翡翠さん、ロリータのガールズサマーキャンプを女学生の館で行う提案をする
挿絵が多い回だとキャラの同一性を確保するのが難しいですね。
「青水よ、つまらんので戻ってきたぞ。」
「あんた、ただかき回してきただけじゃないか。」
「いや、十分にビビらせてきた。当分、馬鹿な真似はできないだろう。」
「それにしても精気不足のメロのビジュアルはヤバかった。」
「ああ、いくら魔物だとしても、あの姿でハンバートと絡むのはアウトライン的にアウトになりかねん。私のはちょうど良いかわいさだったがな。」
「おまえはビジュアルより台詞がアウトだよ。魔物より怖いわ。」
「だってニンフェットじゃなければイヤだなどと理不尽な駄々をこねるからな。ニンフェット<ニンフ<越えられない壁<女神だろうが。頂点に立つ存在を最下層と比べて否定するなど狂気の沙汰だ。」
「女神を抱きたいなんて人間の男はほぼ皆無だろう。男の性的欲望の根底には支配欲があるからな。ハンバートのようなロリコン野郎はその支配欲が歪んだ形で肥大化している。理想としては自我を持たない相手、そうピグマリオンが作り上げて愛したガラテアのような存在を夢想している。」
「自分が書いたキャラに惚れ込むどこかの作家みたいだな。」
「おい、変な目で俺を見るな。」
「ふふ、神である私も結局はおまえが書いたキャラだから、惚れられても仕方がないか。」
「あ、そっち?そっちに屈折する?(まあいいか)」
「好き勝手にコス着せたり変形させたりして弄んでも良いんだぞ。」
「あ、そうですね。いつもありがとうございます。読者も喜んでいますよ、きっと。」
「なんだ、妙に素直だな。」
「いえ、それでは女神ちゃんの今日のグラビアをお願いします。」
「良いだろう、ほれ!」
翡翠たちは夏の陽光のもと、プールサイドでくつろいでいた。
「ロリータちゃん、なんだか元気がないわね。何か悩み事?」
「ママがね、夏休みは遠くのガールズキャンプで過ごせと言ってるの。女の子だけのキャンプで男の子と触れ合わないようにって。」
「まあ、遠くに行っちゃうの?寂しいわね。」
「私、男の子と触れ合わなくてもかまわないけど、みんなと会えなくなるのが辛い。」
「じゃあさ、女学生の館でガールズキャンプするってことにすれば?ここなら男の子もいないし、お金もかからないわよ。楽器もステージもあるから、音楽の練習もできるわ。私も付き添ってあげるので、お母さんに提案してみれば?」
「本当?良いの?」
「ええ、ここはたくさん部屋があるし、全然問題がないわ。楽しい夏にしましょう。」
「やったー!きっとママも賛成してくれる。」
ヘイズ家では相変わらずシャーロットがハンバートに迫っていた。
「ねえ、私良いことを思いついたの。ロリータをガールズキャンプに参加させて、この夏を二人きりで過ごさない?」
「え...二人きりと言われても、ぼくは文献調査で遠くの大学図書館に行くことも多いし、そうそう一緒にはいられないかな。」
「お邪魔じゃないなら私もついていくわ。」
「いや、文献調査だから図書館に籠もることになるんだ。」
「そう....ならば良いわ。帰ってくるまで待ってる。ケーキを焼いて待ってるわ。」
「そうかい。できるだけ早く済ませるように努力するよ。さて、また執筆に戻るよ。またね、シャルロット。」
「頑張ってね、ダーリン。」
シャーロットの目が離れると、ハンバートはこっそり戸外へ出た。以前から気になっている「女学生の館」をどうしても自分の目で確認したくてたまらなかった。門が閉じていて中はうかがえなかったが、プールで遊ぶ少女たちの楽しそうな嬌声が漏れてきた。門に隙間がないか、塀にのぞき穴がないか、ハンバートはあたりをかまわず探し始める。不審者そのものだ。警察官が通りかかったら1発アウトかも知れない。そのとき門扉が少し開いて水着の少女が姿を現した。
「あら、ハンバートじゃない。」
「あ、あのときの!」
「ここに何かご用かしら?ここは男子禁制の女子寮なんですけど。」
「た、助けてくれ!」
「何よ、人を化け物みたいに。まあ魔物ではあるけれどね。で、どうしたの?また精気を捧げに来たの?」
「勘弁してくれ。もうここには来ない。」
文学者にふさわしい文弱のハンバートは心臓が止まる勢いで走り去った。
「ママ、スイが来てくれたよ。」
「こんにちは、ヘイズさん。」
「初めまして、ヘイズさん、私はメロと申します。」
「ママ、夏休みの計画について提案があるんだ。話を聞いてもらえるかな?」
「まあ、おそろいで。良いでしょう。どうぞお入りください。」
「お邪魔します。」
「ヘイズさん、ローから聞きましたが、夏休みにガールズキャンプに送り出す予定だとか。」
「はい、集団生活で人間的成長を促す良い機会かと思いまして。」
「ぜひ私たちの女学生の館でローのサマーキャンプをさせていただけませんか?」メロは何の前振りもなく直接切り出した。
「うちは楽器もステージも揃っているし、世界中から女の子が集っているので国際性も身につきますよ。」横目でメロを睨みつつ、翡翠がフォローした。
「ママ、お願い。あそこにはプールもあるの。歌もダンスも水泳も、そして外国語も勉強できるのよ。」
「実は私たち、とある財団から音楽の才能で選考されてここに集められたのです。戦争で学び舎を失い、途方に暮れていた私たちには渡りに船でした。資金が潤沢な財団なので、とても贅沢な作りになっています。」
「まあ、それは素晴らしいわね。でも費用はどのくらいかかるのでしょうか?私は寡婦なのでそれほど余裕がありませんの。」
「費用だなんて、そんなものは1セントもかかりません。食事宿泊すべてのホスピタリティは財団が提供します。どうか安心してロリータさんを私たちに託してください。」
「まあ、なんて夢のようなお話。甘えてもよろしいの?」
「はい、ぜひ!」
「サマーキャンプなので、近所だけど家には帰らないからね、ママ。」
「わかったわ。楽しんできなさい。」
「うん、ありがとう、ママ。」
水着の挿絵になるとAIがガイドライン的に拒否するわけですが、絵柄を実写からマンガに変えればOKとなります。そして、これが裏技なのですが、マンガを再び実写にするプロンプトはすんなり受け入れられるのです。ところが、そうするとキャラの同一性が失われることになりかねない。ロリータがたわわなお姉さんになってしまいました。