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翡翠さんタイムトラベル――巫女が女神に送り込まれた歴史や物語に介入して胸くそを潰します  作者: 青い水


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翡翠さん、いよいよエンタメ業界に打って出る

話の規模が大きくなってきました。ロリータは新しい人生のステージで順調に成長するのでしょうか?って、あれれ、今回は登場していませんね。


「女神はすっかり20世紀のアメリカ芸能界にのめり込んでいるな。まあ、われわれが聴いている音楽ジャンルのほとんどが20世紀後半に確立したのだから、その現場に居合わせるのは楽しいだろう。翡翠の邪魔さえしなければまあいいか。」






「女神様、待たせたな、みたいな顔をして急に入ってこないでください。」


「いや、ライブハウスができたと聞いておとなしく引っ込んでいられるか。私が音楽の女神としてプロジェクトを引っ張らないと。」



挿絵(By みてみん)



「ステージから客席に梅干しを投げるパフォーマンスとか、本当にやめてくださいよ。」


「そんな心配はいらない。今は試練の女神ではなくて音楽の女神だ。歌を届ける。」


「本当にステージに上がるつもりなんですね?」


「なんだ、不満そうだな。」


「いえ、そんなことは...」


「私が人気を独占してしまうのが怖いのか?」


「それはちっとも怖くありません。演者は多いほうがお客さんも喜びますから。」


「なら問題はないだろ。芸名、何にしようかな?」


「ガッデスじゃダメなんですか?」


「畏れ多いと好感度が下がる。」


「じゃあ、サワーとかプラムとか。」


「ふん、sourに否定的な意味があるのを知っての罠か。見くびられたものだ。」


「あ...」


「試練にかけてSireneとか、いやダメだ、アメリカだとサイレンと呼ばれてしまう。」


「本名がないって悲しいですね。」


「変な同情をするな。気が滅入るわ。」


「誰が見ても女神様にしか見えませんよ。」


「神格は隠せないか....となると音楽の女神だからミューズにしておくか。」


「良いですね、それ。Hi, guys! I’m Muse from Heaven. ありがたい気持ちになります。」


「まんまだと引かれる可能性もあるな。少し崩してミュージー、うん、これにしよう。」


「あ、すごく芸名っぽくなりました。」



 メロが大きな紙を持ってパタパタ飛んできた。


「ねえ、店のポスターができたよ。」


「家の中だからって堂々とサキュバス形態にならないでください、メロさん。」


「だってみんな知ってるじゃん。」


「ロリータちゃんは知りません。見たらびっくりして倒れちゃいます。魔物だという自覚を持ってくださいね。」


「まあそう怒るなって。ほら、ポスター。」


挿絵(By みてみん)


「あら、メロさんが堂々とサキュバス姿。」


「コスプレだって言い張るからOKなのだ。」


「店内で飛ばないでくださいね。」


「ワイヤーアクションだと言い張るのは?」


「うーん、宣伝になるからまあ良いでしょう。」


「私も翼が出せるぞ。」


「女神様はダメです。音楽に集中してください。オープンは明後日なので、セトリなどを決めて香盤表を作ってくださいね。私はちょっと出かけてきます。」



 翡翠はロスチャイルド財団ニューヨーク支部を訪れた。


「こんにちは。不動産の件、ありがとうございました。おかげでグリニッチにとてもよい物件を借りることができました。そしてさらに、ライブハウスの店舗も借りました。グリニッチから新しい音楽を発信して参ります。」


「それは素晴らしい。翡翠様ならきっと事業は大成功になるでしょう。」


「そこでお願いなのですが、私たちのアーティストを所属させる芸能事務所を立ち上げてもらえないでしょうか。所属なしのフリーの状態ですと、スカウトが沸いてきて対応が面倒になります。こちらで新規に立ち上げてもらえば安心してアーティストを預けられます。音楽産業は20世紀後半に巨大なマーケットになるはずです。テレビの普及によってメディア環境が劇的に変わりますからね。」


「なるほど、翡翠様の慧眼は現代美術のときも大きな富をもたらしました。今度は富裕層向けではなくて広く大衆が相手ですか。世界規模に展開させられますね。我が財団としても新しい挑戦になります。ぜひやらせてください。社名は何にしましょう?」


「メロディハウスはいかがでしょう?」


「おお、響きが良いですね。株式会社メロディハウス。財団は映画産業やラジオ局にもコネクションがあります。きっと大きなうねりを作り出せると思います。」



 数日後、翡翠は女神とともに「メロディハウス」の新社屋を見に行った。



挿絵(By みてみん)



「ここね。女神様もいったんはここに所属してもらいます。」


「私はフリーでも良いのだがな。縛られるのは好きではない。」


「いえ、マネージメントをしてもらわないとプロの仕事は動かせません。」


「そういうものなのか。」


「そういうものなのです。ただ、女神様を含む異世界組は一時的な所属にすぎません。帰還しなければなりませんからね。ロリータさんだけはここに残ります。そうなるとタレントひとりだけということになってしまいますが、私たちが帰還するころにはもっと人も増えているでしょう。私はこの会社に経営に口を出すつもりはないので、あとは勝手に育ってくれると思います。」


「レコードが売れたら印税がガッポガッポだな。」


「女神様はお金なんか必要ないでしょう。」


「いや、リアルマネーで豪遊してみたい。ギロッポンで。」


「女神様、いつの時代の人なの?」


芸能事務所「メロディハウス」。アメリカの会社だからガバナンスはしっかりしてそうです。日本のように所属タレントにセクハラするような輩はいないでしょう。

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