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第18話。変わり行く、

読んでいただきありがとうございます。


この話は前回から3ヶ月後の話になりますのでご注意ください。

「ソラ、まだ終わらないの?」


「もうすぐ終わるから少し待ってろって。それより、あのお姫さまのほうは良いのかよ?」


「あ、あはは。マイアは大丈夫だよ。今日はフィアが付いてるし」


 苦笑いするアンジェをよそに出来上がった商品を並べる。

 ようやくこれで目処が付いたところだし、少し休憩に入るか。


「ソラくん、今平気?」


 と、それはどうやら許されなかったらしい。俺の後ろにはお姉さんが立っていた。


「ああ。またジェシィさんか?」


「ううん。そうじゃなくって、鍛冶師ギルドの人が来てるから」


「あー、了解。長くなりそうだからどこかで時間潰しててくれ、アンジェ」


「いいよ。ボクも配達の帰りだったんだから。じゃあ、またね」


 どこか不機嫌そうなアンジェを見送ると、そのまま鍛冶師ギルドのギルド員と会う。

 俺がギルド入りしたのはあの事件が終わってすぐ、今から3ヶ月も前の話だ。

 ベディのおやっさんとジェシィさんの推薦と実技、その両方で一発合格。

 そもそも新型ポーションや各種の商品によってほぼ合格は決まっていたらしいが。


 その後色々あったが、今は共同開発している商品を話し合う機会を何度か作っている。

 今回は生活に密着した道具作りができるかどうか、がテーマとなっている。

 幾つか中小の工房の見習いや弟子たちが自分たちの開発したものを集い合わせ、現状にテコ入れができるかどうか、という正直あまり意味のないものだが、そういったものですら今まで手が出されていないなかったらしい。


「それで、今回はどのようなものを作られたんですか?」


「まあ、詳しいことはいつものように会議で。次の会議は何時行うんです?」


 アイデアを出すのは俺ばかりではないのに、俺ばかりにこうやって直接ギルドの連中が来るのは辟易するがそれも仕事か。

 いや、それをダシに俺の調査を行っていると言った方が正しいか。

 ハッフル氏にマイアにオウラが俺の方に付いている以上、俺に対し強硬手段を取る訳にも行かず、こうやって度々工房にまで出向いて話を聞くことくらいしかない。

 あの我侭姫たちにはここ暫く迷惑をかけられている以上、それくらいの見返りはあってしかるべきだろう。



 適当に世話話を交わしつつ時間が過ぎ、ギルドに戻ると言ったギルド員を見送り、作業に戻る。

 こっちは今ギルドに対し提出するものとは別。俺が目指す形の1つの具現化、がキーワードだ。

 それには何人もの人の手が必要だし、俺個人ではどうしようもならないものだ。

 だからこそ、俺は『魔術工房サンパーニャ』の魔術職人であり続ける。

 ジェシィさんの腕のリハビリも必要だし、俺を目当てに来る客も少なくない。

 とはいってもお姉さんはジェシィさんの指導の下、腕を磨いている。

 最初の頃に比べだいぶ成長したし、一通りの仕事は1人でできるだろう。

 時折失敗したり、どうしたらこうなるのか不思議に思うことはまだあるわけだが。

 だが、少なくとも俺のような我流ではなくしっかりとした魔術職人となってくれるだろう。


 この3ヶ月で変わったことは多い。

 例えば4人組が揃って魔法学校に合格し、通学をしていること。

 例えば露店に新型ポーションが出回っていること。

 例えば酵母パンが出店や食堂で出回っていること。

 あるいはモンスターの活動が活発となり、交易ですら制限が出ていること。

 あとは、我侭姫その2号、マイアと、腕輪を買っていった我侭姫その1号、オウラが4人組とともに此処に頻繁に寄るようになったことが主か。


「アンジェちゃんに会いに行かなくて良いの?」


「ん? アンジェはついでに寄っただけだろ? 帰るって言ってたし、仕事の邪魔しても仕方ないよ」


 何故かジト目で睨まれる。別に睨まれるような行動はしていないはずなんだが。

 まあ、特に用もないだろうし昼にでも寄れば良いか。


「で、お姉さんは進んでる? 今日渡す予定の分、昨日の時点で全部は終わってなかったと思ったんだけど」


「あ……。え、えっとこれからするから平気だよ?」


 つまりまだ完成していないらしい。


「俺も手伝うから、終わってないやつどれくらい残ってる?」


 ジェシィさんが戻ってきた直後は色々と依頼が舞い込んで忙しい日々だったが、今はその前に比べると若干忙しいか、といった程度。

 だからこそ何とか2人で回せているといった所だが、お姉さんの処理能力は正直限界に近い。

 だからといってジェシィさんに頼ろうにも、ジェシィさんの腕はまだ治りきっては居ない。

 あの時、ジェシィさんの腕は神経がやられていたらしく、ろくに動かすことは出来なかった。

 俺の魔術により動かせるようにはなったものの、それはあくまで動かせると言うだけの話。

 それに酷使されたということを頭が覚えているらしく、その影響で鍛冶仕事をしようとすると思うように動かないそうだ。

 幾つかのポーションやそれを染み込ませた包帯など経緯を見ながら治療をしている最中だし、出来る限りリラックスしてストレスを解消してもらっている。

 俺はそういったことへの専門性はないが、やらないよりはきっとましだろう。

 そういった意識を操る魔術もないわけだし、地道に行くしかない。


 申し訳なさそうに未完成品を差し出してくるお姉さんから商品を受け取ると、細かい調整が必要なもの、まだほとんど出来ていないものを優先して作ることにする。

 今現在はただハンマーの音が響くだけの室内だが、此処もこの3ヶ月である程度変化した。

 ポーションの製法を広めたおかげで露店を出す頻度も下がり店を開けているのも大きいが、それ以上に扱う種類が増え、最初は広かった作業場が今では結構手狭になった。

 ちなみに、ポーションは何処でも作れるためほとんどはメレスさんに自宅での作成をお願いしている。

 元々赤色ポーションを作っていたそうだから作成自体問題なかったし、今のポーションは食事時にも飲まれているそうだから不要なものでもないだろう。店用は日に30本もあれば十分足りるし。


 町の露店で出回っているポーションの約8割はそれぞれの露店毎の特色が出たものに変わっている。

 最初は利権を独占できなかった大商人からサンパーニャへの嫌がらせもあったが、マイアがうちに寄るようになってから表立っての嫌がらせはなくなった。

 完全に嫌がらせをなくすのは難しいだろう。妬みで足がつかない程度の嫌がらせや、サンパーニャ以外に手を回すことは防ぎようがないわけだし。


 まあ、それはともかくだ。

 手狭になった仕事場は定期的に片付けはするものの、完成品を置く場所を確保するにも困る。

 その分仕事を依頼される量が多いということだが、手に余るほどの量であるなら制限を加えるか日数を少し多めに取るか。

 前も思ったことだけれど、そういった計画的な経営をしていかなければいつか破綻しかねない。

 ジェシィさんもそういった点でお姉さんを教育はしてくれてはいるものの、今まではあまりなかったほかの工房との共同作業も増えたため、それに費やす時間が増えた。

 結果、店を閉じて他の工房に行くことや商店や自衛団に出向くことも増えつつある。

 そういった意味では、鍛冶師が一番今この町では変わりつつある、というのが正しいか。



 商品を作り終え、外に出る。昼休憩を取るためだ。

 ここ一月ほどは自分では作らず、ほとんどを外食に頼っている。

 理由は、パンを始めとした小麦粉を使った料理が増えてきているから、だ。

 パンの種類は当然として、調理法も徐々にではあるが増えている。

 中華まんやピロシキモドキはもちろん、酵母を使ったレシピが増えている。

 というか、ポーションのこともあり今では果物を使ったものがブームとなり、この近隣の村などでは元々の地場産業よりも果物の収穫に力を入れているところも増えているそうだ。

 それはそれで問題なのだが、手間を少しでも省くような道具の開発も進んでおり、もう少しすればある程度は均衡化はなされるだろう。

 俺がレシピを伝え試食させてもらっている店も幾つかあるわけだし。


 と、適当に食べ物を仕入れ、アンジェの店に寄る。普段は学校が始まる前に配達に出かけ、そのまま学校へというコースだが今日は休み。おそらく店番でもしているだろう。


「よ。って、オウラも一緒か」


 ドアを開け、入った先には店番をしているアンジェと話していたのか、カウンターの近くに置いてある椅子に座っているオウラが居る。


「ソラがクると聞いた。ワたし、待ってタ」


 今は翻訳のスキルを使っておらず、オウラの使う言葉はたどたどしい。

 学校での生活以外では翻訳を使わずに生活をしているらしい。その割に1月に一度はサンパーニャに来ては腕輪の耐久度回復をしているから勉強に相当時間を費やしていそうだ。


「で、ソラは1人分しかご飯用意してないの?」


「アンジェは自分で作れよな。いつも俺の飯強奪しやがって。で、オウラ。俺に何か用か?」


 オウラは俺たちに正体を明かして以降、敬語を使われるのを極端に嫌がる。

 最初の頃は敬語で話すだけで無視をするほどだったから、他に人が居ないときにはタメで話している。

 『ゼットア』の王女の割には妙なところで庶民派だし。

 それにしてもアンジェは何故いつも俺の食いかけばかりを狙って強奪する。

 手をつけていないものは何となく取り辛い、と言っていたが手をつけたものこそ取り辛いと思うんだが。


「いイ本があれバ、教エて欲しい」


「といっても最近あまり本読んでる時間無いぞ? スコットやソフィアには聞いたのか?」


「4人とモ、本ハ教科書バかり。ソラの本、読みタイ」


 最近は本よりも、計画書や仕様書など仕事に関わる書類を見ている時間の方が長い。

 他国の姫に見せるものでもないし、それなら勤勉家の2人に頼んだ方がいいだろう、と思ったが勉強に追いつくので精一杯なのだろうか?

 オウラがこっちに来たときはまだ今の段階まで全体が進捗していないこともあり、ある程度時間も持てた。だからこそ図書館にオウラやアンジェを引っ張ることも出来たし、勉強がてら本を読み漁ることも出来た。アンジェに至っては基礎の勉強すら危うい所だから何度も足を運ぶことになっている。

 その名残か、時折こうやって色々なことを頼まれる。

 時間があれば俺も付き合うんだが、今日もこの後も仕事だ。

 というわけで昼食を微妙にずれた時間で取っている訳だが。


「おい、お前ら何で俺の手元を見てやがる」


 食べ始めると熱心に俺、正確には俺の持っている食べ物に視線を向けてくる2人。

 無視をするとおそらくタイミングを見計らって奪われる。だからといって牽制をしながら食べるのもどうかとも思う。

 まあ、オウラが人のものを奪うとも思ってはいないけど。


「ソラのご飯、いつも美味しそうだな~って思っただけだよ。ボクもお腹空いてるわけだし」


 わけだし、なんて言われても譲るつもりはない。

 といっても普段は奪われても、何故かその分他の食べ物で返してくれる以上損はしていないから構わないと言えば構わないんだけれど。


「ソラの料理ハ興味深い。わたシ、美味しいもの、食べたい」


 オウラはオウラで王族の割には出店のメニューを好んだり、俺が作るものを好んで食べようとする。

 その時はわざわざ翻訳までして丁寧に感想をくれるから助かっている。のだがその場合はやはり強奪することには変わりない。

 そのうち王宮に招いて食事を振舞ってくれると言ってはいるがそれは遠慮した。

 ただ、こちらにはない食材もあるそうだからそれに関しては機会があれば持ってきて欲しいとは言ったが。


「で、それはともかくだ。オウラ、良い本が見つかったら教えるよ。俺はもう戻るな」


「分かっタ。本、期待シてる」


「えー。もう行くの? もう少しゆっくりしていったら良いと思うんだけど。お茶も出すよ?」


 素直に頷いたオウラに比べ、アンジェは店によるたび俺に長居をさせようとする。

 そのたび何かにつけ商品を薦めてくるのだが、何でこうも仕事熱心なのだろうか。

 前にアンジェのおばさんに聞いたときは普段は余りそういったことはしないらしいんだが。


「まだ仕事が残ってるんだよ。ギルドに提出しなきゃならない品も幾つか溜まってるし、おやっさんの所にも顔出さなきゃならないし。あんま油売ってるわけにもいかないんだよ」


 友達と過ごす時間も大切なんだが、今仕事を投げ出すわけにも行かない。

 今回の仕事が成功すれば街道の安全も多少は確保される。俺はそれの主要な部分には携わっていないが、それでも大切な仕事であることには変わりない。


「分かってるよ。少し言ってみただけ。ソラ、帰り早くなりそうなら寄ってね?」


 少しだけバツの悪そうにアンジェは首を竦めるとそれでも再びの来訪を依頼した。


「ま、早くなりそうだったらな。じゃ、またな」


 見送る二人を背に店を後にする。

 どうしてか嬉しそうにはにかむアンジェとやれやれ、といった感じで苦笑をしているオウラが印象的だったがあれはどういうことだったんだろうか。



「何か疲れてるみたいだが、平気か?」


「ええ。まあ、問題ないです。それより、どうです?」


「ああ。お前さんの言ったようにだいぶ性能は上がったな。だが、扱いの難易度はそれ以上だ。これを作れるのはこの町でも片手に収まる程度だろう」


 おやっさんや他の中小の工房を巻き込んでの企画も打ち出している。

 というか、おやっさんが主体となって都市の防衛機能を高める手段を講じているというのが正しいか。


「では、維持は原案の通り魔術師を主体に? 自然の魔力を循環させられるようにするだけでもだいぶ変わるとは思うんですが」


「そっちに関しては今までの実例がないからな。お偉がたもそういったのには随分と煩く言いやがる」


 おやっさんの言うお偉方、つまり貴族や王宮勤めなどで権力を持つ者は魔術師であることが多い。

 特に、この国ではそれが顕著だ。だから、国の重要なことに関しては魔術師が優遇されることがほとんどで、魔力を持っていても魔術が使えないひと、魔術に頼らない事項に関しては後回しにされるか蔑ろにされることが多いそうだ。

 だが、ほとんどの人は魔術は使えない。正確には数に限りがあり、高価すぎる魔具がほぼ必須のため使えない環境下にあるというべきか。

 そのため、魔術に頼らない防衛機能の構築を目指し、研究を進めている。


 現状、対モンスター用の侵入阻害手段は大きく分けて二つ。城壁などの壁と、魔法陣による障壁。

 村では城壁などは当然作る費用はないし、魔法陣も場所によっては脆く時折モンスターの侵入を許す場合すらあるらしい。

 元々おやっさんはこの『学術都市バーレル』ではなく小さな村の出身で、その頃からごくまれにだが村の近くにまでモンスターがやってきておりろくに村の外に出ることは出来なかったらしい。

 最近は魔王の復活の予兆なのかそれはさらに顕著になっているそうだ。

 だが、その一方で魔術師の絶対数は少ない。

 そのうち魔術師が常駐している村や町以外はモンスターに怯え暮らさなければならなくなる可能性すらある。

 だからこそ、魔術師に依存しない方法での障壁の構成を作るため様々な手段を模索している。

 と、魔術ギルドがそれを面白く思わず表立っては居ないが様々な嫌がらせを鍛冶師ギルドに対し行ってきている。

 まあ、それを反対するのが魔術ギルドだけ、というのが図式としてあるのがせめてもの幸いか。


 それはともかく。原案は今まで通り魔法陣の維持は魔術師が行い、それを増幅させる装置を鍛冶師ギルドで作り設置する。

 それで魔術師の対面はある程度保てるし、効率も向上する。

 ただ、やはり難点としては魔術師がある期間までにその設置箇所に出向く必要があると言うこと。

 そこで次の案が、一定間隔で装置を設置、それに魔力を篭めることにより魔法陣を構築、障壁を展開するというもの。

 それには装置自身に自然に在る精霊の力と魔力を利用することで増幅、還元によりある種の半永久機関を作ると言うものだ。

 これであれば時々メンテナンスと足りなくなりそうな時に魔力を持った人が補填することが出来、ほぼ魔術師の力を必要としなくなる。

 魔力を持っていながら魔術師でない人は潜在的なものも含めると魔術師の少なくとも10倍以上は居るはず。

 魔術は特別なものではない。それが、俺が広めようとしているものの一部でもあるわけだし。


「それで、お前さんはどっちが良いと思うんだ? 少なくとも、お前さんやジェシィなら作れるだろう?」


「俺個人としては、改定案に乗りたいと思ってます。といっても、その場合はサンパーニャとは関係のないところで動いた方が良いのかもしれないですけどね」


 話したら賛同はしてくれるだろうが、俺の隠れ蓑として利用するようで心苦しい。

 にしても、おやっさんもジェシィさんの状況は知っているのにそれでも仕事ができると考えているのはどうしてか。

 職人同士、何かわかりあうものでもあるのだろうか?


「それはしっかりと話し合いな。こればかりは俺も口は挟めんからな」


 笑い飛ばすおやっさんに背を押され、工房を後にする。

 おやっさんも色々と調整や試作品の作成で何かと忙しいそうだ。俺ひとりに構っている時間も無いだろう。


 サンパーニャに戻ると、また仕事の続き。今日作らなければならないものも幾つかあるし、何より作るたびに新しい発見がある。

 その結果、割高だが日常生活に使えそうなものを幾つか生産することが可能となった。

 そういったものもある程度作って『魔術工房』自体を一部の愛好目的や狩りや旅以外でも必要とされるものになればいいと考えている。

 まあ、こっちに関してはどうとも言えないし、直接どうこうできるものですらないんだが。

 できることをこつこつと。正直面倒だがそれを怠っては何も出来ないだろう。

 あくまで高いのは現状のシェアを奪わないため。

 正直、魔術品は発展次第で現行の商品を多く駆逐する可能性すらある。

 今は大規模な装置を作っておらず、また仕事や生活の一部を魔術品で補うと言うことが浸透、というよりも考えとして持っていないらしい。

 だからこそそれの開発には慎重にならざるを得ないんだが、調整が難しいところだ。

 割高なのはそのためでもある。一度にそれを全て入れ替えてしまうと既存のものの価値が崩壊しかねない。


 夕方過ぎには仕事を終え自宅、ではなくお姉さんの家に。

 週に1~2回はジェシィさんの経過確認を含め寄っているし、相談事も少なくない。

 ジェシィさん自身週の半分は店に顔を出しお姉さんを指導はしているが、ゆっくりとした場での意見交換も必要といわれ機会を設けている。


「ソラくんはどうしたいのかな。私は君のことを考えると、そろそろ君自身の評価をされる活動をしたほうがいいと思っているよ」


 ジェシィさんに話してみると思いのほかあっけなくそう返された。

 ついでに今は俺とジェシィさんの2人だけで話している。

 メレスさんとお姉さんは夕飯の準備中で台所に立っている。


「いいんですか? それだと暫く町を離れる可能性もありますし、サンパーニャの仕事より優先しなきゃいけない可能性もあると思うんですが」


「構わないよ。元々あの店は私が1人で回していたんだからね。ミランダも君のおかげで一通りの仕事はできるようになったし、いっその事君の店を持ってみたらどうだい?」


「開店資金を集めるのも今は大変ですし、1人でやっていたら無軌道になるのは分かっていますので今は考えてないですよ。それより、そろそろ腕、診ますね」


 俺がもし店を構えるとおそらくとんでもないことになるだろう。今でさえ俺の工房自体人に見せられない様相を呈しているわけだし。

 この世界にはほとんど医者というものが居ない。魔術やポーションなど、外傷に対して有効なものが多いのがその一因を担っている。

 内臓系の疾患にも一部効くという話だし、機械化も進んでいない状況ではそれも仕方ないのかもしれない。

 だから俺のにわか知識とスキルだけでも簡単な診断程度は行える。

 といってもリハビリを中心にゆっくり治して行くしか方法は今のところないんだが。

 スキルにより鎮痛剤の調合もできるんだが、それを使うと全身の感覚が酷く鈍る。普通に生活する程度には問題はないんだが、鍛冶をする場合は全身の感覚を使う。中毒性の有無も分からないし、何よりそれを阻害することはできるだけ避けたい。

 まあ、経過は順調と言ったところだ。このままであればあと数ヶ月もすれば復帰も可能だろう。

 その分の遅れを取り戻すのは大変かもしれないが、出来ないことではないだろうし。


「随分と良くなっていますね。日常生活はもう支障はないですか?」


「おかげでね。鍛冶はまだ出来そうにないけど、それ以外はもう問題なくこなせる」


 最初の約束のおかげか、色々と聞きたいはずなんだろうけれど、ジェシィさんは俺の力に関しては聞こうとしない。

 治療に関わらず、普通の鍛冶に関してもそれはほぼ同様なのだけれど。いや、俺の鍛冶の技能がある一定以上のレベルにあるという事実がある以上、店の指針と意見交換以外は求めてこないというのが正しいのだろうか。


「では、俺はこれで。もし何かあれば家にまで来てもらえれば助かります」


 夕飯を一緒に、と勧められたが何度か呼ばれていることもあり、仕事の話が長引かないのならそれは断るようにしている。

 あまり何度もご馳走になるのもどうかと思うし、家族の時間も大切だ。忙しい時は寝るのと着替えるためだけに帰っていたこともあったし。

 そんなわけで帰宅し、夕食を摂る。父よりある意味では働き人のような生活をしているが、まあそれももう暫くは我慢か。


「ソラ、明日空いてる?」


「大丈夫。特に仕事もないし。何かあったっけ?」


 食事を摂り、レニを寝かしつかせた後、本を読みながら居間で寛いでいると母に話しかけられた。


「買い物に付き合ってよ。明日はトニーがレニのこと見てくれるらしいし、何よりソラと最近ゆっくりする機会なかったから」


「いいけど、父と出かけた方がいいんじゃない? 2人で出かけることなんて滅多にないだろうし」


 この町は娯楽は少ないが、出かけられる場所はそこそこにある。デートスポットのような場所こそないけれど、ゆっくりと過ごすにはちょうど良さそうな場所には事欠かない。

 まあ、俺自身デートの経験自体ないからどういった場所が気に入るかなんて分かりようもないんだが。


「トニーとでかける機会はあるから平気。子供が変な気使わないの。じゃあ、昼前には出かけるから忘れないでね」


「りょーかい。じゃ、俺少し地下に居るから」


「遅くまで篭もらないように。いいわね?」


 呆れたような母の言葉に首肯で返すと地下の俺の工房へと足を運ぶ。



 ランプに魔力を流し込み起動させると、薄暗い工房の中が俺の前に映し出される。

 といっても俺しか入れないため中が変わっているわけもないが。


 この工房にはサンパーニャでは扱えないものを個人的に幾つか作っている。

 部屋の灯り用のランプもそうだが、メインは魔具。

 俺が作る魔具は全てが最高級品。どれだけ手を抜こうが今のところ属性石、つまり魔術を発動させるコア部分に関しては天然物を除けばスキルに頼るしか方法がないためレベルが低いものは作れない。

 それに対し武器であろうと防具であろうとアクセサリーであろうと取り付け、加工したものは全てが一級品になる。

 今此処にストックしている魔具は全部で10個。各属性に加え、複数の属性を持つものなど、売れば相当な金額になるものがほとんどだと言える。

 その過程で少し困ったことも発覚したんだが、まあそれは今は関係がないから置いておこう。

 今必要としているのは符。錬金術師が小遣い稼ぎに作るとも、初心者用とも揶揄される魔法の1つ。

 まあ、魔術ギルドは詠唱術と魔法陣以外は魔術として認めていないんだが。

 といっても、露店時の防犯や精霊を伴わない魔法に関してはこっちの方が即時性や持続性があり便利だ。

 種類を決めて持ち歩けば魔術よりも汎用性は高いわけだし。

 そんなわけでトラブルに巻き込まれた時のために最近は符を携帯するようにしている。

 仕事時に何だかんだで使うこともあり、それ以外でも物によっては使いどころは多い。

 多めに持っておく分には問題はないだろう。


 少なくなっている分を補充すると、改良中の炉の前に座る。

 炉は、最初使ったとき、命の危険を感じた。

 上手く排煙が出来ず、部屋の中は煙だらけで温度も上がる一方。

 視界は確保できないわ、煙くて碌に息は出来ないわ、熱いわでかなりしんどかった。

 そんなわけで途中で魔術を惜しみなく使い、部屋を水浸しにしたのは笑い話にもならない。

 そのため、排煙処理と換気、あと炉自体を熱が過剰に出さないように現在調整中だ。

 炉自体も全部手作りだし、なくても作れるからこちらはゆっくりでいいだろう。

 この工房で作るものはあまり売れるものは多くはないが、いざとなった時のための備蓄庫にもなる予定だしやりすぎない程度に抑えながら作る予定だ。


 最後に工房の整理などをし、寝ることにした。明日は余り早くはないとは言え、出かけるわけだしあまり遅くまでおきていても響くものもあるだろう。



 いつも通りの時間におき、朝食を摂り、一応身だしなみを整え、出向いたのは商業区の一画。


「それで、今日は何を買いに? 食料品でも?」


「それもあるんだけど、ついておいで」


 母は俺の手を何度か取るが、恥ずかしいのですぐに外す。

 25の女性と手を繋ぐこと、というよりも母親と手を繋いで歩くのは流石に恥ずかしい。

 もう少し俺が小さければ恥ずかしさを我慢してでもそうした方が自然だったんだろうけれど。

 というか、こんな場面を見て揶揄する知り合いが多すぎる。ただでさえ俺はそこそこ注目を浴びてるわけだし、これ以上悪目立するのは本意ではない。

 こういったときに限って誰かしらに会うのはいつものことだし。


「…………こんに、ちわ……」


「ああ。久しぶり、リーゼ」


 そう考えていると目の前には俺の従姉弟のリーゼが居る。

 相変わらず気配が察知し辛いんだが、特技か何かなんだろうか?


「ええ。こんにちわ、リーゼちゃん。今日はお使いかしら」


 こくこくと首を縦に振るリーゼはやはり可愛らしい。どこか小動物を彷彿とさせるものがあるし、守りたくなるような子だ。


「ならおばさんの買い物に付き合ってくれたら嬉しいんだけど、大丈夫?」


 少し迷った後小さくリーゼは頷く。


「いいのか? 昼の買い物とかだったらシエッタさんも困るだろ? 母の気まぐれは今に始まったことじゃないし、まずいなら断っても良いんだぞ?」


 今度はふるふると首を横に振る。今は特に何も持っていない以上、これから買いに行くのかもしれない。


「私たちは買い物してくるから、ソラは食べ物買ってきて。お金はこれ。残ったらお小遣いにして良いから、買い終わったら此処に戻ってくるのよ」


 母は銀貨1枚、俺に渡すとリーゼを抱えるように連れて行った。余りの展開に言葉を失ったが、時折母はああなる。そうなったときは母が満足するまでそれを容認するしかない。まあ、リーゼも悪いことにはならないだろう。



 何を買って来いとも、どれだけ買って来いとも言われなかったため、適当に貰った金額いっぱいに買い物をすると別れた場所で待つことになった。

 そこそこの量の食品を両腕に抱えているためか、じろじろと見られるが顔を隠すように袋を抱えているためばれる事はない、はずだ。

 そう何度も知り合いに会うこともないだろう。ない、はずだ。

 目の前でじろじろと俺を観察しているのも知り合いのはずがない。

 むしろ、姫がこんな場所で堂々と観察なんて、あるわけないだろう?


「やはりソラか。どうした、このような場所で」


「そっちこそ。またお忍びか?」


 この国の姫ことマイア・フィリウス・リグルイはどうやら随分と奔放らしく、度々こうやって用意されている屋敷を抜け出しては町を出歩いている。

 といっても近くに護衛は居るし、本人自体そこそこの戦闘技能を持っているため出歩くこと自体暗黙の了解となっているらしいが。


「自分で見聞きしたものでなければそれが正しいかどうかも分からぬ。私は、その義務があるからの」


 そうやってそっと笑う仕草は確かに良い所の出、というのが分かる。


「ま、いいんだけどな。けど、あんま周りに心配かけてやるなって。つーか、度々俺も巻き込まれてるのをどうにかしたいんだが」


「お主はそういうものさ。まあ、無理や面倒ごとには巻き込んでも戦場には駆り出さんさ」


 いや、そこは最低条件だろう。そもそも魔術職人に従軍義務はない。

 あるのは狩人や自衛団に所属している人や騎士など。あるいは税金を納められない農民など、だ。

 あとは雇われた傭兵や冒険者が有事の際は対応すると言ったところか。

 その代わり鍛冶師や商人に対しては有事に際して、優先的納品の義務がある。

 そんなわけで魔術職人として鍛冶ギルドに登録している俺は自分から従軍志願でもしない限り戦場に駆り出される事はないはずだ。


「で、それはいいとしてだ。どうしたんだよ、こんな所で」


「質問に対し質問で返すのは感心せんな。お主が答えたら答えよう」


 相変わらずやりづらい姫だ。


「人を待ってるところだよ。何処にいるか分からないし、此処で待ってるだけ。で、ひ……マイアはどうしたんだ?」


 姫と言おうとしたら睨まれたため名前で呼ぶ。

 自国の姫、しかも年上に対しタメ口を利くのは中々スリリングだが、オウラに触発されたのかそうしないとずっと不機嫌だ。

 マイア曰く、友人に対しそのような立場など不要らしい。

 王女を2人も友人に持つなんてあまり好ましくはないんだが。

 個人として考えると2人とも気の良いところはあるので気に入ってはいるが。


「先ほども言ったように、うろついているだけだ。それで見慣れた背格好があったから近づいてみただけのこと」


 見慣れた背格好ってなんだ。このくらいの身長幾らでも居るだろうよ。


「言っておくが、お主の気配は随分と特殊だぞ? 捉えられるのは一部のものだけだろうがな」


 俺の表情でも読み取ったのか、そう付け加えられた。なら最初から気配と言っておけばよかっただろうに。

 そういや、ハッフル氏も同じようなことを言っていたな。


「で、これからどうするんだ? 俺としてはさっさと帰ったほうが良いと先に言っておくが」


「何か不都合でも? 私は今日は用事もないし、お主に行動を決められる謂れはない。それとも、今日はお主が私を巻き込んでみるか?」


「いや、正しくは俺も巻き込まれる、だよ」


 マイアの後ろに居る、妙にテンションの高そうなうちの母に、な。



 母に連れてこられたのは予想したとおり、リーゼの家。

 マイアは妙に疲れた表情をしているが仕方ないことだろう。

 シエッタは困ったように笑うだけでフォローしてくれないし、此処は俺がどうにかするべきか。

 ついでに、リーゼは母に連れられながらも買い物は済んでいたらしくシエッタに何か袋を渡していた。


「母、とりあえず俺は彼女と話があるから」


 半分死んだような目で俺を睨むマイアを連れて外に出る。


「だから言ったろ。さっさと帰った方が良いって」


「詳しく説明をしなかったソラが悪い。それで、そんな話をするためにわざわざ私を外に連れ出したのか?」


「それもある。けど、正しい理由としては家の周囲に潜んでるやつらを追い払ってくれ。普通の民家に侵入でもされたら持たない」


 俺の家ならともかく、この家は普通の住宅だ。マイアの護衛役はマイアが頻繁に抜け出すこともあり相当の錬度を誇っている。

 俺にわざと発見させるほどの周到さも兼ね備えている分、性質が悪い。


「そういうわけだ。私は平気だから、突入はするな」


 そう宣言し、姫は中へと戻っていく。これで終わったと思っている分甘いと言うか信頼していると言うべきか。

 いや、抜け目がない分、何かしら手段を講じているんだろうけれど。俺も警戒だけしておけば良いか。



「で、ソラ。こちらのお嬢さんはどなたなの?」


 食事の準備が終わり、食べ始めたところで母が口を開く。


「俺の友人の一人だよ。名前はマイア」


「ええ、ご子息には良くしていただいております。今後はご家族の皆さまともお付き合いいただければ幸いなのですが」


 マイアは軽く口元をゆるめ、軽く頭を下げる。どれも、嫌味にならないような程度に、だ。

 生まれが良いというのも問題があるだろうな。

 事実、母もシエッタもリーゼも驚いているのか固まってるし。


「マイア、いいから早く食えよ。冷めない方がうまいぞ?」


「ソラ、美味しいって言いなさいって何度言ったら分かるの? 本当に、この子は」


 呆れたように母が息を吐くが長年の言葉遣いはそうそう治るものでもない。特に今は下手に普段と違う言葉を使ってマイアの正体をばらすわけにも行かないだろう。

 オウラなら気にせず自分から名乗り出そうなものだが。


「姉さん、男の子ならこんな口調なんじゃない? ソラくんだって男の子なんだし、少し乱暴な言葉だって使うと思うわ」


「でも、しっかりとした言葉遣いできないといつか苦労するわよ。シエッタだって覚えあるでしょ?」


「残念ながら私はそんなことはなかったわ。姉さんだって知ってるくせに」


 女性2人が話し始めると俺やフランクに口を挟める余地はない。リーゼは我関せず、といった感じで黙々と食べているし。

 マイアに至っては食べている間はほとんど話さない。当然テーブルマナーも完璧だし。

 というわけでリーゼや俺のことを中心とした母とシエッタの話を聞きながら食事を進める。

 正直、味なんてほとんど分からないが。母がついうっかり変なことを話すこともあるわけだし、細心の注意を払いながらの食事がうまいわけがない。



「あー、悪かったな。無理やり連れてきて」


「なに、気にするな。ああいった場での食事は中々機会もない。お主の知らない顔も見れたことだし悪いことではない」


 食事が終わり、一息つくとマイアを送るため外に出た。

 母はまだ何か話したいことがあるのか妙に不満げだったがあまり長居をさせるのも悪い。

 可及的速やかに屋敷に戻さなければ問題にもなりかねないし。


「俺の顔見ても楽しいことなんてないだろ。それよか、あれの使い心地どうだ?」


「ああ。さすが名高い工房の作品だけあって良いぞ。父上の土産に欲しいくらいだ」


 国王への土産品には幾らなんでもならないんじゃないだろうか。

 俺が試供品の名目で何人かに渡している道具がある。試作品というよりもプロモーション活動の一環といった方が正しいのかもしれないが。

 それの1つをマイアは良く使ってくれているらしい。俺の前で使うことがないので頻度や使い心地に関しては聞くしかないんだが。


「まあ、気に入ってくれて何よりだよ。じゃ、俺は此処までな」


 学術区の入り口まで着くと、立ち止まり見送ることにする。

 王族や上級貴族に関しては学園に通うためだけの屋敷を学術区の中に設けている。

 当然一般解放されている区画とは別の場所にあり、俺が立ち入ることも出来ない場所に立てられている。だからこそ送っていっても此処までだ。姫と一緒であろうと近くに立ち寄っただけで追い払われかねないし。


「ああ。今日は食事もいただいたし、改めて礼を言っておいて欲しい」


 礼は何度も言っていたような気はするが、随分と腰が低いと言うか律儀だと言うか。

 悪い印象を与えない以上、問題はないんだろうけれど。


「分かった。ま、今度はもう少しゆっくりと食事をとれる機会でも作るよ。またな」


「あ、ああ。うん、待ってる」


 ほんの少し表情を緩めた姫を見送ると、俺も帰路につく。

 そういえば、母の買い物はあれで済んだのだろうか?



 それから一週間が過ぎ、町に不穏な噂が流れ始めた。

 曰く、モンスター達の王となるものが現れた。

 曰く、闇を統べるものが暗闇の底から這い出した。

 曰く、世界を滅ぼすものが破滅の鐘の音を鳴り響かせた。


 つまり、魔王と呼ばれるものが世界に現れた、と。

 これはまだ旅人から聞いた話、という噂程度だ。

 だが、確実に魔王は誕生したんだろう。愚かな神の暇つぶしのためだけに。


 そして、それに対応するようにマイアとオウラがそれぞれ王都に戻ったらしい。

 トールから聞いた話では、神から賜った神託により『勇者』を召喚するため、だそうだ。


 全く、折角町も活気付き始めたところだと言うのに。精々俺に出来る事を始めるか。


時間を多少圧縮して話を進めてみました。

次回は勇者の話に、なる予定です。


装備やスキルに関してネタが尽きたんですけどどうしたらいいでしょうね…。アンケートでもとるべきでしょうか?


評価やつっこみ等ありましたらお願いします。


2011/11/13 誤字等訂正いたしました。

bibliomania様、kent様、ごるば様、ありがとうございます。

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