#1-2 To nurse
授業終わりの 、チャイムが鳴る 。
やっと 、50 分が経ったのか 。
時間が過ぎるのが 、遅く感じる 。
まだまだ 、咳は止まらない 。
ここは保健室だから 、教室より空気が良い筈なのに 。
あれ 、授業始まりのチャイム前に薬飲んだよな ?
全然効かないんだけど ...
今日も 、保健室を利用している 。
天気は1日中雨の予報が出ていて 、今も雷が落ちる程の大雨 。
そのせいか 、いつもよりも体調は悪く 、薬も効かない 。
最近は 、喘息の症状も酷くなっている 。
ほとんどの生徒が 、学校を休むくらいの体調だけど 、
家族は許してくれないだろうから 、一旦学校に来てみた 。
いつもは 、1 時間だけ 、保健室で休ませてもらっている 。
たまに 、薬が良く効く時があって 、その時は保健室には来ない 。
だけど 、今日は珍しく 、朝から保健室に居る 。
体調が悪いのもあるし 、授業を受ける気力がないのもある 。
何より 、喘息の発作が 20 分に 1 回くらい来る 。
多分 、OD用の咳止めの市販薬がなくなったから 。
「 大丈夫 、か ... ? く 、薬 、飲んだ 、よな ? 」
「 飲んだっ 、効かへん 、! 」
なっちゃん 、優しいなぁ ...
自分の体調も悪い筈なのに 、心配してくれてる 。
ちなみに 、友達は結構居るらしい 。
コミュ力 、高いんだって !!
確かに 、話しただけでわかるもん 。
陽キャオーラが出てるってゆーか 。
俺も友達は居るけど 、幼馴染みたいな感じやもんな ...
なっちゃんは 、月に 1 回 、2 週間ほど保健室に居る 。
ガタが来ちゃうと 、教室には長い間戻れない 、みたいな ... ?
だけど 、クラスの人達がよく来るから 、不登校とかではない 。
ガタが来ると 、そんな元気なくなるよな 。
なっちゃんは 、統合失調症って病気を持っているらしい 。
俺もよくわからんけど 、陽性ってやつと陰性ってやつがあるらしくて 、
なっちゃんはいつも陽性の時に保健室に来てるらしい 。
陽性って結構明るいというか楽しいみたいなイメージ持っとったんやけど 、
実際は明るすぎていろいろ考えすぎちゃうから 、人と一緒に居ると苦しくなるんやって 。
陰性の時は 、感情がないから 、なんでも人に合わせれば意外といけるらしい 。
いや 、俺にはできそうにないで ... ?
なっちゃんの 、慣れ ? が出とるんやないかと思う 。
相当悩んで来たんやなと思うと 、俺まで心が痛くなる 。
なっちゃんは 、家族から学校側に 、病気のことは伝えてあるらしくて 、単位の心配はないんやって 。
良かったな 、なっちゃん 。
「 ... あれ 、先生は ? 」
「 花壇に水やり ... ? 多分だけど 。 」
「 でもっ 、そろそろ 、帰って 、くる 、!! 」
「 ぇっと 、なっちゃんと 、そら 、ありがと~ !!! 」
先生 、いつも朝は 、花壇に水やりしてるんよね 。
保健室は学校の裏にあるんやけど 、あんまり目立たないところでも 、先生が立派にお花育ててるんよ !!
ちゃんと 、涼しい時間帯に水やりをして 、熱中症に気をつけてるところ 、
保健室の先生らしくて良いよな 。
いや 、理科の先生かも ? 笑
お花さんも 、毎日水やりしてくれてて 、嬉しいやろうなぁ 。
最近植えたばっかりやから 、卒業する頃には 、もっと育って綺麗になっとる筈 !!
「 あ 、唯花ちゃん !! ごめんね 、水やりしてた 。 」
「 大丈夫ですよ ! 」
「 それじゃあ 、隣の部屋行こっか 。 」
ゆいゆいは 、休み時間に 、保健室へよく来る 。
いつも俺と時間が被るわけじゃないから 、毎日かはよくわからない 。
だけど 、昼休みは大体居る 。
なんならここで弁当食べてる時もある (
でも 、体調が悪いとか 、そういうのではなさそうなんよね 。
ゆいゆいは 、いつも 、先生と個室に行っている 。
ベッド 1 つだけがある 、所謂隔離的な部屋 。
よく 、熱を出した子とかが 、家族が迎えに来るまで 、その部屋で待機してるとかあるんだけど ...
ただ 、そういう子はほとんどおらんからね 、大体は空いてる 。
いつも 、その部屋のドアが開いているところしか 、見たことがない 。
少しだけ聞いたことがあって 、いつも先生に悩み ? を相談してるらしい 。
その話を聞くまでは 、相談しているなんて 、全然気づかなかった 。
本当に部屋から音が聞こえないもん 。
だけど 、時々聞こえてくる音がある 。
男の子の声 ? みたいなのが 、聞こえてくるんだ 。
保健室の先生は女性だし 、ゆいゆいも勿論女の子 。
かといって 、その部屋は保健室からしか入れないから 、他の先生というわけでもない 。
それだけが 、不思議 。
「 そら 、次の授業 、始まるぞ ? 」
「 あー 、... まだ調子悪いし 、少しだけっ 、残ろうかな 。 」
「 先生戻ってきたら 、伝えろよ 。 」
「 うん 、 」
もう 、そんな時間か 。
雷の音は 、あまり聞こえなくなった 。
天気 、少しは良くなったんかな 。
それだったら 、そろそろ薬効いてくるな 。
授業 、途中からでもいっか 。
英語やし 、ゆーてわかるやろ 。
卒業するまで 、これからも毎日 、保健室に通うんだろうか 。
自分でもわかってる 、甘えてることなんて 。
先生は 、学校に来るだけでも偉いって言うけど 。
俺は 、ずっとこの病気と生きてきたんだから 、この身体には慣れてる筈 。
なっちゃんだって 、慣れてるからこそ 、2 週間しかいないじゃないか 。
こんな病気が無ければ 。
こんな身体じゃなければ 。
もっと楽しい人生だったんじゃないかって 。
今更 ?
そもそも 、生まれてきた意味ってなんなんだろ 。
生きてなくても 、良かったのに 。
先生 、俺の病気は治るんですか 。




