器具。重量10 耐久【5/100】


 あまり軽くない上に壊れかけている。

 しかも販売価格150Rでは誰も買わないだろう。


 他にも、解けかけのロープや使い古しの蝋燭、折れ曲がったフォークなど廃品回収をしたものをそのまま並べたのか、と思うような品が無造作に置かれている。

 しかも全て銀貨1~3枚で誰が買うのか、と思うものばかりだ。


「これは、お姉さんのお古?」


「そう思われても仕方ないよね……ロープとか以外は私の手作りなんだけど」


 小さくため息をつくお姉さん。手作りにしたって、何でこうも不器用なんだろうか。

 むしろ、全て1つずつしかなく、作り慣れた感じが全くしない。


「……趣味?」


「仕事ですっ!」


 どうやら金持ちの道楽で出している店でもないらしい。


「なら何でこうもばらばらのものを? 1つ1つ作りこんでいかないとうまく作れないと思う」


 これは真理だ。どんなものでも基本をしっかりとこなせばそれなりのものはできるが、それを抜かすとそれなりのものすら出来ない。

 今の此処に並んでいるものはそういった類のものだ。


「それは分かってるんだけど……そんなお金もないし、同じものを並べても売れないし、お腹も空いてよくわかんなくなるし」


 どんどん暗くなるお姉さん。やばい、どつぼにはまりそうだ。


 くー、と小さくなるお腹の音もこの場合はポイントと言えるのか?


 赤くなり、涙目になる顔はツボに嵌まるが、今此処で落ちるわけにはいかない。


「無い袖は振れないけれど、袖触れ合うも多生の縁といいますし。お近づきの印にどうぞ」


 一瞬躊躇いはしたが、鞄から取り出した包みをお姉さんに差し出す。その中はもちろんサンドイッチだ。


 いーの? と泣き出しそうなお姉さんに頷き、渡す。


 別にこれを渡しても一食食べる程度ならどうとでもなる。

 それなら今まで食べたことが無いであろう人に食べてもらって味を聞いたほうが有意義だ。

 うちの両親はどこか大げさなところもあるし、第三者からの意見を聞いたほうが良いだろう。


「美味しい! 美味しいよこれ! 何処で売ってるの? むしろこれ本当にパンなの?!」


 ……多少食べる姿は豪快だが、決して無作法でもないだろう。

 むしろ一生懸命食べる姿は微笑ましい。ところで、お姉さんはウサギの獣人のようだが、サンドイッチの中には魚や肉を挟んだものもある。それは大丈夫なのだろうか?


 俺の心配は杞憂に終わり、サンドイッチは全てお姉さんが完食。よほどお腹が空いていたのか、只管に美味しいと繰り返し食べていた。


「ホント美味しかったよ! こんな美味しいパン初めて食べたよ! ねえ、何処で売ってるの? ……でも、きっと高いよね」


「全部手作りなので別に高くは無いですけど、喜んでもらえて何よりです」


 お姉さんが固まる。一体どうしたのだろうか?

 売っていないことにショックを受けたのだろうか。いや、それは俺も同じなのだが。


「凄いっ! 凄いよ君! ねえ、どうやったら作れるの!?」


 肩をつかまれ前後にガタガタと揺すぶられる。というかお姉さん案外力強すぎ……。


「ちょっ! お姉さん、強っ、痛っ、手、手離して!」


 とりあえず何とか離して貰うと、息をつく。


「ご、ごめんね。久しぶりにお腹一杯になったのと、凄く美味しくてつい興奮しちゃった」


 つい、で人を壊そうとしないで欲しい。


「うーん……幾つか道具作らないといけないんだけど、お姉さんここ使って平気?」


 久しぶりに鍛冶をして作れるかどうかを確認したほうが良いだろう。

 それで経験値が上昇するかも確認できるし。


 作り方がわからない道具でも、システムに登録されているものであればその補助を受けて作ることが出来る。

 最初はそのシステムも結構いい加減で、鍛冶道具に限らず知らないものを、勝手に両手が動かしている姿が不気味だったので基本的な知識は身につけた。


 少なくとも補助を使えば日曜大工以上のものは作れるだろう。


「美味しいご飯を貰ったから貸すのは良いけど……危ないよ? 怪我しちゃうよ?」


 それはきっとお姉さんが普段している実体験に基づくものだろう。

 お姉さん不器用そうだし。


「簡単なものなので大丈夫! あそこに転がってる大きな石と丸太使っても平気?」


 奥の部屋には薪用なのか丸太が何本か転がってるし、何に使うかは分からないが大きめの石もある。

 少なくとも鉱石や宝石ではなさそうだが、何に使うんだ?


「うん……道具とかも自由に使って良いけど……平気なの?」


「大丈夫。だからお姉さんは、ええと。材料足りないものありそうだから、買って……来るお金もなさそうだね」


「ぐ……私より小さい子供に言われるなんて……。事実なだけに辛いよぉ……」


 お姉さんは子供なのか? 種族特性なのか分からないが、18歳位には見える。

 少なくとも16以下には見えない。


「……子供というのであればお姉さんは何故店を?」


 踏み込むべきなのか一瞬迷ったが、お姉さんの表情は暗い。少なくとも騙すようなタイプには見えない。

 俺は人を見る目はあるつもりだ。散々騙されそうにもなったし、防衛術は持っている。


「……お父さんとお母さん、もうずっと帰ってきてないんだ」


 あっさりと話すお姉さんもお姉さんだが、聞く俺も俺。


 まあ、これも何かの縁だ。泣きそうなお姉さんの瞳を見たことで、俺に聞かないという選択肢は無かった。



 お姉さんの悲しげエピソードは正直俺にとってはまだ笑って話せそうな話でしかなかったが、お姉さんにとっては死活問題だろう。

 2ヶ月も家を空け、書置きも無い。普段は両親が出かける場合、どんなに短くても何らかの書置きをして出るはずなのにどれだけ家の中を探し回ってもそんなものは見つからず。


 お姉さんもご両親も簡単な言葉はどうにかして書けるからそれを忘れるとか、書けなかったということは無いらしい。


 それでそれなりの蓄えがあったので今は生活出来ているが、半年に一回ある納税にはぎりぎり足りる程度しか残っていない。

 それを払えなければ家を担保に取られ、その次の納税の際に払えない場合はそのまま国のものになってしまうそうだ。


 自宅とこの店、どちらもそれなりの時代の間お姉さんの一家が守り抜いてきたものなので自分のせいで手放したくない。


 まあ、親がどうなったにせよ。それはお姉さんのせいじゃないだろ。


 少なくともお姉さんは両親が帰ってくるまで店を守るつもりだし、度々自衛団や町を回っては行方を掴むため、色々なところを歩き回っているそうだ。


 で、何故ここがこうなっているかというと、本来お姉さんの父親が作っていたものは全て売れ、見よう見まねで自分も作ってみたそうだ。本来ならそこで店を少なくとも休業にした方が良いと思うんだが、お姉さんにはどうしても出来ないらしい。


 ただ、このままでは物も売れないしご飯も食べられない。どうしようか困っていたとき、俺がご飯をくれたということで随分感謝しているようだ。


「お姉さんさ。ホントにやる気ある?」


「うん! だってここはお父さんとお母さんの場所でもあるんだよ! 私が頑張らなきゃ!」


 そう笑って話すお姉さん。どうも、この世界の人たちは本当に強いらしい。


「なら。俺も手伝うよ」


「えぇっ?! で、でも危ないよ? 遊びじゃないんだよ??」


 静止をしようとするお姉さんを他所に、道具を見つめ、点検する。

 良い道具だが、少し手入れが行き届いていないようだ。恐らく、お姉さんは手入れの方法も知らずに使ってしまったんだろう。

 砥石はあるが、今回はそれは使わない。ノミとハンマー、後は俺の持っているナイフで十分だ。

 ナイフは錆びてしまっているが、ここにある砥石で砥ぐのは少し後ろめたい気がするからだ。




 そうして出来上がったのは石臼と脱穀機、それと材料が余っていたから作ったランプだ。


 ランプ自体は組み合わせて溶接しただけの簡単なものだが、室内外で使えるよう、取っ手もつけておいた。オイルを使うから室内で使うには換気の必要があるが。


「……実はドワーフじゃないよね?」


「人だよ。お姉さん」


 現実逃避を始めるお姉さんにとりあえず釘を刺す。

 システムの補助があり、スキルをカンストしている俺とほぼ素人のお姉さんを比べるのは流石に酷いが、全て売れるだけの物が作れる工房を所有する身としてはこれはきついんじゃないだろうか。


「お姉さんが工房を守りたいというなら俺は協力しなくも無い。まあ、お姉さんの頑張り次第だけど」


「……難しいのと痛いのはやだよ?」


「さて。そろそろ俺は帰ろうかな」


 片付けの用意をする。特に持ってきているものは無かったし、鞄だけ掛ければ良いか。


「わ! わわっ! じょ、冗談だよ! できることはちゃんとするよ!」


「なら、そう言って欲しいと思うのは我侭かね? 俺が協力しないことで俺が被る被害なんて無いわけだしさ」


 敢えて言うなら良心の呵責程度か。むしろ協力した時のデメリットのほうが多過ぎる。


「うぅ……頑張ります」


「良し。ならまた明日な」


「ちょっ!? ここまで言っておいて帰っちゃうの?!」


「そりゃ帰るよ。そろそろ帰らないと母に怒られそうだし」


 引っ越してすぐからあまり遅くまで帰らないのは問題だろう。

 あまり心配させたくもないし。


「そ……そういうことならそうだね。うん……また、明日」


 しょんぼり、とお姉さんは俯く。お姉さんにはまだ両親が必要みたいだ。


 後ろ髪を引かれる思いはしたが、そこはそこ。人様の事情に深入りして良い理由は無い。


 俺も、お姉さんの両親が見つかるか、お姉さんが納得するまでは付き合うつもりだが、それ以上は考えていない。


 家族は別だが、他の人との付き合いにはある程度の線は引いたほうが良い。

 そこで引き離すか、歩み寄るかは本人の自由だ。まあ、強要するものでもないが。



 ついでに、夕食の最中、今日の話をしてるときにお姉さんの名前を聞いていないことにようやく気づいたのはお姉さんには秘密にしておこう。



 その後、風呂に入りながら魔法陣を弄りながらぼんやりと考えたことは、そういえば挨拶回り行ってないじゃん。と割と子供としてはどうでもいいことだった。




 寝て起きて、まずすることは料理だ。…………何だかおかしくね? いや、理由はある。

 色々な料理が何処まで受け入れられるか、ということだ。

 だからと言って朝っぱらから料理をすることと繋がらないという意見は受け付けない。


 俺が作れる料理は食材の壁があるが少なくはない。知らない食材もあるし、今後作れるものはもっと増えるだろうが、今は特に甘いものや軽い口あたりのものが極端に少ない。

 まあ、幸いなことに文化レベルは中世ヨーロッパ調だが、イコールそのままでもないらしい。

 つまり、ジャガイモ……らしきものもあればトマト。らしきものもあるのだ。


 だからジャガイモを加工すれば片栗粉もできるし、トマトもケチャップなどが作れる。

 何よりジャガイモがあるということは飢えることも滅多になさそうだ。

 というわけで、今日はトルティージャもどきを作ってみた。

 底の深い鍋でも炒め物や焼き物はできる。平べったいものを作るときは中々難しいが。


 だからトルティージャは作れても、トルティーヤは作れない。同じような言葉なのに、残念でならない。


 しっかりと焼き固めたトルティージャとパン、それに干し肉。これは大量にあったはいいがどう料理すれば良いか分からなかったため後で炙ってパンにでも挟んでみよう。

 スープにしたり、煮込めば塩分が抜けて程よくなるらしいが、持ち運びには適していないからパス。

 それをしっかり2人分、昨日と同じ鞄に入れる。

 既に昨日の時点で両親に話している。問題は無いはずだ。



 そういえば父は今日もまだ寝ている。仕事はどうするのだろうか?


 というわけで、襲撃をかけ父を叩き起こそうとしたが。何やら魘されている様だったので母に任せ、家を出ることにした。




「やあ、待ってたよ。今日は早いんだね」


 昨日よりどこか明るいお姉さん。

 入ってきた俺を見つけるなり良い笑顔だが、視線が鞄に寄っている事を俺は見逃さない。


「昨日と違ってあまり寄り道もしなかったからな。それで、お姉さん。先に聞くけど、本当にできることは何でもするんだな?」


 にやり、と笑ってみる。特に意味はないが、何となくだ。


「う……。そ、そうだね、で、出来る事であればするよ? お店も家も無くなるの嫌だから」


 何故かお姉さんは引く。まあ下手なことを言われても困る。というか、初めて会った人間を信用しすぎるのも考え物だ。


「なら、お姉さんがするのはまず2つ」


「2つも……? な、何かな? お、お姉さん頑張っちゃうぞー……ぉ?」


 妙にテンションが低いのが気になるが。


「1つは冒険者ギルドにでも行って、ご両親の情報提供を呼びかけること。もう1つは、まずは道具も含め手入れを覚えろ!」


 びく、っとお姉さんが身体を震わせる。尻尾が長ければきっと尻尾は伸びきっていただろう。

 やばい、触ってみたいかもしれない。


「で、でも冒険者ギルドに何をお願いすれば良いの? むしろ、手入れって……しなきゃ駄目なの?」


「しなきゃ駄目に決まってんだろ!」



 半泣きになったお姉さんに道具の手入れの重要を説くこと1時間。

 お姉さんもその重要性をしっかりと理解してくれたようなので町に出ることにする。


 まずはお姉さんの父親が懇意にしていたという鍛冶職人の工房に向かうことにする。

 そちらのほうが重要だと判断したからだ。

 冒険者ギルドに行くのが面倒だということは割りとあるが、今は関係ない。



 工房はずっしりとした髭もじゃのおやっさん。なりの小ささから考えるとドワーフだろうな。

 そんなおやっさんが火の前でどっしりと構え、座っている。


「よう、ミランダ。1人、じゃねえみたいだがどうした?」


 お姉さんの名前はミランダというらしい。先に聞いておいたほうが良かったかもしれない。


「ベディおじさんおはようございます。えっと……今日は道具を手入れして欲しくて来ました」


 おずおずとお姉さんは包まれた道具を出す。元々一式をしまっていた道具入れだ。

 それから出しっぱなしにしていることも俺が重要性を説かざるを得ない一因だった。


「ジェシィの道具じゃねえか。やっこさん、これを俺に持って来る時は人に触らせやしなかったんだが、何かあったのか?」


 お姉さんが昨日俺にした説明を繰り返す。びくびくしているのはどうしてだろうか。


「成る程な……。俺もあいつを最後に見たのはお前さんが言ってたのと同じ、いやちょっと前だな。その時はいつも通りに見えたんだが。すまんな、力になれんで」


「ベディおじさんは悪くないですよぉ……あの、それで道具なんですけど……」


「おう。こいつの手入れは俺に任せとけ! にしても、こいつはおかしいな。おい、ミランダ。これを持ったのはお前さんだけか?」


「いえ……この子も、昨日一度……」


 ああ、そういえば付いて来たは良いが何も話してなかったな。


「昨日、少し触らせてもらいました。それで手入れが出来ていなかったので修理してもらうよう話しました」


 軽く頭を下げる。


「おう。そりゃ悪いな。……ちと、手を見せてくれんか?」


 良く分からないが、まあそれくらいなら構わない。

 おやっさんの前にまで行き、両手を差し出す。


 おやっさんは俺の両手を取り、手をじっくり観察したり、軽く握ってみたりと良く分からないことをしている。


「……おい、お前今までにどれだけ打ってきた?」


 打って、というのはハンマーのことだろう。『レジェンド』では暇つぶし……もとい、精度を上げるため一日中ハンマーを落としていたこともある。その回数は数万回だろう。


「昨日が初めて、です」


 あくまでこの身体としては、という意味だが。

 今までハンマーが手に入らなかったんだ。当然実際にハンマーを叩いたことは無い。


「にしちゃあ、熟練の職人のような手だがな。おい、打ってみろ。道具はその間に見てやる」


「何を打てば? ……あと道具は?」


「そうだな。お前さんが打ちたいもんで良い。道具も材料も、ここにあるもんは扱えるものなら使って良い」


 随分と気前が良いな。とはいっても、未加工のものも多い。すぐに使えそうなのは、鉄鉱に銅、後は銀と言ったところか。


 実際には初めて打つもの。何にするべきか……俺が中盤で愛用していた『アレ』で行くか。





 カーン、カーン、カーンと鉄を叩く音が工房に響き渡る。

 赤く熱した合金をひたすらに叩く。硬く、しなやかに。

 何度も熱し、不純物を取り除き、ただただ叩く。


 そして出来上がったのが片刃の直刀、ファルシオンだ。

 ……鍔作っていないし、そもそもこれが鋳造なのか鍛造なのか。

 そんな疑問はさておき、波紋を描く美しい刃は誕生を喜ぶかのようにキラキラと輝いている。

 ……砥いだおかげだけどね。


「……こいつは、またすげえな。何て名前だ?」


「これは…………あ゛」


 鑑定したところ、まずいことが分かった。……楽しすぎてやりすぎた。


 ファルシオン+9


 片刃の直刀、その緩やかな流線型を描いた刃は鎧さえも切り裂く力を秘めている。

 重さ20。 耐久【500/500】

 ATK+105【+45】

 スキル『スイングスラッシュLv.3』使用可能


 ……よし、プラス補正のことは恐らく分かっても何処までかは分からないだろう。

 何故スキルが発動できるようになっているかは分からないが、それもいい。

 俺が作った武器とはいえ、このくらいの攻撃力であればこのおやっさんの工房であれば同じ位の武器もザラにあるはずだ。


「ん? どうかしたのか?」


「……あ、いや。何でも……。これはファルシオン、見た通りの片手武器」


 工房は若干ごちゃごちゃしているものの、広い。

 俺は借りている厚手の手袋をしたままファルシオンを軽く振ってみる。

 上段から下段へ、下段から中段、そして横へ薙ぐ。少し重いな。だが、重さを利用すれば説明にあるように鎧だって切り裂けそうだ。


「ほお……鋳造でならともかく、鍛造でこんな武器を作るやつは見たこと無いな。お前、見た目通りの年齢じゃねえな?」


「……見て通りの9歳、です……」


 俺の年を告げると、おやっさんもミランダも固まる。こいつら、俺を何だと思ってやがる。


「……産まれて9ガルンしか経ってねえってことだよな。いや、どっかの古い言葉で900ガルンってことか?」


 ガルンはこの世界での年を表す。つまり、9ガルンは9年、900ガルンは900年だ。


「……9セアなのに」


 拗ねたように言ってみる。若干イラついて言葉がぶれそうだが、何とかしよう。

 ちなみにセアは年齢な。そこら辺も神がどうだの、精霊がどうだのらしい。

 ついでに言えば、俺はこの世界の言葉を一から学んだからよくある自動翻訳ではなく、単語を繋げて音にしている。だから意味は成さないのかもしれない。


「いや、そもそも見た目はもっとガキだろ! 6セアくらいにしか見えんが、人族だろう?」


 どう見ても幼く見られすぎです。本当にあり……は良いとして。


「人で9セアなのに……」


 むしろこのナリで900歳なんて何処のバケモノだよ! そんなイキモノ……ああ、あのロリ神ならそれくらい平気で生きてそうだな。


「……ミランダ、お前あの時何してたよ」


「えぇっ? わ、私ですか? お友達と遊んでましたけど……」


 いきなり振られて慌てるお姉さん。面白いが、あんたのためにここに来た事を忘れていないだろうか。


「普通のガキはそうだろうな。俺みたく修行を送ってたようにも見えんが、手はそれ以上の経験を持ってやがる。で、そいつも相当の業物だ。……俺もそこそこの自信はあったんだがバケモンはいるんだな」


 落ち込むおやっさんは哀愁を誘うが、言い分は釈然としない。


「おじさんならもっと良いものを作れると思う……です。……これ、まだ最高のものじゃない……です」


「……それを俺以外の鍛冶師の前で言ってみろ。一生恨まれ、追い掛け回されるぞ」


 そんなことはないと思うんだけどな。


「私……とんでもない子と出会っちゃった?」


 この姉さんは姉さんで随分なことを言ってくれてやがる。


「いや、お前さんにはむしろ良かったかもしれんぞ。若いうちに本物に出会っておけば、得られるものは大きい。だがな、嬢ちゃん。これが俺やミランダだから良かったものの、こんな技巧ほかに見せんじゃねえぞ」


「……女じゃない」


「えっ……?」


 おい、お姉さん。その心底意外そうな声は何だ。


「ミランダ、何か事情があるんだろう。そっとしておいてやれ。ただでさえ鍛冶師なんて女を認めようとしない。なら、そう言うこともあるだろう」


「……違うのに。……お姉さんの道具は?」


「ああ。幾つか時間をかけて手入れしなきゃいけない分も出てきたからな。1ソリアはかかるな、ありゃ」


 1ソリア……1週間か。随分と長いが、自業自得だろう。


「新しく欲しい場合はどうしたら……いいです、か?」


「そうだなぁ。お前もミランダも新しい道具を使って自分の道具にしたほうが良い。こんな良い武器を見せてもらったんだ。今回は俺が安く譲ってやるよ」


「えー……そこまで言うならただじゃないんですか?」


 いや、お姉さん。それは無理だろう。


「バカ言うなっ! こっちだって商売でやってんだよ。それを無料になんて出来るかっ」


 お姉さんは不満そうだったが、知り合いとはいえそこまで無理は言えないだろう。


「おじさんも仕事。無料は……困る」


「……ミランダ、お前さん子供に教わってどうする」


「……いつまでも子供扱い……えっと……名前はソラ、この前引っ越して来たばかり……です」


「この前引っ越してきたって……もしかして、あの亡霊屋敷の?」


「10……ガルン人が住んでなかった住宅街の家ならそう、です」


「ほお。あそこは中に入ることはおろか、解体すら出来ない場所だったってのに、よく住むことになったな」


 おやっさんもお姉さんも知ってるって事は、やっぱ有名なんだな。……人避けは万全にしたほうが良いか。


「色々、あった……です。……お腹空いて来たので……場所借りても良い、です?」


「おう。酒……はガキにはまずいな。果実の絞り汁がある。出してやるよ」


 お姉さんの目が輝く。……現金だな、おい。


「私の分って……もしかして、あったりする?」


「これがお姉さんの分」


 鍛冶をするときに避けておいた鞄からお姉さんの分の包みを渡す。

 これで俺の分を用意してなかったら2日連続で食いっぱぐれるところだった。

 今の時期の一食は成長に必要だって言うのに。


「飲み物ここに置いとくぞ……ってお前ら何食ってんだ?」


 おやっさんが木製のコップを2つ両手に持ってやってくる。

 ちなみに流石に炉の前では食わないが、テーブルもごちゃごちゃと物が置いてあるから適当に椅子に座っている。

 まだ俺は食い始めてないが。お姉さん、意地汚いぞ。


「パンとトルティージャ。あと……干し肉」


 しまった、干し肉を炙るにしてもナイフがないから切れないじゃないか。


「随分と美味そうだな。俺にも一口くれ」


 いや、おやっさん。事後承諾は承諾にならないんだが。


「代わりに干し肉を炙る火と削ぐナイフ……貸してほしい、です」


「ああ。いいが……本当にこれパンか? こんな柔らかくて美味いパンなんて初めて食うぞ」


 売り込もうと……思ったがやめた。おやっさん1人になら売っても構わないが、そういうわけにも行かないだろう。


「これは『ユグドラシルの葉先』の名産品……そのうち色々なところに広がる予定」



 道具自体は珍しいものじゃないだろう。あれの一番の売りはパンそのものの製造工程だ。

 珍しいものは無いが、機械もないんだ。果物や塩を大量生産は出来ないだろう。

 あの村であれば各家庭で消費したとしても大した量じゃない。けど、この町ですら相当な人間がいる。それを全て賄えるかは少し不安だ。せめてイーストを安定供給できるようになればいいんだが。

 ……ビールでパンが作れると聞いたこともあるし、この機会に色々と試したほうが良いのか?


「そう聞いたなら仕方ないな。だが、それを知ってるって事は『ユグドラシルの葉先』に住んでいて、かつこっちに道具も持ってきているんだろう?」


「……村の資源。あまり広まると、みんな困る」


 俺としては広めてしまって問題ないと思うが。一度商人や貴族お抱えの鍛冶師に方法が広まればそのまま一気に生産される。

 そうなると特許も何もなさそうなこの世界では作ったもの勝ちになるのは目に見えている。

 いっそのことイーストや麹など、作るものが大変だが必要な量が多いものを特産にした方が良い気がする。

 まあ、俺がそれの培養技術を持っていないから無駄なことだが。


「まあ、分からんでもない。だが、あの味気ないパンを食うのも癪だな」


「……今しばらくの辛抱」


 何かぶちぶち文句を良いながらおやっさんが下がる。まあ、一旦は諦めてくれたのだろう。


「……話は終わったかな?」


「おい、聞いてなかったのかよ」


 お姉さんはすっかりと食事に夢中になっていたようだ。

 別にそれに関心を持てとは言わないが、ある程度耳聡くなければ辛いだろうに。


「難しい話はどうも苦手で。お父さんに文字を教わってる時もいつも怒られてたから」


 てへ、とお姉さんは笑う。……反則だぞ、それ。


「けど、やんなきゃいけないことは幾らでもあるだろ? なら、思考を停止してる時間も少なくしたほうが良い」


「難しいねー。ソラって頭良いんだね?」


「生きるのに精一杯なだけだよ。俺より賢く生きる人間なんて幾らでもいるよ」


 これは単なる事実だ。自虐はない。


「ガキがあまり賢いと碌な人生送れねえぞ。ほれ、ナイフにランプだ」


 ついてなくても、碌な人生は送れるよ。たとえ死んでも、少なくとも俺は悪い人生だとは思わない。


「……ありがとう、です」


 適当に切った肉を炙り、干し肉がちょうど良く炙れたところでパンと一緒に食べる。

 パンに塩分と肉汁が染み出して良い具合だ。ハンバーガーも作りたいが、タルタルステーキやハンバーグなど順序を追って行った方が良いのだろうか?


 おやっさんもお姉さんも羨ましそうに俺の食べているものを見ているが、お姉さんは食べたよな?


「なら、定期的にどっかの食堂に卸すってのはどうだ?」


「……そこまで作る量を確保するのは難しい。朝ごはんも作るし、大変……です」


「ご飯ってことはパンだけじゃなくて、卵焼いたやつも君が作ったわけ?」


「ん。トルティージャっていう、芋とかを混ぜて焼いたやつ」


「……こんな料理、どこの王宮で出てるのかな?」


「ミランダ。一気に理解しようとするな。こいつはお前の範疇外だ」


 2人とも訳が分からないと言ってるだけにしか聞こえないが、喧嘩を売られているんだろうか?


「今日はもう帰るつもり。お姉さんはどう、します?」


「うーん……冒険者ギルドはどうするの?」


「今日はもう疲れた、帰りたい。お姉さん1人で行くのも危ない」


 これでも一本剣を打った後だしな。


「ミランダ、今日はお前も疲れただろう。今日は休んだほうが良い。で、ソラ。この剣、一度俺に預けてくれるか?」


「別におじさんのものにして構わない」


 俺も久しぶりに楽しめたからな。やはりこういった鍛冶もしたくなる。


「バカ言え。俺が打ってないものを俺のものとして売れるか。鍔がなきゃすっぽ抜けそうだからな、鍔と鞘を作ってやる。あと握りも布で巻いたほうが良いか。……あの振りを見る限り、お前さん扱うほうもいけるだろう」


「一応は。でも、使う予定ない。売れない?」


 呪われてるわけでも装備レベル制限があるわけでもない。

 なら冒険者なり騎士なりが使ったほうが役に立つ気がする。


「これだけの業物を扱える人間はそうはいねえ。武器に振り回されるのがオチだ。なら、使いこなせるやつが持っていたほうが剣も役に立つだろうよ」


 中盤までは剣一筋だったから別に使えなくはないが、一番馴染んでるのはきっと銃だぞ?


「……分かった、です」


 そこまで職人に言われて自分の意見を貫くわけにも行かない。


 俺も一応職人であるし、そこの誇りは分かっているつもりだ。


「おう。明日までには仕上げておく。忘れずに取りに来いよ」


 おやっさんに手を振り了解の意を伝えると、帰り路に就く。


「私のこと忘れないでよねー!」


 あ、やべ。忘れてた。


「……また明日、お姉さんの店で」


 不満そうな顔だが、仕方がないだろう?

 俺だって疲れないわけじゃないんだ。


 ちなみに、ステータスを寝る前に確認したときはこうなっていました。


 Lv.6

 HP 5031

 SP 28064

 STR 1

 VIT 1

 INT 1500(1000+500)

 SPD 800

 DEX 1000

 LUC 50(10+40)

 CHA 90(10+80)


 使用可能ステータスポイント 10


 経験値 4516/5500


 ステータスは本格的に何かを始めるときに考えれば良いだろう。


 というのも1つ理由がある。

 『レジェンド』の時、気づいたことがある。

 STRとVITの値を増やすことにより見た目も変わるのだ。

 つまり、マッチョになる。他の値は上げてもほとんど変わりはないのに、その2つだけは上げれば劇的な変化を迎える。

 戦争時に俺も前線に立つことは何度かあったが、その時の壁の暑苦しいこと。まさに生きる肉壁。

 マッチョのおっさんの大売出し。それが全身鎧を身につけ、飛び散る汗。臭いまで再現されていたらきっと酷い事になっていただろう。

 イメージ、体育会系の運動後の部室。しかもコンクリ製で換気扇すらない真夏。……イメージ、出来たか?

 子供にそんなむきむきな筋肉をつけさせる意味はない。確かに多少は振っても良いんだが、一度振ったステータスは戻せないだろう。

 成長にも影響を与えそうだ。下手なことは出来ない。


 ともあれ。他のステータスに外見的な影響がないのも不自然だ。どうなっているんだろうか。


 貧弱もやしっ子っぽい俺が重いハンマーを休むことなく打ち続けられたのも気になる。

 恐らくはベーススキルのおかげだとは思っているのだが。


 翌日、おやっさんの所で剣を受け取り、道具を買い取り(2人分、お姉さんの分は後で代金を請求する予定だ)お姉さんと合流し、冒険者ギルドに行き、ひと悶着はあったものの、かねがね予定通りには進んでいるといえる。

 冒険者ギルドの出来事はお姉さんがあまりそういった情報を知らなかっただけだ。微笑ましいエピソードだ。気にするな。

 まあ、つまり厄介ごとはいつものことだから問題が起こるまでに沈めてしまうという作業の繰り返しということで語るべきことではない。

 ついでに、お姉さんに渡した道具に関してはおやっさんには内緒にしてもらうことにした。

 まあ、どうせこれに関しては代用の利くものだしどちらかといえば副産物だ。

 下手したらパンすら焼けない可能性すらあるんだが。……暫くはお姉さんに昼食を運ぶ日々が続くのだろうか?


 ……ちなみに、何故か魔術工房サンパーニャへのバイトが決まりました。


 あのお姉さんを一人にするのは危険すぎる、というのが理由だ。


というわけでタイトル通りの新キャラが。

……別にヒロインではないです。



評価やつっこみがありましたらお願いいたします。


思い切り色々なことが問題でした。。。

展開を大きく変えています。今後の展開はまだでしたのでいっそのこととばっさり変えました。


日本刀や西洋刀の鍛冶に関して多くの情報をいただきました。ありがとうございます!


2011/9/14

誤字等の修正を行いました。エイトール様ありがとうございます


2011/9/18

誤字等の修正を行いました。haki様ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ